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過去を乗り越えた先で。  作者: ちゃんえん
5/19

入学式 (陣)

ここまではほぼ説明会です。


今日は入学式だ。


(ついに俺はここに。)


彼は、入試と同じように緊張している。


そして、初日に何をするかと言うと


クラス決めの模擬戦である。


 学校がランダムで決めたトーナメントにより、1対1の決闘を行う。これにより、順位付けされ1から50がAクラス、51から100がBクラスと合計で4クラス。つまり200名の生徒がこの学校に通う。

この模擬戦を行うのは校内にある4つの闘技場で行う。

 これを観戦するのは教師だけであり、生徒は見ることができないが、別部屋に映像を映し出し、映像観戦できる部屋がある。そこで見る生徒もいれば、帰って自由に過ごす生徒もいる。


 そして、この闘技場の戦いでは、ダンジョンの探索で発見した技術を応用した簡易転移装置を手首につける。審判が危ないた思ったときに発動可能で、強制的に控室に転送される装置だ。


ちなみに先程の録画する装置もダンジョンの中で発見された技術の応用だ。


陣は2度目の受付をすませ、観戦室の入口付近で中を見渡す。


(結構いるんだな。)


ざっと100人はいる。この模擬戦は3日ほどかけて行われる。見る人は全部見るが、見ない人は友達と遊びに行ったり、家でのんびりする人もいる。自由観戦なので特に注意されることはない。が、強くなりたいなら他の人の戦いを見るのも1つのやり方だ。


そして、今、モニターには一回戦の様子が映し出されている。


陣は、一人見覚えのある男がいることに気付く。


(あいつ、実技試験で可愛いこと話してた男じゃん)


 彼と同じ待合室にいた青年が戦っている。

黄色いツンツンした髪を黒いヘアバンドでオールバックにしている。彼は黄色い槍を握っている。


 柄は赤く何かの模様が同じ赤色で刻まれていて、刃は全長の4分の1までその面積を広げながら伸び、そこからは先端に向かって鋭利になっている円錐状の形をしている。円錐の刃周りを囲うように小さい円錐状の刃が四方から中心の刃の4分の1まで伸びていて、その刃の下方部分に赤と黄色で縫われた紐が結ばれていて、彼が動くたびに美しく踊る。


彼が相手を貫こうとした瞬間、相手が審判の強制テレポートにより転移し、彼は勝利した。


「つよ。」

「瞬殺だったな。」

「かっこよくない?」


多くの生徒が彼について話している様だ


(動きが早すぎだな。)


陣も例に漏れず彼に評価を下す。


今日は試合がないので他の人の試合を見て、明日のイメージトレーニングを脳内でする陣であった。


―翌日―


陣は今日試合である。彼は今控室にいる。


大きく息を吐く


準備万端の様だ。


相手は小鳥遊愁哉。人族の男であるが、

陣はまだ名前しか知らない


「よーし。時間だ。来い」


そう、扉を開けて職員が話しかけてくる。


「はい。」


返事をしたあともう1度大きく息を吐く。


陣が扉をくぐると、そこには直径20メートル程の石畳が敷かれた丸いステージがあり、吹き抜けになったいて青空が見える。

ステージの脇には2メートルほど芝生になっていて、壁はステージと同じ石造りで5メートルほどの高さだ。


(すげー。なんか神聖な感じするわ。)


陣はキョロキョロと辺りを見回しながら職員の後ろをついていく。


ステージの真ん中に行くと同じく相手が職員に連れられ歩いてくる。見覚えのある顔だ。


(ん?あの子たしか、入試の時にぶつかっちゃった人かな?)


邪魔にならない程度に切られた黒髪、目も黒色、体は割と華奢そうで、身長は陣と同じ170センチくらいだろう。


両者真ん中で向かい合う。


「やぁ。覚えてる??」


陣が話しかける。


「ん?えーっと。あー。君は〜、、、」


彼が間延びした返答をする。


(あー。多分覚えてないな。これ。)


「あはは。入試の時に入口でぶつかったと思ったけど人違いかな?」


陣はヒントを出す。


「あー、あの時はごめんなさい。」


「いや、こっちこそ。」


相手が頭を下げながら謝ってきたので、陣も謝る。


「おし。じゃあいいか?始めて?」


「はい。」

「はい。」


審判が準備完了か聞き、お互い返事をする。

 

「危なかったら強制退場で負けになるが、死にはしない。思いっきりやりなさい。では、、、始め!!!」


「顕現せよ!カイム!!」


初めの合図と同時に陣は心臓に右手を当て、右に大きく振り払う。


陣は案山子を倒したときの同じ事をやる。 


「燃えろ!火歯車!!」


横に回転しながら斬りつける技だ。


そして、それは、相手の剣により弾かれる。





ことはなく。虚空を切り刻む。


「えー。君の勝ちだ。」


「は?、、、え?」


審判にそう告げられ陣はうまく整理できてない頭で返す。


「危なかったので彼を転移させた。剣すら握ってなかったからね。戦う気あったのかな?」


笑いながら審判が言う。


「あー、そうなんすか。じゃあ…」


「君は無事2回戦に出場だ。頑張りたまえ!」


「あ、ありがとうございました。」


(何かわからんがラッキー!)


審判と軽く会話をし、闘技場を後にする陣。




そして、彼は2回戦も勝ち3回戦で負けて、B組のスタートになるのだった。

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