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クレアの独白  作者: こはぎ
第1章 クレアの独白
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私の気持ち

 


 あの事件から早1年



 私は、ルール家に度々お邪魔するようになりました。

 一週間に7回ぐらいですかね?

 え、毎日じゃないかって?

 あれ?何も聞こえないな〜〜!!



 しかし、私は大変な失態を犯してしまったことに気づいてしまったのです。

 なんと、ステラかあさまとキースにいさまに



「寂しい」



 と言わせてしまうという失態をおかしてしまったのです。

 なんということでしょう。

 キースにいさまとステラかあさまを悲しませてしまうなんて私としたことが………





 ところで、私の初めての友達兼初めての親友であるスフィアはとっても可愛らしい女の子なのです。

 まず、笑顔がとっても眩しい!!

(↑はい、ここ重要!!)

 次に、相手のことを一番に考えることができるとっても優しい子なのです!!

(↑天使ですか!!この子は天使ですか!!)



 しかし、どうしてこうも男の子っぽいのでしょう?

 仕草や姿だけを見ると、男の子にしか見えないのです。

 対照的に双子の弟であるクリスは女の子にしか見えません。

 本当に残念なのです!!

 もう、この二人は仕草や姿だけを交換したらどうなのでしょう?





 そんなスフィアについて、最近とても悩んでいることがあります。



 それは、スフィアが最近異常にませ始めたことなのです。

 まだ、5歳なのにですよ、5歳なのに!?



「クレア、ここだけのひみつだよ?

 じつはね、わたくしフィンさまをすきになってしまったの?」



 ある日、スフィアは顔を赤らめて私に告げてきました。

 私は、全く理解できませんでした。

 だって、ねぇ?

 あのフィンにいさまですよ!!フィンにいさま!!



「あんななまいきでむしんけいでひとをいらだたせることにしかのうがないばかのどこがいいの!?」

「そんなことないわ、クレア!!

 あんなにすてきなかたは、このよのなかにはひとりもいないわ!!」



 スフィアの目には、どうやら乙女フィルターなるものが装着されているようなのです。

 本当に理解できないのです。



「そういうことをいわれるのは、キースにいさまでしょう!?

 なんで、よりにもよってフィンにいさまを………」



 私には、到底理解が出来ないのです。

 まぁ、でも二人の恋が上手くいって、フィンにいさまはもう少しおちついてくれるでしょうか?

 それならば、協力しようかなと思ったその時でした。



「あ、そうだ、クレア!!

 クレアにはすきなひといないの?

 キリとか、クリスとか………」



 スフィアが爆弾発言をしたのは。

 私には、好きな人などいないのです!!

 そんなものなくても、生きていけますし、大体私は精神年齢がどうであれ、まだ5才なのです!!



「あいにく、そんなひとはいないわ!!

 もし、けっこんするとしても、わたくしはキースにいさまよりつよいひとじゃないとみとめないわ!!」



 女子って本当にこういう類の質問が好きなのです。

 一体全体、これはなんの拷問でしょうか?

 私に好きな人が出来るわけがないのです。

 何故なら、キースにいさまを超える人などこの世にはいないのだから!!





 あぁ、最近それとは別に悩ましいことがあるのです。

 何故だか、クリスと顔をあわせて話すことができなくなってしまったのです。

 顔をあわせると動悸が激しくなり、顔が熱くなって、その場から逃げたくなってしまうのです。

 ですが、不思議なことに熱や風邪では無いのです!!

 おかしくないですか!!



 何か珍しい病気ではないかと思った私は、毎月の定期健診の時に医師の方に相談しました。

 すると、医師はニマニマと笑って



「そうですね、これはある意味病気ですね。

 この病気を治すにはご家族の方に相談するのが、一番効果的ですよ。」



 とおっしゃいました。

 医師でさえ治せない病気なのに何故家族が治せるのでしょうか?

 もしかして、精神系の病気とか!?

