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桜子伝  作者: いかすみ
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第34話 春美と秋奈

悪の本拠をたたくため

春美と秋奈


春美は次女として産まれた。

双子の片割れとして秋奈と一緒に生を受ける。

一つ上の桜子の子分としてこき使われて育った幼児時代だ。。

だんだん力をつけるに従い二人で協力して横暴な姉に対抗した。

横暴といっても普段はやさしい姉だ。

ただ戦闘となると人が変ったように強くなる。

二人掛かりでも勝てない。

特におやつを賭けた場合絶対に勝てない姉だ。

二人の得意技はダブルアタックだ。

二人が重なるように突進していく。

前になるのは春美が多い。

姉の攻撃を全部盾ではじく。

そして、接近したところで直前でかわす。

後ろにいた秋奈が魔法の玉を撃つ。

距離は1メートルしかない。

でも、しっかりかわされて逆に2人に連射を浴びる。

誘導弾ならごまかせる。

けれども、姉はそういう時は何も仕掛けない矢だ。

シャワーを浴びるようなものでかわしようがない。


春美の得意は逆誘導だ。

誘導弾のようなものは術式を解析してこちらに取り込む。

それが得意だ。

けれども、いざ自分で組むと時間がかかる。

撃てないわけではないが、効率が悪い。

いっそ、秋奈に撃ってもらって誘導した方が効率が良かった。

秋奈は逆誘導のようなことは出来ない。

しかし、魔法の威力が春美よりあった。


初めの頃は姉が春美の能力を知らなかった。

そのため、中距離からの撃ち合いを行う。

秋奈の誘導弾に対抗して撃った桜子の誘導弾。

それを、逆誘導で暴発させる。

それで面白いように勝てた。

首を傾げながら、魔法の失敗で言い訳をする桜子。

こうして、二人で姉をやっつけた。

そのうち手の内がばれてしまう。

逆誘導していることがばれた時だ。

桜子は誘導をやめて、連射のみに切り替えた。

そうなると連射できる姉に勝てなくなる。

あんなシャワー状態で撃たれたら反則だ。

一秒に四発も撃てるのは桜子だけ。

よける余地がない。

だからこちらもルールを設けた。

一秒に一発以上撃ってはいけないというルールだ。

そのルールを設けてからは戦いになった。

勝てないけど。

桜子には2対1で勝てない。

あの動きは反則だった。


弟と妹が遊べるようになったのでハンデを設けた。

チーム戦だ。

下の二人を足かせに弟と三人で戦う。

でも、下の2人を倒したところで3対1でも勝てない。

あれは反則だ。

私達もあれぐらい動けるようになりたい。

お母さんに頼んだ。

しかし、『まだ小さいから体がついていかない』と言われてしまう。

結局、勝てないまま姉さんは婚約して狼家に行ってしまった。


時々といっても年に2回だけど帰ってくる。

でも、もう昔のように遊んでくれなくなった。

一度、やったのだけど前よりもっと差が開いてしまった。

1対5で負けた。

動きだけではない。

それなら、もう同程度に動けるだけになっていた。

それなのに勝てない。

姉さんは、なにか、勘のようなもので動く。

そんな姉さんだけどお父さんには勝てなかったみたい。

戦うところを見せてくれなかった。

お母さんは笑っているだけ。

お父さんの強さってどれぐらいなのかな?

あの救国の英雄と互角ぐらいあるのかな?

