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白昼悪夢  作者: 薄暮
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蜥蜴

「あなたのお名前は?」

 頭上から聞き覚えのない声が訊ねた。

 しかし、私はそれに構わず、地面に屈み、蜥蜴をじっと眺めていた。

 それは白いアスファルトの上に、肥えた黒い身体がえらく映え、しかし、唯じっとしていた。

「どちらにお住まいで?」

 肥えていた筈の蜥蜴は身動ぎもせず、少しずつやせ細ってゆく。

「ご家族はいらっしゃるんですか?」

 蜥蜴の細る身体は、もはや干物の如き様相となってしまった。

「ご友人は?」

 干からびた蜥蜴、はいつの間にか集った蟻の群れにばらされ、跡形もなくなってしまった。

 私は、哀しくなった。

「いつもここ…」

「死にました。」

 私は不意に、そう言った。

「どうして…」

「死にました。」

 質問を遮るように、私は何度も何度も、蜥蜴の居なくなった白いアスファルトを見つめ、繰り返す。

「死にました。」と。


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