私だけの王子様
三歳のお誕生日会はとても疲れます。
このパーティーは、私の演説?から始まりました。
所詮は、親への感謝の手紙かな?思ったのですが、そんなことはなかったのです!!
なんか、祝辞?みたいな堅っ苦しい文章を暗記して、延々と読まされました。
これ、本当に三歳児のやることなのでしょうか?
「そうよ、クレア。」
とステラ母様は言ってくれました。
しかし、目が、目が泳いでいるのです!!
演説の後は、カイン父様と一緒に挨拶参りをしました。
本当に貴族って疲れますね!?
「あら、クレアちゃん、こんにちは。
あんなお耳が汚れるような挨拶の後に、よく出てこれたわね?」
これ、何だと思います?
私が香水がキツイおばさんの横を通った時に、こっそりと言われた言葉です。
本当に失礼なのです。
「あら、お・ば・さ・ま。
ご機嫌麗しゅう。
そちらこそ、とっても素敵な匂いを漂わせているのですね。
私、とってもクラクラしちゃって参ってしまいました。」
ちゃんと、言い返したので別にいいんですけど。
明日からは、また平凡な毎日が戻ってくることでしょう。
早く、時よ、過ぎろ!!
御機嫌よう
突然ですが、私は最近ある場所に入り浸っています。
それは、書庫です。
我がコーナー家が唯一聖クレリエント帝国でNo. 1と呼ばれるものです。
何故、No. 1と呼ばれるかといいますと、本がとにかく多いから!!
昔の本がとにかく沢山あるのです!!
また、整理もちゃんとしてあり、魔法による検索システムも完備しているので、No. 1と呼ばれています。
雑談ですが、このシステムを開発したのは、我らがメイド、メリーです!!
本当に尊敬するのです!!
しかし、この書庫には問題があります。
それは、とにかく高いこと!!
なのに、この書庫には階段が無いのです!!
まぁ、この建物を設計したのはメリーなのですが、メリーは上級固定魔法【fly-person】が使えるので必要なかったために、階段が無いと………
ふざけんなーー!!
まぁ、それのお陰でキース兄様が肩車してくれたりしたので良かったのですが。
私は最初、帝国の歴史について調べまくりました。
戦争とか魔法の起源とか。
しかし、そんなことはすぐに飽きるわけで、私は一週間も経たずにそれらの本を投げ捨てると、魔術本を漁り始めました。
メリーやキース兄様、ステラ母様には内緒ですけど!!
しかし、彼奴だけにはばれてしまい、とても面倒臭いことになってしまいました。
「魔術は学園でしか習えないんだぞ!そんな本何の得にもならねぇ!」
とフィン兄様が突っかかってくるのです。
本当にガキなのです!!
そして、魔法が習えないのなら、本から自分で学べばいいだけなのです。
最近では、無属性魔法【bright-cannon】が使えるようになったのです。
いつかは前世の『知識』を生かして、オリジナルの魔法を作りたいのです。
ていうか作るのです!!
魔法を使うにあたって、一番大切なのは「イメージ」だと本に書いてあったのです。
それならとても完璧にできるはずです!!
だって、『知識』だけはたくさんあるのだから!!
私は来る日も来る日も開発に勤しみ………ませんでした。
なんか簡単に魔法作れました。
書庫は暑いなと思って、エアコンの機能再現できないかなと思って、まぁ、いろいろとしたわけです。
名前と原理、機能、効果範囲を定めて唱えたら………完成しましたね!!
てへっ!!
その名も無属性魔法【バランス】なのです。
この魔法のお陰で私の部屋は快適なのです。
しかし、一つ残念なことが………
まだ、魔法が使えることを親に伝えていないのです。
だって、もし化け物扱いされたらどうするんですか!?
怖くて、言うなんてこと出来ないのです!!
その所為で、自分の部屋でしかこの魔法が使えないのです。
ダイニングが暑すぎる!!
しかし、今日は伝えるチャンスなのです。
何故なら、今日はステータスカードを神殿に作りに行く日だからなのです。
ステータスカードとは、魔力などの数値を記載するための装置です。
破損することはなく、なくすこともありません。
なんか特殊な魔法がかかっいるらしいのです。
どうやら貴族は3歳の時に、平民は5歳の時にそのステータスカードを、作りに行くのがセオリーみたいなのです。
と考えにふけっている場合ではありませんでした。
もうすぐ私の順番が回ってくるのです。
「クレアー!クレア=コーナー!前に出てきなさい!!」
なんか怒られているみたいなのですが!!
ステラ母様曰く、いつもこの時期は忙しいので、神官様は気が立っているみたいなのです。
何故、今来たのでしょう?
まぁ、慣習なので仕方がありませんが………
「この石板に手を乗せなさい!」
おぉ、早くしなければなのです!!
手を乗せると、不思議なことに目の前にカードが形成されていくのです。
それは、とても幻想的でした。
その時、一瞬小指が熱くなり、パッと見るとそこには赤い糸がありました。
その赤い糸はすぐに消えてしまいましたが………
これも魔法なのでしょうか?
不思議なのです!!
余談ですが、ステラ母様に聞いたところ、ステータスカードは古代文明の遺跡から発掘された貴重な物らしいのです。
-----------------------------------
name:クレア=コーナー
year:3
magic:all
charm:1500
title:赤い糸
-----------------------------------
なんか、とっても簡素なものなのでした。
でも、結構凄くないですか?
全属性ですよ!全属性!
もう、テンションが上がっちゃうのです!!
「はい、次!!」
ってヤバい!早く退かないと!
すると、ステラ母様が此方にやってきて
「クレア、どうだった?」
とカードを見てきました。
かなり気になっていたようなのです。
ステラ母様の反応は上々なので、結構いい結果ということでしょうか?
家に帰るや否や、ステラ母様は私に抱きついてきました。
「うちの子、天才!!」
って、ん?
そんなにチートな内容だったのでしょうか?
どうやら、全属性使えるのは別に貴族の中では普通のことのようなのです。
問題はチャーム(魔力量)にあるようなのです。
チャームの平均的な量はおよそ300で多くて500ぐらいなのだそうです。
王族は多くて、2000ぐらいなのだそうです。
つまり、王族に匹敵するぐらい多いということなのです!!
ステラ母様のテンションが、おかしくなるわけなのです。
また、幼い頃に自然と魔法を使うのは別に珍しいことでは無いそうでなんと、キース兄様も使えてたのことなのです!!
キース兄様とお揃いなのです!!
オリジナルもそこまで珍しいものではないらしく、どうやら子供の方が作りやすいらしいのです。
よかった。私は異常では無いようなのです。
これでイジメプラグは回収出来たのです。
しかし、title(特殊能力) 赤い糸とはなんなのでしょうか?
王子様が私を見つけるとか!?
そんなの、全然嬉しくないのです!!
だって、私が欲しいのは私だけを見てくれる人なのですから!!
政略結婚なんて論外!!
いつか、見つかるといいのです!!
私だけの王子様