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白昼悪夢  作者: 薄暮
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イヤホン

 あぁ濡れてしまった。

 洗濯機の前に立つ。

 右手に持った、ワイヤレスイヤホンを見つめる。

 きっと上着に入れてたんだ。

 それを洗う時に、一緒に洗ってしまった。

 右手に乗ったそれを、じっと見つめる。

 おかしい、濡れているように見えない。

 水も滴っていない。

 何故だか、イヤホンのメーカー名が矢鱈と目に映る。

 途端に、身体が、水に沈んでゆく。

 洗濯機から溢れた水が、部屋を満たす。

 踵が濡れ。

 腰が浸かり。

 首元まで満ちても。

 イヤホンを只、見つめている。

 あぁ、また濡れてしまった。

 僅かに開いた口の端から、空気が泡となり、昇っていった。


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