趣があってよろしい
少女がどんぐりを拾う
帽子をかぶったどんぐりは
きっとおしゃれさん
おしゃれが過ぎて
なかなか帽子を
手放そうとしない
男の子がどんぐりをつまみ上げる
みどりいろのどんぐりは
活力にあふれていて
可能性がうず巻いている
裏づけのない自信は
どこからくるのだろうと
すこし心配にもなる
こぶたがどんぐりを鼻先でもてあそぶ
ずんぐりと太ったどんぐりは
毎日たくさんごはんを
食べている
先輩たちから
食べろ食べろとたくさん言われ
おとうさんから
食べろ食べろとたくさん言われ
おかあさんには
笑顔で見守られている
おばあさんがどんぐりを手にする
ところどころ色の剥げているどんぐりは
年老いて
けれど
どことなく
味わい深い
なかには黒く
朽ちてしまいそうな姿を
見せているものもあるけれど
それはそれで
しみじみと
風情を感じさせる
いろんないろ
いろんな姿があって
どんぐりは
いとおかし




