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クレアの独白  作者: こはぎ
第1章 クレアの独白
16/43

遠い遠い夢の記憶

リチャード皇子(♂)

⇒皇太子

⇒6歳上の兄が王様

⇒金髪碧眼


リール=レイン(♂)

⇒三大貴族レイン家の次期当主

⇒銀髪長身

⇒剣が得意


水原久美(♀)

⇒クレアの前世

⇒黒髪美少女

⇒母がモデル


土井琉太(♂)

⇒リールの前世

⇒爽やかイケメン

⇒父が俳優


 


 昔から私は、



「大人しい」



 と言われ続けてきた。

 近所の人にも母にも父にも兄にも先生にも友達にも。

 本当は違うんだって叫びたかったけど、反抗のできない私は何も言えなかった。



 私は「大人しい」子供を演じ続けた。



 唯一、私のことを分かってくれたのは赤ちゃんの頃からずっと一緒にいる琉太だけだった。



 私が大人しくなんて無いってことを。


 本当は悪っぽいことが大好きだってことを。


 本よりゲームが好きだってことを。


 中より外で遊ぶのが好きだってことを。


 琉太だけは分かってくれた。



 私の味方は琉太だけだった。

 そんな私は当然のように琉太と付き合い始めた。

 高校生くらいの時に周りのクラスメートに二人の関係をからかわれたのがキッカケだった。

 私達の関係はあまり変わらなかったけど、とても幸せだった。



 私達は、このまま結婚していくんだって微塵も疑ってなかった。



 あれは、ある高3の雪の日だったかな?

 私達は、幼稚園の頃からずっと一緒に通学していて、その日も一緒に通学していた。

 私達の高校までの道のりには一つだけ横断歩道がある。

 私は、雪のせいでテンションが上がってて、歩行者専用の信号機をよく見てなかった。



 まぁ、後は想像できるかな?



 私は、赤信号の横断歩道に飛び出してしまった。

 車は私を轢く筈だった。

 琉太は、そんな私に気づいて思い切り私の手を引っ張った。

 私は、琉太のおかげで傷一つなかった。



 私は今でも感謝している。



 しかし、琉太は私を引っ張った反動で道路に放り出され、私が轢かれる筈だった車に轢かれ死んだ。

 即死だった。




 ワタシノセイデリュウタハシンダ




 そんな風に私はずっと自分を責め続けていた。

 しかし、私は琉太の母に琉太の葬式でこう言われた。



「琉太は、久美ちゃんの為に生きれて本当に嬉しかったと思うの。

 ねぇ、お願いなんだけど琉太の分も一生懸命に生きてくれない?

 お願い、お願いだから琉太の為に死なないで!」



 その言葉を受け取った日から私は



「琉太がしたい」



 って言ってたことを全部した。

 バンドもやって、琉太の憧れのパイロットにもなって、自分の家も建てた。

 結婚もしたし、子供も作った。



 全然楽しくなかったけど、私は一生懸命に生きた。



 そして、私は30歳の春に交通事故で死んだ。

 即死だった。



 そして、私はようやく君と一緒になれたんだ。



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