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ブリューナク ~貫徹する槍~   作者: ホウスウ
■第1章 大災害 inアキバ
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005

戦闘が始まる。


すぐさまタンクとなるベアードに<禊ぎの障壁>を張る巴。

モンスターの前に深く盾を構えて立ちはだかるベアード。

しかし、<棘茨イタチ(ブライアウィーゼル)>達は自分たちを攻撃してきたレナの方を睨みつけている。


「イタチさんはレナが気になっているようですなぁ…、ヘイト管理は各々に任せる。俺たちの最初のバトルと行こうじゃねえか!」

「承知!!<タウンティングブロウ>!!  ってあれ?」

「どーしたー??」

「特技ってどうやって使うんだー!!?」

「え?」


  そういえばそうだね…。


ぎゃーう!!!!

ぎゅーう!!!!


一斉に動き出す<棘茨イタチ(ブライアウィーゼル)>達。

もちろん標的はレナ。


「熊ちんのあほ~!前は任せた言うたやんか~!!」

「まずい!!!!」


とりあえず<棘茨イタチ(ブライアウィーゼル)>を追いかけるベアード。


「レナー!どうやってあんなに咄嗟に特技使ったんだー?」


必死に逃げるレナに容赦なく質問するシゲン。


「んなもん念じたら勝手に身体が動いたんや!どうもこうもあらへん!」

「ダメだ。意味わかんない。巴殿はどうやって<禊ぎの障壁>を?」

「メニューからです。でもなんだかレナの言っている意味がわかる気がします。見ていてください。」


そう言い放つと巴は手を前で構えて印を切る。

その手の先はしっかりレナを向いている。


「お願い、出て!!<禊ぎの障壁>!!」


そういうとレナの周りに和柄の薄い壁が作られる。


「ほう…。」


巴の予想通り、レナの言った通り特技は念じると使えるらしい。


「熊ちゃん!念じれば出るっぽい!そおら!<ナイトメアスフィア>!」


ぐぐぐ と悲鳴を上げる<棘茨イタチ(ブライアウィーゼル)>。

移動スピードがガクンと落ちた。


「こっちに戻ってこい!体勢立て直すぞ!」

「了解、軍師殿!」

「お前も動け軟弱軍師!!」


悪態をつけるなら余裕を取り戻したようだ。

あとは丁寧に調理するだけさ。

思わず へへへ とシゲンから笑いがこぼれる。


「何か可笑しいですか?」

「おおっと汚い笑みを見せちまった。いやなに、特技が使えれば後はどうにかなりそうかなってさ。」

「そうですね。さぁ、行きましょう。」

「あぁ、長い付き合いになりそうだ。よろしく頼みますよ、巴殿。」

「はいっ。」


巴はニッコリと笑いながら弓を構えた。





□■□■□■□■


無事<棘茨イタチ(ブライアウィーゼル)>を退けた4人はあのあと数度の戦闘をこなした。


今は一旦<書庫塔の林>を抜けてフィールドに移動していた。。


無数に転がる岩場に腰掛けて話をしていた。


「よし、話を整理しよう。まずは特技の出し方だ。これはレナの言うとおり念じるってことでOKだな。」

「さっきは人をアホな子みたいな言い方いおってからに~!!ぶ~!!」

「あなたが話すと話が進みませんから静かにしていてください。」

「ぶ~!!!!」

「それは悪かったよー。怒るなって…。」


「うーん。」


漫才をやっている横でベアードが唸る。


「どうしたベアード。」

「職種によって違うのかもしれないが念じるというか身体が覚えているって感じもあるな。」

「と言うと?」

「さっき<シールドスマッシュ>を3回使ったんだが、どれも動きが若干違うんだよ。特技を使うと一定のモーションをするのがゲームをやっていたころの法則だろ?」

「うんうん。<シールドスマッシュ>って、装備した盾で殴りつける打撃技だったよな?」

「そうさ、1回目は目の前の2体にまっすぐぶつける感じ、2回目は手前の三体くらいを横になぎ払う感じ、3回目は集団の真ん中にいて盾も槍もぶん回す感じだったんだ。起動のモーションも色々あるみたいだし…。」

「ふむ、まだまだ謎な部分が多いな。」

「それってさ~あ、たとえば<オーブ・オブ・ラーヴァ>って溶岩の塊1つやん?その上位互換が<フィフス・オブ・ラーヴァ>やろ?塊5つ出るの。」


うんうんとみんなで頷く。


「武器攻撃の特技に何個かパターンがあるなら、魔法も同じで、<オーブ・オブ・ラーヴァ>をめっちゃでっかい塊にして攻撃したり、小さいの2つにして攻撃できるんじゃない?」


一瞬の沈黙。


「レナにしてはまともなことを言ったと思います。やる価値はあるかと。」

「確かに。発想はあってる。」

「よし、メイン盾、がんばれ!」

「って俺かよ!!そこら辺にある岩でいいだろ!」



4人は立ちあがり実験を開始した。



「よっしゃ!普通のは見せんでええね?んじゃ、大きいのいこか!」


レナは深呼吸して意識を集中させた。


「っし、出てこい大きいの!<オーブ・オブ・ラーヴァ>!!!」


ボウッ と燃え盛る轟音を鳴らしレナの掌の上に出てきたのは大きな溶岩の宝玉。

<棘茨イタチ(ブライアウィーゼル)>にむけて放った通常の大きさより二倍はありそうな溶岩の宝玉を見事に出すことができた。



「よしよし、やっぱりアタシやればできる子。」


  自分で言うのかよ!


三人はそう言いかけたが飲みこんだ。


「ん?なんか言った?」

「いやいや、何にも…。よし、こっから2つに分けて操れそうか?」

「やってみる!」


もう一度意識を集中させる。


「ん~っ!割れろ割れろ割れろ~!!!!!」


溶岩の宝玉はまた唸りをあげて変化した。

念じたとおり綺麗に2つに分かれたのである。


「ここまでやるとは…。」

「さすが!センスあるじゃねーか!」

「ここまでやれるとは驚きです。」


「さっすがアタシ!やればできる子!そいや!!」

手を振り自由に動かせることがわかったレナは転がっている岩に向けて発射、

見事に岩に着弾した。


「ふい~っ!気合入れたらお腹空いたで!なんか食べようや!!」

「もうそんな時間か?」


太陽は沈みかけている、ウインドウで確認せずとも後1時間もしないうちに夜になるだろう。


4人はここで食事をとることにした。


<フィフス・オブ・ラーヴァ>はフィンガーフレアボムズみたいなもんです。

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