テレビで見た英雄は十人ぐらいを相手に軽々と戦っていた。

あんな大きな火炎球がいくつも飛び交う中を動き回っている。

お父さんならいいとこまでいけると思うのだけど・・・。

そういったらお母さんは「お父さんはあんなところに出ないわよ」と言ってい

た。


春美と秋奈は十四歳になっていた。

そんなある日、お母さんから頼まれる。

「桜子が瀕死の重傷を負わされたからあなた達で仇をとってきなさい」

まさか、あのお姉ちゃんがやられるなんて・・・。

『どんな凶悪な敵なの?』

『でも、あれ?』

『お姉ちゃんは2ヵ月後結婚式を挙げると昨夜言ってたのに?』

『重傷って嘘なの?』

次々と出てくる双子の疑問。

母に確認したら「さっさと行きなさい」と叱られてしまう。


「赤国に行って、蠍利也という人と一緒に活動して」と言われる。

『相手はお坊ちゃんだから行儀よくしなさい」と注意された。

二人は遠足に行く気分で準備する。

二人だけの外出許可にわくわくする気分だ。

治安は良くなっても、しっかり化粧して出陣だった。

もちろん、目立たないように平凡になるための化粧だ。

姉さんの話では私達姉妹はかなりの美人らしい。

そして出発だった。


二人を見送る両親。

「むちゃしなきゃいいけど」

桜の発言。

「大丈夫、向こうには虎丸祐治もいるから」

「でも、街を破壊したら」

「そんな無茶はおそらくしない・・たぶんしないはずだ」

「あなたも心配してるじゃない」

桜は雅雄の方を見て軽く睨む。

そして、祈るように二人を見送った。

二人の心配は無事を祈るのではない。

無難に事件を解決することを祈っていた。



大掛かりな犯罪組織に対抗するため人が集められた。

そのリーダーが蠍利也だ。

そして、犯罪組織に大掛かりに対抗している組織があった。

旋風かぜという組織だ。

利也は旋風という組織の末端に協力をお願いした。

この場合、旋風からの半依頼の要素も強い。

強力な犯罪組織に対抗するため、英雄に助力を求められた。

その結果、春美と秋奈が送られる。

そして、旋風の方のまとめ役リーダーが虎丸祐治だった。



犯罪の内容は表向き黒国の警察署襲撃だ。

正式発表は『極秘研究中の大型魔法弾の誤作動だ』という内容。

『発射場所は赤国』という。

赤国から被害者のものに莫大な慰謝料が払われて事件は終わった。

しかし、疾風からの報告では違う。

『犯罪関係者の口封じ』という事だ。。

その時、収監されていた『誘拐団のボスを殺すため』という。


十六年前から始まったという前代未聞の誘拐全国組織。

そのボスがようやく捕まる。

そして、全容が解明されるはずだった。

そのボスが捕まって1時間もしないうちに『誤爆事故』という。

警察も関係を探った。

けれども、国家権力の前に手を出せなかった。


ボスの女性に殺されかけた桜子。

彼女は狼家の婚約者だ。

母親、桜の怒りは相当なものだった。

桜子が殺されかけた怒りは見ていて恐ろしい。

『なんでも、疾風という組織に依頼して真犯人をつきつめた』という。

黒国の事件なのに狼家は動かない。

というより動けないらしい。

英雄の縄張り違いが理由だ。

替わりに真相究明に白国の蠍家が動いた。

『中立の立場』という意味だ。

補助に赤国の猪家が入ったという。

疾風のリーダーは緑国の虎丸祐治が動いてくれるという。

救国の六家のうち三家が動く大事件だった。


春美と秋奈は目的地に向かう車中で話をまとめた。

そして、疑問に首をかしげる。

『そんなところに私達のような子供がいっていいのかな?』

首をかしげながら二人は目的の場所に向かう。

まさか、母親の思惑に別の意味があるとは気付かない二人だった。




一方、受け入れる方の場。

「私は反対よ、いまさらそんな馬の骨を仲間にするなんて」

机を叩いて騒ぐ猪夏子。

まだ十五歳だ。

利也はうんざりする気持ちで返事をする。

「はっきり言えば、相手のほうに強い魔術師がいる。こちらの戦力不足なんだ」

今まではっきり言わなかった。

夏子は英雄の娘だ。

プライドもあるから内緒にしていた。

しかし、仲間に被害が出始めた。

それで、なりふり構わない。

旋風からの増援窺いに二つ返事で了解をだした。

味方は多い方がありがたい。

まして、状況を知っている旋風からの増援だ。

期待できる可能性が高かった。


初めて実情を知らされた夏子。

顔を真っ赤にして怒る。

「そんな、わたしは英雄の娘よ」

「相手はそれ以上に強い。だから援軍を頼んだのだ」

「いいわよ、その人が私より強かったら認めるから」

そう言うと引き下がった。

利也はやれやれという感じで肩をすくめた。

プライドの高い娘の相手は疲れるからだ。

うまく扱うには要領がいる。

利也はその点まだ未熟だった。


約束の場所に着いた春美と秋奈。

でも誰もいない。

それどころか不穏な空気。

「どうする」

秋奈だ。

「たいした相手ではないから無視しましょう」

春美。

そして、2人に向かって炎の球。

春美は、手をかざす。

家を一軒吹き飛ばす威力の炎の球だ。

しかし、誘導弾の魔術が組み込まれている。

すでに春美の手の内に入った。

球は2人の手前で停止する。

「秋奈、分解してくれる」

頼まれた秋奈、大きな球だ。

けれども、威力は小さいので消すのは簡単。

たちまち何もなかったように消えた。

春「お母さんの警告がなけりゃ返すのだけどね」

秋「そうね、でもあの球大きさだけよ。当たっても実害なかったけど」

炎の玉に見えたが実は赤く見える無害な玉だった。

春「ひょっとして歓迎のしるし?」

秋「おそらく」

春「それなら邪魔したのかな?」

そんな軽口が交わされる中、夏子が近づく。

「あなた達が応援なの」

二人は近づく美少女をにらみ返す。

美人だがきつい口調の夏子に不快感だ。

「今の玉はあなたね」

「そうよ、分解した実力はたいしたものね」

「あれは、歓迎用の花火だったの?」

「まあね、ぎりぎりで空に上がる予定が狂ったみたいだけど」

春美が目を伏せる。

秋奈はにらみつけたまま。

「危ないじゃない。その程度の誘導も出来なくなる実力で人に向けるなんて」

自分達が誘導したことは内緒だ。

「ごめんなさい、調子が悪かったみたいでその点は謝るわ」

「全然、謝っていませんけど」

「誘導前に消されてしまったから花火を見せられなかったのよ」

「まあいいわ、どこへ連れて行くの」

夏子は本部へと案内する。


二人が案内された部屋は小さな物だ。

部屋の中には若いものばかりだった。

二人は『蠍家と猪家が動いている』というのに若い者しかいない。

そのことに驚いていた。



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