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桜子伝  作者: いかすみ
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第27話 犯人の影

警察署で襲われた桜子。

そして、桜子の秘密を守るため予想外の処理。

やがて、それは別のトラブルを起こすことになる。


犯人の影


混乱する警察署。

その中にいて冷静な桜子達三人だ。

警察官の攻撃を察知して里美を庇った悟朗。

いち早くシールドを展開して四人を保護した桜子。

事態を冷静に見つめていた里美。


悟朗は警察官の攻撃がそれた隙に桜子に合図送る。

それに答えた桜子。

シールドを解除する。

悟朗の雷の玉が発動する。

たちまち無力化する警察官。


しかし、警官が放った炎は随所で火の手を上げていた。

桜子は消火に使う水の玉を放つ。

傍目には桜子の手から水があふれるように見えた。

僅かの時間に放たれる水の玉が残像を伴っているのだ。

炎の次は水の魔法の攻撃に驚く署内。

悲鳴が随所に上がった。

そして、確実に火を追跡する水の追跡弾だ。

ものの数秒で消火を完了した。

中には煙草をくわえていた人までずぶ濡れだが愛嬌だ。


警察内部が落ち着くにしたがって注目は一点に集まる。

奇蹟の魔法を発した桜子にだ。

そこではさらに奇蹟が行われていた。


警官の最初の一撃は容疑者の三人を襲っていた。

避ける間もなく無抵抗に襲われた三人だ。

傍目には焼死体に見えた。

そこに桜子が手を当てて治療している。

皮膚は完全に焼け爛れていた。

だが、みんなの見ている前で皮膚が再生していく。

数秒で三人は元の体にもどっていった。


戻ったところで恥ずかしそうにその場を離れる桜子。

服も燃えていた。

そのため、半裸の三人だった。

その頃には冷静な悟朗は署長を呼んでいた。


下の騒ぎに驚いていた署長。

下に向かっている途中で悟朗の呼びかけに答えた。

英雄の出現に驚く署長だ。

いろいろな現場で署長と悟朗は出会っている。

現場の細かい指示などは警察が担当するからだ。

悟朗は署長にお願いをする。


英雄からの頼み。

署長は『何事か』と反応する。

内容は、『ここでのことは一切秘密にして欲しい』という。

事情はよく判らない。

けれども、英雄の頼みだ。

署長は警察権限の緘口令2級を発動する。

これは、被害者を保護するための法律だ。

そこで行われた事の口外すべて禁止するものだった。

例外も無い。

1級は死刑もしくは永久禁錮刑だ。

2級は禁錮刑で事情によっては1年で解放される。

最低1年は禁錮されるものだ。

そして、例外が許されない。

普通は、三人ほどしかいない場で発令される。

警察署内には今や五十人近くがいた。

それほどの場で出されたケースは過去にない。


緘口令2級の発動には悟朗の方が驚いたぐらいだ。

予想以上の対応に署長に感謝する。

しかし、この現状だけは署長に説明する義務が在った。

そのため、当事者の三人を伴って署長と一緒に署長室に向かう。

現場に残された者たちは緘口令の発令に興奮がさめやらない。

そして、目の前で行われた奇蹟についても誰とも話せないことに気付く。

緘口令は例外もない。

上司に報告も許されない内容だ。

ただ自分の胸のうちにしまうだけだった。


署長室に戻った署長。

机の上のスイッチを押す。

それで、部屋と外部は完全に遮断された。

ここでの話はここだけの話になる。

そういう予定だった。


悟朗は事態のあらましを説明する。

取調官に案内されて小部屋に入ったところで警察官に襲われたこと。

警察官の攻撃をシールドで防いだこと。

警察官を無力化したこと。

桜子が署内の火に向けて水を放ったこと。

その水が特殊なこと。

そして、黒焦げに近い容疑者三人を元に戻したことを話した。


驚く署長。

警察官の攻撃をそれほどの至近距離で受けきったシールド?

被害も出さずに消火する水の玉?

瀕死さえも戻してしまう治療?

どれも、伝説級の奇蹟だ。

改めてあの場で緘口令を出したのは『大正解』と感じていた。

そして、その奇蹟を目の前の少女と言ってもいい女性がやったことに驚く。


その話を聞いた桜子。

話が終わったところで口を挟んだ。

「あの容疑者三人と、警察官の人は被害者だ」という。

驚く悟朗と警察の2人。

そこに、里美が口を挟んだ。

「警察官にしがみついていた女性が怪しい」という。

続きを促される。

「事件後わき目も振らず現場から逃げ出した」と続ける。

混乱していたので誰も気付かなかった。

しかし、里美だけは注視していた。

最初の現場から逃げ出したのも女性だったからだ。

終始顔を髪の毛で隠していたので人相は不明だ。


事実に驚いている3人にさらに桜子が言う。

「被害者の操られた4人を調べればなにか掴めるのではないか」と。

悟朗は「何故」と質問する。

「犯人がわざわざ殺しに来た様に感じるから」という。

その言葉に悟朗と警察の二人は驚くばかりだ。

あの混乱の中、大人顔負けに状況を分析していた二人。

年齢に対して、修羅場の経験が違うのを知った。


取調官はすみやかに言われたことを実行に移す。

桜子はそのまま後を任せて引き上げようとした。

その時、署長が声を掛けた。

『桜子にお願いがある』という。

『あの、水の玉の作り方を教えて欲しい』と頼まれた。

署長をやるような人が子供のような桜子にお願いする。

そのことに驚く。


署長も犯人達が証拠隠滅に最後に火を放つケースに良く出会う。

特に七年前の刺客団のときは目の前で資料が灰になった。

それを、歯噛みして見送った署長だ。

話に聞いた水なら火を消して証拠を押さえられた。

そう思ったからだ。

その話を聞いた桜子。

複雑な思いだ。

火を付けて証拠を消した当人。

署長のその思いに答えたかった。

そこで、内密に後日指導を約束する。




後日の話になるが桜子は約束を守った。

その功績とも縁とも言うべきものにより桜子は警察にも顔が利くようになる。

そして、警察内部に多大な隠れファンが作られるようになった。

桜子の魔法指導の日はくじ引きが行われるほどだ。

上司から入場制限を言い渡されたからだ。

もっとも、本人は職権を盾に出席していた。


桜子の魔法指導から消防の実力は飛躍的に向上する。

一部の者の誘導弾制御。

そこから一般の者の撃ちっぱなしに変わったのだから効果は当然だ。

しかし、講師に関することは極秘として扱われた。

桜子が狼家の嫁に入ってからの話だ。



攻撃に失敗した犯人。

今度は違う形で攻撃する。

それにより追い詰められる悟朗。

そして悟朗のとった手段は?

次回、悟朗の決断。


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