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桜子伝  作者: いかすみ
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第15話 桜子の守り

教師の洗脳攻撃にさらされた桜子。

反撃できるのか。


桜子の守り


桜子は席に座った直後だ。

桜子には、教師がすごく魅力的に見えた。

席に座るようにと背中を触られたときだ。

教師の予備洗脳が功を奏した。

直接洗脳は効果が高い。

相手の防御の中に入り込んで直接攻撃するからだ。

男はこの手段で多くの女をものにした。

しかし、この方法は常に触っていなくてはいけない。

離れると時間と共にすぐに回復してしまう。

だから、本格洗脳は離れてもいいように催眠術に似た方法を取っている。

接触洗脳は初対面の垣根をとるための手段に使った。

間接洗脳に入るまでの時間稼ぎ。

催眠術をかける。

その抵抗をとるためのようなものだった。


最初の予備洗脳がうまくいった。

これでおとなしくなる。

そして、いつもと同じように間接洗脳を開始した。

まず、正面に立って桜子の目を覗く。

そこには教師を崇拝する目があった。

いつも、この教師がぞくぞくする一瞬だ。

魔力を込めて瞳を覗き込む。

普通ならこんなことをすれば抵抗される。

でも、すでに魅了されてる桜子。

桜子は無抵抗で受け入れていく。

こうなれば、もうこの男に逆らうことは不可能だ。

そして、表層の一部にたどり着いた教師。

あとは、意識を書き換えればいい。


普通なら、教師を恋人と認識させていく。

そして、男がなにをやっても幸せと感じるように出来る。

力を身につけたとき事実それをやった。

しかし、時間と共に効果が薄れてきた。

そして、それに気づかなかった。

男はいきなり警察に捕まる。

女が訴えたからだ。

まともなことをやっていればそんなことにはならなかった。

調子に乗って好き放題に扱ったからだ。

そして、男は性犯罪魔法登録を受けてしまった。

表の世界では生きられない身となってしまう。

そこで裏の世界に沈んだ。

その世界は男にとって天国だった。

高額で男を雇うものはいくらでもいる。

女を好きに操っていた。

そして、今回の話だ。


部屋に入ってきた桜子を見て一目で気に入る。

気合を込めて予備洗脳は行った。

あとはどのように料理しようか考えていた。

相手は子供だ。

だから、父親にして好きに触るのでもいい。

なにをやるのも自由だ。

男の最高に幸せの一瞬だった。

そして、仕掛けられた地雷を踏んだ。

一瞬に焼き尽くされる教師の能力。


桜子にはなにが起きたのかわからなかった。

直前まで魅力的な瞳で桜子を見ていた。

桜子は、その瞳にうっとりと魅入っていた。

すると教師が倒れてしまった。

あわてて教師を助けようと動く。


それは、雅雄が仕掛けた地雷だった。

娘の能力の高さを知る雅雄だ。

娘の能力を悪用される。

それだけは防いでおきたかった。

そのための地雷だ。

だが『好きな人の願いなら』と直接による洗脳のガードは甘くしてあった。

桜子が恋をして相手のためにと動く。

そのようなものには反応しないようにしてある。

不本意でも桜子の意志で動くものは許容内だ。

男の予備洗脳はそのぎりぎりのとこまで迫ってはいた。

けれども、許容の範囲。

男は恋人から絶対者として存在しようとした。

それに対して、仕掛けは作動する。

桜子の意志が介在しない行動。

それを取らされるとき地雷は作動する。

それに引っかかった家庭教師だ。

桜子の魔法は全力で相手の能力を選択的に焼き尽くしていく。

そこまでしかしないのは桜子に無意識の殺人をさせたくないからだ。

だから、能力は奪われても男は生きていた。


残っていた教師に対する初期の洗脳効果。

あの『魅力的に見えた』という洗脳だ。

無警戒だった。

それでいきなりの相手の攻撃に染まってしまう。

しかし、落ち着けばそんな洗脳は『まやかしだ』とわかる。

本来はそれに気づく前に本格的洗脳が始まるはずだった。


それは時間と共に怒りが塗り替えて行く。

倒れた男を助けようと近づくうちに怒りが湧き上がる。

手を振り上げて殴ろうとした。

その手を止めるものがいた。

志郎だ。

しかし、桜子の怒りは止まらない。

邪魔した志郎を突き飛ばしていた。

お手玉一つで大の男を吹っ飛ばした桜子だ。

怒りに任せた一撃。

それは手加減していても志郎を2メートルほど飛ばしていた。

そして、飛ばされた志郎は机や椅子を巻き込む。

派手な音を立てて倒れこんだ。

その音に自分を取り戻す桜子。

あわてて志郎を助けに行った。


洗脳によって、教師を守ろうとした志郎だ。

しかし、本来は桜子に惚れてる志郎。

目の前に心配そうに覗き込む魅力的な顔。

手を伸ばせば届きそうな距離。

二人以外誰もいない。(家庭教師は眼中にない)

結果は・・・。


思わぬ結果に真っ赤になる桜子。

教師に対する怒りはどこへやらだ。

あわてて部屋に駆け戻った。

こうして、教師に対する事件は終了した。

この教師の能力では定期的に洗脳強化しなけれならない。

そして、能力を失った教師はたちまち首となった。

後ろ盾の無くなった男に迫る将来。

それは、ご想像に任せる。


改めて考え込む桜子。

『あれは、弾みだ』と自己暗示をかけている。

しかし、現実は志郎に魅かれ始めていた。

夕食の時には志郎の顔をまともに見れない。

そんな中、『家庭教師が首になった』という連絡。

そして、『明日は悟朗伯父さんが帰ってくる』という知らせ。

桜子にはうれしい知らせだった。

使用人たちの勉強会について相談できる。

期待に胸を膨らませて布団にはいる。

もちろん、ベッドの下だ。

しかし、静かになれば『あの一瞬』が思い出される。

桜子には、なかなか眠れない一夜だった。

桜子が屋敷について3日目が静かに?終わる。




怒り狂う啓。

虎の子の家庭教師の能力が消去されてしまった。

『原因は不明だ』という。

ちょうど暗示を掛け直す使用人がいた。

それで、わかったことだ。

あきらかにいつもと違う反応。

家庭教師を問い詰めたら白状した。

これで今後の計画が全部修正を強いることになる。

そんなところに『明日、悟朗が帰る』という連絡が入った。

啓は一気に勝負を決めるため荒療治を考える。

そして、子飼いの使用人に手紙をもたせた。

電話では誰が聞いているかわからないからだ。


現実に狼家の電話はすべて盗聴されていた。

それは、杏達を支える謎の組織だ。

蠍家の依頼で動いていた。

しかし、それらのものは啓が考えている計画を知ることは無かった。


連絡を受けた暗殺団。

『今度こそ確実に』

そう考えて総力戦を仕掛ける。

しかし、外部の『杏の里』の二人には連絡を入れなかった。

昼間、催促をいれたところだ。

それで再び連絡を入れれば機嫌を損ねる可能性がある。

『噂ほど能力のない役立たず』とも考えていた。

依頼した殺しをなかなか実行しないからだ。

やはり最後は身内で決める。

『それしかない』と決断した。


『これで狼家は俺達の上得意になる』と夢を見ていた。

あちこちの仲間に連絡を入れて召集をかける。

召集を受けた男達は時間に合わせるために車を運転する。

眠る間もないあわただしい夜だった。



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