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ブリューナク ~貫徹する槍~   作者: ホウスウ
■第1章 大災害 inアキバ
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008

大災害から1週間。


この世界の冒険者で初の死者が出る。

その死者は大神殿で復活を遂げた。


この世界では冒険者は絶対的な死は訪れない。

このことが知れ渡ってから、アキバはもとよりフィールドでの治安が一気に悪化した。


PK プレイヤーキル・プレイヤーキラー


初心者をはじめとしたゲームに不慣れな者を攻撃し、死亡した際にばらまかれる金やアイテムを回収し利を得る者、もしくはただの愉快犯。


こんなところだろうか。


そんな輩がちらほら出てきていると噂されている。


この噂に吉継はレベル90(  カンスト)組が低レベル組の戦闘訓練のパトロールをして犠牲者が出ない様な対策をベアードに提出。


ギルドマスターのベアードはこれを承認。

ギルドマスターレナ率いる<石蛇姫の眼(メデューサアイズ)>とは初日以降、共に戦闘訓練を開始していたため、合同練習・合同パトロールの形をとっていた。


ローテーションを組んで戦闘訓練を行っていたプレイヤーは各々が自分のレベル-20位のところまで戦闘をこなせるようになっていた。

もちろん低レベル組は保護者兼責任者であるレベル90(  カンスト)が見守りながら身の丈に合った戦闘をこなしていた。



「いや~初日にシゲちゃんとこにお誘いしてよかったわ~。」

「私たちのギルドは<石蛇姫(メデューサ)>って言うだけあって男子禁制、女性オンリーのギルドなんですよね。」

「そうなんよ!姫やで!姫!!PKとか怖いわぁ~。」

「なるほど、たくましい前衛職がいないわけだ。そこで俺の出番って訳だ!」


厳つい鎧を装着したベアードがガッツポーズをしてアピールする。


「そ~なんよ~!」

「こんな状況じゃ女性だけじゃ心細いわな。」


本日は初日と同じくベアード、シゲン、レナ、巴でパーティを組んで低レベル組の戦闘訓練の見回りを行っていた。


「っし、B班順調に慣れてますっと。次はD班か。」

「D班は白眉のパーティだな。訓練場所はここからは3キロぐらい先か。」

「んだな。」







「そういえば今日シゲンさん装備がいつもと違いますね?」


理由を知っているベアードとレナがあえて触れなかった事柄に巴が話を切りこむ。


「あ?あーみんなのバックアップも退屈だから俺も戦うわ。」


巴の頭の上には ??? が浮かんだ。


<付与術師>がどうやって戦うのだろうか?

巴は疑問を抱いたが深くは聞かなかった。


そこへレナが横槍を入れた。

「いやいや、後ろからささやかな補助の魔法が飛ばすのがお仕事やん?それって重要やん?第一なんやこのアクセサリ!金色のフンコロガシみたいなの着けおって!」

「あぁ、レナよせ!」


半ば諦めたようにベアードが制止に入る。


「エンハンサーはちゃんと稼働するのはわかったからな。こっちも試してみないとってことでさ。ってフンコロガシ言うな!スカラベと呼べスカラベと!」


エンハンサーとは支援特化型付与術師のことである。


〈キーンエッジ〉〈オーバーランナー〉〈リフレックスブースト〉といった直接的な能力上昇をもたらす援護魔法を中心に、〈ゲインイミュニティ〉〈アストラルチャフ〉など多彩な魔法を使いこなして、仲間のあらゆる能力を増強するというのがエンハンサーの戦い方なのである。



「スカラベ?」


巴は頭の上に ? を残したまま、一行は次のパトロール場所へ向かった。



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