 私は、とりあえず医師の言う通り家族に話してみようと思いました。



 そして、キリに翌日の昼にスフィアのおかあさま、スフィア、ステラかあさま、私というメンバーでお茶会をセッティングさせたのです。

 会場は、ルール家のお庭なのです。

 そして、私は皆さんにその症状について相談してみました。



「みなさん、さいきんわたくしクリスをみるとおかしいの!!

 めはあわせられないし、かわいくないことしかいえないし………

 どうしてなのかしら?

 なにかこころあたりはありませんか?」



 すると、みんな一様にニマニマして何も教えてくれないのです。

 あの顔、絶対に何か知っていますよね!ね!

 こういう時のために前世の『知識』はあると思うのですが今回は全く役に立たないのです。



 どうしたものかと私主催の女子会の後、私は一人で中庭をぶらぶらと意味もなく歩いていました。



「クレア?」

「はい?」



 後ろから声をかけられて、振り返るとそこに居たのはクリスでした。

 噂をしたらなんちゃららですね!

 あははは!



 あぁ、どうしましょう!

 症状が悪化しています!

 何故か顔もあがらないのですが!

 ずっと下を見続けたまんま話すなんて失礼なのです。

 人間としてダメなのです。



「だいじょうぶ?なにかあった?

 スフィアにクレアのもとにいますぐいきなさいっていわれて、きたんだけど………」



 とクリスは頭をポンポンしながら聞いてきますが!!が!!

 しかし、それは逆効果なのです!!

 限界を迎えた私は走ってクリスの元から走って逃げてしまったのです。

 それはもう全力で。



 走って、走って、走って



 辿り着いたのはスフィアの部屋でした。



「スフィア、スフィアどうしよう!?

 わたくしわからないの!!

 このきもちがわからないの!!

 これはいったいなに?なんなの?」



 スフィアは私に何も聞かずにそっと抱きしめてくれました。



 その時、スフィアが何か深刻な顔で考え込んでいたことを私は気づきませんでした。

 そして、私が落ち着いたのを確認するとスフィアは部屋を出て行きました。



 その後、自分の部屋に戻ると何か訳のわからない感情に突き動かされるままに、私は泣いてしまいました。





  ◇ ◇ ◇


 それから一週間後、私はスフィアに呼び出されてルール家にいました。

 なにやら、どうしても話したいことがあるそうなのです。

 スフィアの頼みは断れないのです。



 本音を言うと、クリスに会うかもしれないルール家に行くのはとっても嫌でした。

 なのに、何故こうもタイミング良くクリスに会ってしまうのでしょうか?

 裏門からルール家に入った私は、何故か待ち合わせ場所にいないスフィアを探して、一人屋敷の中を歩いていたのです。

 表玄関の方で、話し声が聞こえたので近づいてみると、そこには扉の前で何かを待っているようなクリスがいました。

 私は、その場から動けず、そっとクリスを見ていました。

 すると



「お客様が到着しました。」



 という執事の声が聞こえ、とても綺麗な女の子が入ってきました。

 見間違いでしょうか?

 クリスの顔もほんのり赤くなっているように見えるのです。

 そして、二人は仲良さそうに手を繋いで、私の方に向かってきたのです。



 え、来るの?こっちに?



 戸惑ってる私を他所に二人は私の目の前まで来てしまいました。



「え、クレアさいきんきてなかったけどなんか「となりのかたはどなたですか?」あったのか?」



 私は思わずクリスの言葉を遮って問いかけてしまいました。

 何故声をかけたのかは分からないのです。

 本当に、咄嗟に出てしまったのです。

 私は何てことを聞いてしまったんだろうとオロオロしていると、いつもは私の様子にすぐ気づくはずのクリスは、何故か今回は全く気づかず、顔を真っ赤にしながら言いました。



「え!!あぁ、お、ぼくのこんやくしゃです。

 まだ、こうほだけど……。」



 その言葉を聞くやいなや私はクリスの目の前から逃げてしまいました。

 そして、私は遂に気づいてしまったのです。




 そう、私のこの気持ちの正体は………



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