通学路からそれてはいけない
「通学路に沿って帰ってください。」
何度も何度も聞いた事のある言葉、それこそ小学校の頃は毎日先生や親から言われてきた言葉。
それはなんてことない言葉で、その言葉自体に深い意味はない。しかし、通学路から外れて帰ったらなぜダメなのか考えた事があるだろうか。
「通学路とは学生が安全に登下校ができる道である」と君は答えるかもしれない。では、安全とはどの様に証明されたものだろうか?まずはそこから考えよう。
分かれ道が君の前に現れて、それぞれの道に君より前に進んだ子供がいる。さて、どっちが安全な道だろうか。分からない?そうだね、この段階ではまだ分からない。でも、片方の道を進んだ子供が死んでしまったら、どっちが安全か分かるだろ。
つまり、安全とは証明されたものでもなく、保証されたものではない。他の道と比べて何も起こっていないだけの、暫定的な言葉に過ぎない。何かあれば、別の道が通学路になるだけさ。
だから、泣かないで大丈夫。君はただ運が悪かった。前を歩く子供に偶然なってしまっただけさ。君の姿を見た後ろの子供は別の道を歩んで行くさ。そうやって通学路はできていくんだ。
じゃあ、そろそろ一緒に行こうか。
「さようなら」