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クレアの独白  作者: こはぎ
第1章 クレアの独白
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反乱の始まり

 


 楽しい楽しい旅行も終わり、私は地獄、いえ自宅に帰ろうとしていました。

 あいにく、リチャード皇子の別荘には魔法陣がなかったので私は、馬車で自宅まで帰ることになっていました。

 私は、一人で乗る馬車が苦手です。

 車の何倍も跳ねる馬車に乗って、酔わない現代人はいないと思うのです!!

 大人数で乗れば、その気持ち悪さを話すことで紛らわすことが出来るので比較的マシなのですが。

 一人では、無理なのです。

 独り言とか凄い悲しいのです。

 私は、独りため息をついて馬車に乗りました。

 その時、後ろから誰かの気配がして振り向くと、そこには何故かキリがいました。



「え、キリ!?

 なんでここにいるの?

 キリは、今日自宅で警護する予定ではなかった?」



 そうなのです!!

 ステラ母様からそう聞いているのです!!



「あぁ、それは………」



 何故かキリは口籠りました。

 キリは、絶対私には隠し事はしません。

 そんなキリが私に話すかどうか迷うなんてとんだ大事件なのです!!

 私は、さらにキリを問い詰めました。



「キリ!!

 何を隠してるの!!

 私達の間に秘密はなしでしょう?」



 すると、キリは何かを決心すると、やっと口を開きました。



「クレア、今家に戻るな!!」



 キリはいつにも増してキツイ口調で私に言いました。

 こんなキリは珍しいのです。

 何かあったのでしょうか?



「どうして、帰ってはいけないの?

 え、もしかしてキース兄様とステラ母様が何か企んでるとか?」

「そういうことじゃなくて………!!」



 キリは、今にも泣き出しそうな顔で私に訴えました。



「フィン様が……

 反乱をおこされた。」



 何かの幻聴かと思いました。

 あんな兄様だったけど、家族にはとても優しかったのです。

 伝わりにくいってだけで。

 そんな兄様が何故………!!



「そんな、そんな嘘よ!!

 何かの間違いよ!!

 だってだってフィン兄様がそんなことするはず……!!」



 私は、そう言って泣き崩れてしまいました。

 キリは、そんな私の体を支えながら静かに泣いていました。



「俺だって、俺だって信じたくないよ!!」



 キリは、フィン兄様がどうしてそんなことをしたのか理由を教えてくれました。

 それは、ひどく残酷で、ひどく滑稽で、とてもフィン兄様らしい理由でした。



「町の人達が、飢餓で苦しんでるのにカイン様もステラ様もなにもしなかったんだ。

 でも、それはしょうがなかった。

 その時、ステラ様は流行り病にかかられていたから。

 手が回らなかったんだ。

 でも、フィン様はそんな二人を許しはしなかった。

 そして、家出した。

 でも、誰も止めようとしなかった、追いかけようとしなかった。

 フィン様の言う通り、自分達は悪いことをしてしまったと言って。

 そして、それから半年、つまり今。

 フィン様は、町の人達と共に反乱を起こされた。」



 そんなことが、私の知らない間に起きていたなんて……。

 私は、絶句しました。

 私は、一体どうすれば……?



「ステラ母様とカイン父様はその事についてどう処理するつもりなの?」

「お二方は、フィン様に地位を譲るつもりらしい。」



 私は、どうしたらいいのか?

 どうすべきなのか?

 頭が全く働きませんでした。



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