表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Si Vis Pacem, Para Bellum  作者: 黒桃姫
学園編
22/73

20話:加奈穂とプール

 みやくんはベンチで休憩しているし、わたしは皆さんと遊ぶことにしたのですが。

「あの、姫野さん、でしたっけ。初めて会うと思うのですけど」

「そう言えば。あたしは姫野咲耶よ」

姫野咲耶さん。みやくんと話していたから、それなりに親しいのだろう。

「わたしは境出加奈穂です」

「境出?ああ、なるほど。ふーん、そういうことか」

わたしを見ながら、一言二言呟いてから、元気よくわたしに言った。

「遊ぼう」

何故だか、不思議なくらいに楽しそうに遊んでいる姫野さん。まるでこういった施設に始めてきたかのような、そんな喜び方だ。

「うん」

だから、わたしは、最大限の頷きを彼女に返して遊ぶのだった。


 しばらくして、高野さんがいないことに気がついた。どうやら、電話をしているようだった。雰囲気がいつもと違って、何故か怖い。でも、すぐにこちらに戻ってきた。その表情は、先ほどまでの怖さを捨て、曇りない笑顔。眩しいくらいの笑顔。何故か、如月さんと似ているなと思ってしまった。


 ふと、みやくんの方に目をやったのだが、そのときみやくんは、隣の席にいた、綺麗な人を抱いていた。どこにも行かせようのない憤りが生まれるが、それを全て捨て去るように、みんなとの遊びに戻った。みやくんはいつも、どこでも、誰とでも仲良くなれる。そんな人なのだ。そういえば、彼の姉もそんな人だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