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うんざり
玄関の扉を開けて、3歩進む。
そして、左を向き、更に2歩前へ。
そこから首を右に向け、其の儘の姿勢で、首だけを左に傾ける。
そこには、窓がある。
窓の右端、フレームの向こう。
そこから、見えるのだ。
人の形をした、真っ黒で、薄っぺらい”奴”が。
ある日は強風に煽られ。
またある日は、雨に濡れて萎れている。
いつ見ても、黒い。
いつ見ても、薄っぺらい。
そして、いつもこの角度から見れば、”奴”は居る。
当然、私は”奴”を、知っている。
知っていて、尚且つそれを確認して、私は毎度、うんざりする。
今日も薄っぺらいのか、と。
今日も黒いのか、と。
今日もやっぱり、お前は其処に居るのか、と。




