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クレアの独白  作者: こはぎ
第1章 クレアの独白
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反乱の真実

 


 ここにキース兄様がいることに、私は凄く納得してしまった。

 何故なら、こんな家ごと移動しようとか思いついて、実行するのはキース兄様ぐらいしか我が家にはいないから。

 私は、安堵した。

 誰も傷ついていないことに。

 なんだけど………、流石にこれはないんじゃないかな、キース兄様?





 遡ること1時間前、私はキース兄様に抱きつかれていた。

 何でかって?理由はいたって簡単。

 キース兄様が私を見た途端、目にも留まらぬ速さで私に近づき、抱きついたから。

 私は、ほんの少し抵抗(殴るとか、蹴るとか、ぶん投げるとか)をしたんだけども、まるでひっつき虫のように離れないキース兄様に私は少し………イラついた。

 いや、世間一般に今この状況は「感動の再会」ってやつだってわかってるけどさ、流石にこれはないと思うのです。

 何ていうのか、度合いが違うというのか、テンションが違うというのか。

 キリは、そんな私を助けようとしないし、どうしようと思っていたら、玄関のドアが開いて、ここにいるはずのない人が現れた。



「キース兄、帰ってくんの遅いけど、何かあった………んだね。じゃあ!!」



 そこにいたのは、フィン兄様だった。

 私に気づいて、ダッシュで逃げようとするフィン兄様をキリは逃しはしなかった。

 どういうことなのだろう?

 私は、ひどく混乱した。

 だって、この反乱の首謀者であるはずのフィン兄様がどうしてここに………?

 私とキリが混乱していることに、気づいたキース兄様は、私をお姫様抱っこするとこう言った。



「詳しい説明は中でしよう。

 ここは、あまりにも危険すぎる。」



 その前にこの体勢についての説明が欲しいんだけど、キース兄様?

 私は、その体勢のまま、ステラ母様とカイン父様がいるという居間に向かった。



「今回は、何処へ行こうかしら?」



 そう言いながら、ステラ母様は旅行雑誌をめくっていました。

 隣にいるカイン父様も雑誌を見ながら、指を指していたました。



「こことかいいんじゃないか?」

「あ!!いいわね!!

 そこにしましょうか!!」



 ステラ母様は、そう言って手を叩きました。

 居間には、何故かいちゃついてる両親がいました。

 この状況誰か説明してくれませんか?

 両親はいちゃついてて、フィン兄様は家にいて、キース兄様は未だに私をお姫様だっこしてて………

 救いを求めるように、キリの方を見ましたがキリも私と同じように混乱していました。

 私は、溜まった感情を吐き出すように泣きながら叫びました。



「ちゃんと説明しろやーーーーーーーー!!」



 私の声に、その場にいた全員は驚いてこちらを向きました。

 キース兄様は、驚いて私をおろしてくれました。

 私は、そんなことも気にせず、叫び続けました。



「フィン兄様が反乱をおこしたって聞いて来てみれば、一体何なの!!

 ステラ母様とカイン父様はいちゃついてるし!!

 フィン兄様は何故か家にいるし!!

 反乱おきてる感じしないし!!

 ちゃんと説明しろやーーーーーーーー!!」



 私の言葉に驚いたのか、さっきまでの明るいムードは何処かへいってしまいました。

 すると、キース兄様が私の涙をぬぐいながら優しく説明をしてくれました。



「この地域には、昔からこの時期にするお祭りがあるんだ。

 町の人VS領主で何か勝負をするって言うお祭りが。

 俗にこのお祭りを反乱するって言うんだけど。

 で、今年の勝負のテーマがかくれんぼ。

 だけど、今年のお祭りはいつもと少し違っていたんだ。

 何故なら、フィンが町の人側で出たいと言い出したから。

 まぁ、こういうことは数十年に一回起こることなんだけど。

 しかしここで、ひとつの問題が生じた。

 それは、領主側の人数が最低人数である15人を下回ってること。

 だから、キリにクレアを呼ばせたんだ。」



 どうやら、私はかなりひどい勘違いをしていたようなのです。

 でも、どうしてでしょうか?



「どうして、私はその事知らないの?」

「それは、クレアがいつも勉強してたからだよ。

 誘っていいかわかんなかったんだ。ごめん!!」



 そうして、「フィン兄様反乱事件」は、幕を閉じました。



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