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4話 門番メイド

新しい作品の序盤ほど書きやすいものはない








「えーと、絶対あれだな」


 学校から歩くこと30分、曲がり角を曲がると圧倒的な存在感を放つ巨大な豪邸を目にする。

 門には大きく水野家と書かれており、初めてくる人でもわかりやすい仕様になっている。


「…!あれ?誰かいるな?」


 俺があと少しの距離を歩いていると門に人影がいることに気づく。

 もう少し近づくとそれが少しガタイのいい男だとわかる。

 おそらく俺より先に面接を受けようとした人だろう。

 しかし、よく見るとメイドらしき人と揉めているようだった。


「おい、なんで来てすぐに不合格なんだよ!面接受けてすらねぇぞ!理由を言え!理由を」


「うるさいですね…。理由なら自分の胸に聞けばいいんじゃないですかね?」


「はあ?受けてもない面接で落ちる理由なんて思い当たるわけねぇだろ!」


「はぁ….めんどくさい。」


「めんどくさいってなんだよ!まずは一言理由を言え!説明責任を果たせ!」


 どうやら揉め事の内容は面接もしないで何故不合格にしたのかということらしい。

 それに対して男は理由を求めているという状況だ。

 聞いている感じ男の言っていることは間違えなく正論で俺としても面接もなしに不合格にするのはよくわからない。

 しかし、メイドの対応は冷たく男の話を適当に聞き流している感じだった。


 あ、俺の状況言ってなかった…。

 俺は巻き込まれたら面倒くさそうだったので電柱の裏で隠れて盗み聞きしています!


それから、しばらく男とメイドの、いや男の訴えは続いき、そしてとうとう堪忍袋が切れた。


「このクソメイドが!」


 男は拳を思いっきり握った拳でそのメイドを殴ろうとした。

 そのガタイから飛び出す拳は人が簡単に気絶する威力はある。

 いくらイライラしているからといって人を殴るのは流石にやりすぎだ。


「危ない!!」


 俺は咄嗟に飛び出し、そのメイドを庇おうをした。

 しかし…


「…やっと手を出してくれましたか」


そう呟いたかと思うとそのメイドはその男の拳を

軽くかわし、そのまま腕を掴みそのガタイのいい男を軽く背負い投げしてしまった。


「ぐぇっ」


「……えぇ」


 投げ飛ばされた男は完全に地面でのびており、

メイドは手を払っている。

 俺はその光景に飛び込んでスカッとた結果、地面に衝突したということを忘れるぐらい困惑する。


「あら、他に人がいたのですか。」


「あ、どうも…はは、」


「面接ですか?」


「はい…」


 この後、このメイドと話すの怖いんですけど!?

ていうか、これ俺も門前払いされない!?

 なんかなんの前触れもなく投げ飛ばされたりしないよね!?


「…」


間が間が怖い!なんか見定めるような目している!

てか、俺今倒れっぱなしじゃん。やっべ立たないと。


「よいしょっと。…っ。いてて、どっか、体打ったかも…」


「新井佑樹さん、合格です。どうぞ面接を受けてください」


「へ?」


 え?今なんで言った?合格?…なんで?

ていうか、面接受けるのに合格不合格あるの?


「こちらです。ついてきてください」


「え、あ、はい」


 そうして何故か面接を受ける試験?に受かったら俺は混乱と困惑の中、メイドさんに案内されて水野財閥の屋敷の中に案内された。


「こちらが面接会場になります」


「あ、はい。ありがとうございます」


 本当にわけがわからないままどうやら面接の試験会場についたようだ。

 まあ、いろいろ聞きたいことはあるが回せたができるのならそれに越したことはない。

 こういうのは気持ちの切り替えが大切なのだ。

いつまでも気になることを引きずっていてはいつも通りのことはできない。


 俺はさっきまでのことを一旦忘れて気持ちをリセットしようと心を落ち着ける。


「…ふぅ、…よし、やってやろうじゃねぇか、」


「あ!」


 さあ、いざ行こうとした瞬間、後ろに立っていたメイドさんに呼び止められた。

 彼女は思わず声が出たと言った感じですぐに片手で口を押さえている。


「どうしたんですか、メイドさん?」


「急に声をあげてしまい申し訳ありません。お礼を言っていなかったことを思い出しまして…」


「…俺何かしましたっけ?」


「先ほど、私が殴られそうな時、庇おうとしてくれましたよね。面倒が嫌で電柱の後ろに隠れていたのに」


「…!気づいてたんですか」


「メイドたるもの当然です。…まあ、そのことですね。新井様庇おうとしてくださりありがとうござました。」


「いえ、当然のことをしたまでです。結局意味なかったし、…そもそも届いてなかったし。」


「…普通はそんな体は動かないものなんですよ。」


「…?なんか言いました?」


「きっとあなたなら受かると言ったのですよ」


「そうですか…ありがとうございます。俺頑張ってみます。」


「では、私はこの辺で…」


「…」


 メイドさんの歩いて行く後ろ姿を眺めながら、

俺は嬉しさ半分、怖さ半分と言った気持ちになっていた。

 行動を褒められて励まされて嬉しい気持ちと、

盗み聞きがバレていたことに対する怖さがあるのだ。

 あれ?これ助けに行ってなかったら不合格どころか、ワンチャン......あのメイドやっぱこっわ。


「...でも今回は受かったんだ、このチャンスを逃さない手はないよな」


 この二週目の人生、挑戦してなんぼ、夢の部活のためにも絶対に受かって見せる!!


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