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白昼悪夢  作者: 薄暮
24/30

つまらない夢

 最近、同じ顔の女が何度も夢に出てくる。

 暗闇の中、女の首から上だけがスポットライトを顔に向け下から当てた様に浮かび上がる。

 至って定番の"おばけ"と言った様相である。

 最初に出てきた時には、犬の様に歯をむき出し笑っていた。

 蝋燭に火を灯すようにぼう、と呑気に浮き上がるものだから、驚くどころか、芸のなさに私は呆れた。

「つまらない」

 女が出てきた事よりも、夢の中で自分の思い通りに喋る事が出来たことに、私は感動していた。

 なんだかんだと自画自賛をしている内に、出てきた時と同じように、ぼうと女は居なくなっていた。


 2日後には、両目尻から赤い滴が滴り、白目の部分が真っ黒になっていた。

「それ昨日テレビで見たな」

 やはり喋れるぞ!

 2日のインターバルに不安はあったが、喋れることを確認し、私はほっとした。

 胸を撫で下ろしていると、女はこれでもかと目を見開いたまま、やはり消えた。


 7日経つと、女は首を180度横に曲げ、スポットライトの点灯と共に素早く現れた。

「何だか分かりづらいな、出直し」

 愈々思うがままに喋れる。

 夢を見るのにも慣れたものだ。

 腕組みし大きく頷いていると、ぎぎぎぎぎ、と女が口から音を漏らして消えていった。


 10日目には口の中に歯は無く、背景と同じ暗闇が、口元に半月上に開いていた。

 その上、きゃっきゃと笑う音声まで付いていた。

「PC加工で作れそうな顔と声だな、わざとらしい」

 喋れる言葉が増えている。

 素晴らしい進歩だ。

 女よりも大きな声でがはがは笑っていると、居なくなる場際、きぃ、とだげ言い、心なしか肩を落としたかの様に見えた。


 今日で11日目だ。

 "同じ夢を見続ける"と言うのは、もしかしたら恐ろしい現象なのかもしれないが、見ている側からすると愈々飽きてきたので、そろそろあの女には夢に出て来ないで欲しい。

 どうにか評価してやるも、そもそも恐ろしくも何とも無いのだから、もう言ってやる言葉も無い。

 どうせ見るなら、奇想天外、語れぬ程恐ろしいものの方が、ましだ等と愈々思ってしまう。

 もう面倒なので、これからは一言で終わらせよう。

「つまらない」と。

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