聖クレリエント学園祭
やってきました秋!!
秋といえば祭!!
祭と言えばそう、文化祭なのです!!
聖クレリエント学園の文化祭といえば
「聖クレリエント学園祭」
こう見えて、私は学園の行事が大好きなのです!!
ガチ勢なのです!!
そう言えば、久美やクレアの人格問題は、深く考えないようにしました。
ここにいるのは、どうしようもなく私で、それを証明できるのは私しかいないのです。
それにこんな小難しい事を延々と考えるようなことは私にはできないのです。
だから、考えません!!
記憶の混乱のため、治療の一環として家に戻っていた私はキリにそう伝えたのです。
すると何故か大量の資料を渡されました。
「その心がけはとてもいいと思うよ、クレア。
でもね、考えないっていうのと調べないっていうのはまた別なんだよね。」
「はい。」
私は、その迫力に押されてしまいました。
だって、キリは黒い笑顔で私に話しかけてくるのです。
しょうがないじゃないですか!!
脅迫ですよ!!脅迫!!
「それでね、クレア。
この資料は、今まで自分には前世の記憶があるんだって主張した人達の調書なんだけど。
探すのにはとっても手間取ったよ。
なんせあんなでかい図書館だから。」
「はい、ありがとうございます。」
あ、そういえば私キリに調べておいてって頼んだような………?
もしかして、それの報告ってことなのでしょうか?
それにしては、随分脅迫じみているのです。
「ねぇ、クレア忘れてたよね?
その様子はやっぱり忘れてたよね?
俺、すごい大変だっだんだよねー。
だからさ、少しぐらいは手伝ってくれるよね、クレア?」
「はい。わかりました、キリ。」
静かに怒っているキリはいつもの何倍も怖いのです。
私は、ついつい承諾してしまいました。
私はそのあと数日間、書類にうなされることになりました。
もう、書類なんて見たくないのです!!
私は、
ということで結論、私は文化祭を楽しみにしています。
◇ ◇ ◇
「では、今から文化祭についての話し合いを始める。
第一に、この文化祭は自由参加だ。
やらないという選択肢もある。
ていうか、いつもAクラスは何もやらない。
第二に、一年生は毎年劇をやると決まっている。
これがきっかけで、女優になったことがあるやつもいる。
だから、下手な芝居はするなよ!!
恥をかくぞ!!
後、リチャード皇子は舞台にだすな!!
騒がしくなるからな!!
以上。
じゃあ、後は第1席のやつらで適当に決めといてくれ。
俺は職員室で寝てるから、何かあったら来いよ〜。」
そう言って、先生はあくびをしながら教室をでていきました。
あぁ、まさかの丸投げですか。
ここは、私の出番なのです!!
「では、ま「みんな〜、別にやらなくてもいいよな〜」なっ!!」
「どっちでもいいかなー」
「正直、めんどくさいよね」
「俺は、そんなことしてる暇はないな」
「勉強しなきゃだし!!」
この人達は、一体何を言い出すのでしょう?
やらない?
そんな選択肢ありえないのです!!
何故、やりたくないのですか!!
こんな楽しい行事を見逃すなんてもったいない!!
「どうして、やりたくないのですか!!
最高の思い出を作るチャンスなのですよ!!」
「勉強しなきゃいけないんだよ、親のために!!
まぁ、お前らみたいな貴族様にはわからないんだろうけど。」
「なっ!!」
私は、言葉が詰まりました。
ここで、庶民と貴族の違いを見せられたら私には反論することができないからです。
実は、このクラス半分が庶民で構成されています。
クラス編成は、純粋な学力順であるので、稀にこういうことも起きるそうなのです。
まぁ、つまり庶民派と貴族派でパックリと溝があいているのです。
今まで、何も言い返してこなかったので、今回もおとなしく従ってくれると思ったのですが………
これは、かなり厳しそうなのです。
私は、反論できず、黙ってしまいました。
「もう、俺たち帰っていいか?
どうせ、いつもAクラスは参加しないんだろ。
じゃあ、今年も不参加でいいじゃないか。
皆もそう思うよな?」
「そうだね」
「やっても俺たちに利益ないし」
「いつもやってないんなら……ね?」
「貴族様たちには悪いけど………」
私には、この人達を引き止める術がありませんでした。
相談しようにもスフィアもクリスもここにはいません。
Bクラスですからね。
どうしようと思ったその時でした。
その声が聞こえたのは
「静粛に!!
お前達が文化祭に参加したくない理由はよくわかった。
だけどな、お前らそれだと後々後悔するぞ?」
困っていた私を助けたのは、なんとリールでした。
「どういうことだ。
何故、俺たちが後悔するんだ。」
庶民派の子達は、そう言い返しました。
この人達は、こんな可能性すらも気づかないのでしょうか。
「文化祭には、多くの貴族達がやってくる。
これは知っているな?」
「あぁ。」
そりゃそうだろ、というふうに答える庶民派。
いちいちその物言いに腹がたつのです。
「つまり、庶民が貴族に唯一自分の存在を売ることができる機会ということだ。
劇を観ている多くの貴族達は、この場で自分の息子の教育係や乳母、護衛や側近を探しているのさ。
どうだ?悪い話ではないだろ?」
「ふむ………
そうか、それなら参加してやってもいいかな?
だが、お金は出さないぞ。
それに一つ条件がある。」
これじゃ、どっちか偉いのかわからないのです。
別にわからなくてもいいんですけど。
「なんだ?」
「俺たちを絶対に主役にするな。
それと、俺たちは放課後に居残りはしない。
それでもいいなら、やってやろう。」
ほう、少しは頭が回るようなのです。
これはいい条件をつけたのです。
「わかった。」
いつの間にか、私を蚊帳の外にしている間に、交渉は成立していました。
交渉を終えたリールは、こっちを向いて私の方を向いたと思ったら
いきなり私の頭を叩きました。
「痛っ!!何すんの!!リール!!」
私がリールを怒りながら見上げると、リールはニヤッとして
「これでよろしいですか?
お姫様?」
「ふんっ///」
私はそっぽを向いてしまいました。
だって、そうしないとこの真っ赤な顔がリールにバレてしまうのです。
「クレアは、意外と純情なんだな!!」
と、隣でリチャード皇子が笑って言ってきました。
恥ずかしかった私は、ついムキになって言いました。
「そんなリチャード皇子はどうなのよ?
彼女とかいるの!?」
やってしまったのです。
一瞬で周りの空気が凍りつきました。
そういえば、リチャード皇子は次期国王でした。
私としたことが………
肝心のリチャード皇子は、言いにくそうにもごついていました。
「あー、それは………」
その時、クラスのドアが勢いよく開き、誰かが飛び出してきました。
「リチャード、帰ろ!!」
「あぁ、スフィア。帰るか。
今日はどこ行きたい?」
リチャード皇子とスフィアは普通に和やかに話し始めたのです。
いやいやいや、ちょっと待って!!
もしかして、もしかして………
「ねぇ、スフィア。
リチャード皇子とは、一体どのような関係でございましょうか?」
私は恐る恐るスフィアに尋ねました。
まさか、まさか………ねぇ?
「え!!言ってなかったっけ?
リチャードも言わなかったの!?」
「いや、ちょっとからかうのが面白くて………」
「もう!!ダメじゃん!!」
そう言うとスフィアは、おもむろにリチャード皇子と手を繋ぐと衝撃発言をしました。
「私達、婚約してます!!」
 




