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ブリューナク ~貫徹する槍~   作者: ホウスウ
■第1章 大災害 inアキバ
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今日は老舗人気MMORPG〈エルダー・テイル〉の12番目の追加パック〈ノウアスフィアの開墾〉が当てられる日だ。


てっぺんを越す(日付が変わる)であろう膨大な仕事を無理やり終わらせて急いで家路へ着く。

時刻は22:00。

途中スーパーで半額になったお弁当と少し高いビールを買った。


食料は大丈夫、明日は有給とった!

よーし!今日はやりこむぞー。心の中でそう叫ぶ。



今日は徹夜で新ダンジョン制覇!

レベルの上限も上がるだろうし楽しみだ!

そんなことを考えていたら家に着いた。


すぐさまパソコンに電源を入れて〈エルダー・テイル〉にログインする。


23:30

パソコンの時計はあと30分で日付がかわる。


無事にログインが済み、仲間の集まるギルドホームへ向かう。





グレイ・ベアード さんがギルドホールに入室しました。


 シゲン

 よっす!ギルマス!ついにこの日がきたぜ!ww 23:32

 

 白眉

 お疲れ様です!ボイチャきませんか? 23:32



我がギルドの幹部陣はどうやら待ち切れずに待っているようだ。

他のギルメンは遅刻せず集まるだろうか?



 グレイ・ベアード

 お、集まってるな!飯食ったらボイチャ行くぜ! 23:35



急いでさっき買ってきた弁当を食べる。

これからの冒険が楽しみで思わず弁当を喉に詰まらせそうになる。



ギルマスとは、ギルドマスター。ギルドのリーダーである。


プレイヤーこと冒険者はギルドと言うグループを作ってゲームをしている。

もちろんギルドに属さないプレイヤーもいる。


ベアードは〈エルダー・テイル〉始めた最初の頃から憧れていたギルドがあった。

数多くの大規模戦闘(レギオンレイド)をこなし、アキバ戦闘系最大のギルド〈D.D.D〉である。


スタート直後からここに参加し腕を磨いた。

毎日毎日戦闘に明け暮れ勉強をしてレベルを上げた。

気がついたときには第零師団三番隊のリーダーを務めあげていた。


しかし、華々しい時間は長くは続かなかった。

とあるきっかけを理由に〈D.D.D〉を辞めた。

野へと下ったベアードは根なし草のさすらいのプレイヤーとなったのである。


そんなベアードの状態を知ってか知らずかよくつるむようになったのがシゲンである。


シゲンとは幼馴染で小中高大と同じ学校学部に進んできた、腐れ縁の友人である。

ベアードのよろしくない状態を聞きつけて〈エルダー・テイル〉を初めて、この世界まで助けに来たのである。


そして二人は自分たちのギルドを立ち上げた。


北の鬼(ノースオーガ)


北の大地には鬼がいる。


  なまはげ? いやいや。

  鬼と呼ばれた漢? 違う違う。


アキバやミナミがなんぼのもんだ!

東北にもすごいのがいるんだぞ!

恐いのがいるんだぞ!


東北にノースオーガ有りと知らしめてやる。

とシゲンが考えたギルド名だった。




23:55


デジタル時計が時を刻む。






グレイ・ベアード さんがボイスチャットに参加しました。


「悪い悪い!遅くなったわ!」

「待ってましたよギルマス!これ、ギルドの資源と備蓄の資料です、いまスカイプの方でzipで送りました。」

「おうよ、仕事が速いねー。白眉君。」

「いやいや、好きでやってやってるので!」


ポコンとウインドウの右下にウインドウが出る。


「うんうん」


資料を見ながら唸るベアード。


「おう、こっちな!ここギルド新規加入者の成長率とギルド内のレベル郡の比率な。」

「後で見とくよ。」

「後かよ!せっかくたまには仕事しようと俺がまとめて出した資料を!」

「あーはいはい。見るから見るから!!」

「雑ー!扱い雑ー!! もうギルド抜けるわ!」

「「あぁ、どうぞどうぞ!」」


「止めねーのかよ!!!」


そんな漫才をしていると時計は 00:00 を示す。


彼らは知らぬ間に日を跨ぐ。


しかし彼らに明日はない。


どこかへ意識が遠のく…。








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