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クレアの独白  作者: こはぎ
第1章 クレアの独白
34/43

タイムリミット

 


 第三回定期考査を無事に乗り切った私達は、新しいクラスへと移動していました。

 Aクラスの席順を見た私達の感想は



「キース兄様の効果って絶大だ」



 でした。

 皆さんも今回のテスト結果を知れば、そう言いたくなるのです。

 私の席はもちろん一番前でしたが、その後ろにリチャード皇子にリール、スフィアにクリスと続きました。

 な、なんと、あの勉強会に出た人は全員学年1位でした。

 まぁ、つまり皆満点でした。

 あれだけふざけて勉強していたのにこの効果って!!

 凄すぎるのです!!

 キース兄様が私達に本気で教えたら、何が起きるのでしょう………

 私は、キース兄様に若干の恐怖を覚えたのです。

 一応私もリールも前世持ちなので、知識チートっていう部類に入るんですけどね。

 あれ?私達の存在感は?

 私達の存在をも消し去るキース兄様のチートっぷりには、いつも驚かされてばかりなのです。





 そんな訳で席が近くなった私達は、年末年始の予定について話していました。

 そう、第三回定期考査は11月の終わりにあり、後一ヶ月で年末年始なのです。

 そのため、私達はみんなで遊ぶための話し合いをしているのです!!

 今から、とても楽しみなのです!!

 この計画を企画立案したのは、いつものことながらスフィアでした。

 そんなスフィアは、旅雑誌を見ながら遊びに行く場所を探していました。

 少しテンション高めで



「やっぱり、ここがいい!!

 ここ行こうよ!!ここ!!」



 と雑誌を指差しながら、飛び跳ねて騒いでいるスフィアはとても可愛いのです。

 私がそんなスフィアに和ませれていたのです。

 すると、いうの間にか隣で一緒に雑誌を見ていたリチャードがスフィアをたしなめて言いました。



「じゃあ、今日の帰りにでも寄ってくか?」

「流石、リチャード!!

 私のこと分かってる!!」



 というか、デートに誘っていました。

 これぞ理想のカップルって感じなのです。

 はい、ごちそうさまなのです。

 横でリールが



「リア充なんてリア充なんてリア充なんてリア充なんてリア充なんてリア充なんてリア充なんて………」



 とブツブツと呟いていました。

 ちょっと怖かったのです。

 でも、私も呟きたいと思ってしまったのです。

 本当にリア充なんてリア充なんてリア充なんてリア充なんて………

 べ、別にうらやましくなんてないですよ!?

 私もいつかこんな風になれるんだろうかと不安になっただけなのです。

 いつかなんてそんなに長い時間は私には残されていないですけどね。

 今年中には心を決めなければなりません。

 誰かを愛する自信なんて私には少しも………



 無いというのに



 時間は無情にも止まってはくれないのです。

 タイムリミットは、もうそこまで近づいていました。





  ◇ ◇ ◇



「ということで、最後に私達から発表でーす!!」


 みんなで何処にいつ遊びに行くのかも決まり、さぁ、寮の部屋に帰ろうというときに、スフィアは突然言いました。

 一体、発表とは何なのでしょう?



「私達、聖誕祭の日に結婚式を開きます!!

 絶対来てね!!

 ね、リチャード?」

「あぁ、王城でやるからちゃんとした服装で来いよ。

 もう少ししたら、招待状届くと思うから。」



 聖誕祭というのは、聖クレリエント帝国が建国された日で、簡単に言うと元旦みたいな日です。

 て、ていうか、け、結婚式!?

 確かに数え年で16歳になったら、結婚は認められますが………

 一般的な貴族は、16歳に社交界デビューをし、そこで結婚したい人を見つけ、結婚をするので、平均結婚年齢は18歳なのです。

 その関係で婚約が成立するのも16歳からなのです。

 だというのに、この人達は………



「お前ら、本当にラブラブだよな。

 もう、いっそのこと清々しいよ。」



 リールの言う通りなのです!!

 私達は、その日から二人の結婚式準備に追われました。

 詳細は、言いたくないのです。

 あんな地獄のような日々は、いっそのこと記憶から抹消してしまいましょう。

 そう、それがいいのです。

 キリが横から、じとっと見つめてきますが、む、無視なのです!!

 今回、キリが巻き込まれたのは私の所為ではないのです!!

 多分、不可抗力なのです!!

 だから、そんな目で私を見ないで〜〜!!



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