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湿度100%

作者: 月蜜慈雨
掲載日:2026/03/03

 




 まるで湿度100%の地獄にいるみたいだ



 流れ落ちる汗が涙のよう

 綿毛が線路を泳いでいく

 わたしの涙は空を介して海になった

 浮き続けていた木の葉がついに沈み

 停滞した川では岸辺にも着けない

 記憶に住み続けたたくさんの大人たちが正論を吐く

 じっと

 じっと

 じっとした

 過去が襲ってくる

 生き延びてくれてありがとう

 十三割の違和感

 わたしはかわった

 かわった端から透けていく

 どうか言葉を尽くさないで



 まるで湿度100%の地獄にいるみたいだ



 突然のスコールに身体がびしょ濡れになる

 心のひだにまとわりつく

 あれやこれやそれや

 えんやこら

 言霊を叫びたいんだ



 環状線がぐるぐる廻る

 わたしも廻る

 氷の溶けた生ぬるいアイスティーが

 心食む



 マリオネットのように動かした足

 わたし生きてる

 息してる



 まるで湿度100%の地獄にいるみたいだ



 転んで擦りむいた足

 滲む血

 帰り道の側溝で吐いた

 それでも夕日は美しかった



 霞がかった視界の中で

 言葉の宝石を飲みこむ



 夢みたいだ

 夢みたいに美しい地獄が

 わたしを待っている



 綿毛がわずかに宙へ浮いて



 這いつくばった魂に

 光り輝く言葉たちが

 いつまでも

 いつまでも

 降り止まない



 綿毛が天高く飛来したとき



 這いつくばった魂よ

 例え何を無くしたとしても



 忘れて欲しくない言葉があるんだ



 ここが湿度100%の地獄だろうと

 わたしはもうそれを知っている から







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