表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Si Vis Pacem, Para Bellum  作者: 黒桃姫
学園編
16/73

14話:平穏

 翌朝、俺は、ある異変に気がついた。ドアの外が騒がしい。何か起きたのだろうか。騒然とするドアの向こうの様子を探ると、どうやら、賢斗が何かしているらしい。

「うおぉぉおお!」

やかましい声が、ドア越しにも聞こえる。この防音性の高いドア越しでも聞こえるなんて、ドンだけ大きな声を出しているんだろうか?いったいどうしたのだろうか。ドアを開け、確認すると、そこには。

「うおぉぉぉおおおおおお!」

半裸の賢斗がいた。むろん上半身だが。

「何やっているんだ?」

近くにいたクラスメイトに、事情を聞くと、笑いながら詳しく話してくれた。

「それがよぉ、罰ゲームなんだよ。くじで引いたやつを組み合わせて出来たものを実行するってやつなんだけど」

つまりは、「上半身裸で」、「廊下で」、「全力疾走で」、の三つのくじを引いたらしい。そして、それを組み合わせた「上半身裸で廊下を全力疾走」ということになったらしい。


 しばらくの後、教師がやってきて、賢斗とその友人達は、連れて行かれた。当然のことなのだが……。


 さて、その教師が現れた際、藍の姿を見かけた。その目の色は、黒かった。初めて会ったときもそうだったが、彼女の目の色が、違うように見えることがある。気のせいかと思っていたが、どうやら違うらしい。カラーコンタクトだろうか。いや、違う気がする。理由は分からないが、何か秘密があるらしい。


 二時限目の半ば頃、ようやく解放されたらしい賢斗が、戻ってきた。奴は、戻った途端に、机に突っ伏して寝たようだ。


 そして、放課後。生徒会に差し入れに行くという藍に連れられ、生徒会室に足を運んでいた。無論乗り気ではなかったが、藍の行動が気になったのだ。

「それで、漣君は、生徒会に入る気がないのに用もなく生徒会室に来たのかしら?」

生徒会長の棘棘しい言葉を突きつけられながらも、椅子に座っていた。

「今日は、あまねちゃんは?」

藍の疑問に、生徒会長が、答える。

「境出さんと如月さんで、見回りに行ってもらっているわ。もう戻ってくるんじゃないかしら。書記は、いつもの如く欠席」

加奈穂も、もう帰ってくるようだが、今は致し方ない。藍を監視するために生徒会室に居座ることにしよう。そんな風に考えていると、不意にドアが開いた。

「え、みやくん?」

遠目ながらも、加奈穂が呟いたのが分かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