湿度100%
まるで湿度100%の地獄にいるみたいだ
流れ落ちる汗が涙のよう
綿毛が線路を泳いでいく
わたしの涙は空を介して海になった
浮き続けていた木の葉がついに沈み
停滞した川では岸辺にも着けない
記憶に住み続けたたくさんの大人たちが正論を吐く
じっと
じっと
じっとした
過去が襲ってくる
生き延びてくれてありがとう
十三割の違和感
わたしはかわった
かわった端から透けていく
どうか言葉を尽くさないで
まるで湿度100%の地獄にいるみたいだ
突然のスコールに身体がびしょ濡れになる
心のひだにまとわりつく
あれやこれやそれや
えんやこら
言霊を叫びたいんだ
環状線がぐるぐる廻る
わたしも廻る
氷の溶けた生ぬるいアイスティーが
心食む
マリオネットのように動かした足
わたし生きてる
息してる
まるで湿度100%の地獄にいるみたいだ
転んで擦りむいた足
滲む血
帰り道の側溝で吐いた
それでも夕日は美しかった
霞がかった視界の中で
言葉の宝石を飲みこむ
夢みたいだ
夢みたいに美しい地獄が
わたしを待っている
綿毛がわずかに宙へ浮いて
這いつくばった魂に
光り輝く言葉たちが
いつまでも
いつまでも
降り止まない
綿毛が天高く飛来したとき
這いつくばった魂よ
例え何を無くしたとしても
忘れて欲しくない言葉があるんだ
ここが湿度100%の地獄だろうと
わたしはもうそれを知っている から




