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白昼悪夢  作者: 薄暮
17/30

忠告

 ついに白昼堂々、瞼を開けていても夢幻の類が見えるようになったのかと思った。

 それは私がベッドの上で胡座をかき、腕を組む中、真正面に居た。

 まじまじと見つめているにも関わらず、その男は私に顔を向ける処か視線の一つも寄越さない。

 見えるのは体の右側のみ。

 何故かじっと、玄関前の床を凝視している。

 しかし、私の関心は、男やそいつが見つめる床でもなく、自分の頭の方にあった。

 平素よりおかしな事ばかり考える頭ではあったが、いよいよ焼きが回ったか。

 そう思いながら組んでいた腕を解き、うんざりとした思いで頭をがしがしと掻いていたら、ふと喉が渇いた。

 害があるものなら、とっくに私に何かしら及んでいるだろうし、何故か、自分の頭が作り出したモノだと私は決めつけていた。

 ベッドから腰を下ろし、男の前を横切るように冷蔵庫へ向かう。

 男を無視し、冷蔵庫の扉に手をかけた瞬間だった。

「お前はそこにいる」

 真左に居る男が、低い声でそう呟いた。

 いやはや、幻が喋るとは、愈々病院行きかな。

 そう思い、男の方を向いた。

 水を入れたコップを持ち、左を向きながら、瞬きをした瞬間。

 冷蔵庫の前で、私は頭を玄関に向け、天井を見上ていた。


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