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第3章 覚醒

第3章 覚醒


第1話 中性子星


 9人目の覚醒者が見つかった。

名前は『リー』と言った。

彼は、転送者だった。

遺伝子の発現箇所を調べた。

染色体番号8の複数の遺伝子が発現していた。

この研究が進められた。


 銀河の中心には8,000光年くらい近づいていた。


 そこには中性子星があった。

その質量は、太陽の2.5倍くらいあった。

だが、直径は12Kmくらしか無かった。

重力が異常に強かった。

この星に捕えられた時の脱出速度は、光速の40%くらい必要だと計算された。

今のイズミなら問題はない。


 ボーリング調査が行われた。

密度が太陽の10の14乗倍ある。

ミサイルに「3個体バリオンの崩壊」弾頭を取り付け発射した。

局所的な破壊だ。


 2Kmくらい掘り進んだ時、崩壊弾頭が威力を発揮できなくなった。

調査した結果、そこにはダイバリオンが見つかった。

しかも、構成成分にボトムクォ‐クがあった。


 ボーリング方法を機械式に変えた。

先端にCMD4を取り付けた。

ボーリングは蛇行しながら4Kmくらい進んだ。

蛇行したのは、ボトムクォ‐クを含むダイバリオンの影響だ。

CMD4はこれを砕く事ができなかった。


 科学者に、ここを譲渡してこの星を飛び立った。



第2話 クオダイバリオン


 クオダイバリオンの開発が始まっていた。

ボトムクォ‐クの大量採掘が影響を与えた。

設計変更がされた。


 1種類目を、

「アップクォ‐ク2個」

「ダウンクォ‐ク2個」

「チャームクォ‐ク2個」

「ストレンジクォ‐ク2個」

「ボトムクォ‐ク4個」

とした。

質量は、19,612となった。

CSDと比較すると、19,612/2,808≒7倍となった。

しかも、構成するクォ‐クの種類が3種類から5種類になった。

これを「Q5D」と呼んだ。


 2種類目を、

「チャームクォ‐ク4個」

「ボトムクォ‐ク8個」

とした。

質量は、38,800となった。

CMDと比較すると、38,800/3,000≒13倍となった。

これを「QBD」と呼んだ。


 10人目の覚醒者が見つかった。

名前は『ロバート』と言った。

彼は、指揮者だった。

遺伝子の発現箇所を調べた。

染色体番号12の複数の遺伝子が発現していた。

この研究が進められた。



第3話 留学


 フレンドⅠ~フレンドⅣの惑星から留学生をムーに受け入れた。

主要な目的は、ダイバリオンだ。

彼らの惑星では未だ第1世代のダイバリオンの開発中だ。

CSD、CMDまでを彼らに教育した。


 彼らは、母星に帰れば科学の先駆者となる。


 細胞リサイクルの教育もした。

しかし、彼らと人類は染色体の数は同じだが配列が違う。


 科学者達は、覚醒者の遺伝子を調べて結果を報告していた。

未だ、メカニズムは解らない。

しかし、発現された遺伝子の正体は解っていた。


 留学生の遺伝子を調べた。

彼らも配列こそ違え、その遺伝子は存在した。

彼らも細胞リサイクル遺伝子を発現させる事ができる。

そして他の遺伝子も発現させるだろう。


 人類も留学生も姿形が似ているのは、命の種が同じためなのだろうか?

「命の泉」を源としているためだろうか?

では、他の動植物は何を源としているのだろうか?


 人類は自分たちのルーツが知りたい。

ミチヤに期待が集まっていた。

そして、覚醒者にも期待が寄せられていた。

自分も覚醒者となれるように人類は努力し始めていた。



第4話 波動エネルギー


 波動エネルギーは随所に存在する。

何故ならば、このエネルギーは空間から発生されるエネルギーだからだ。

空間は同じスピンを持った重力子と斥力子が対消滅してできたものだ。

空間の構成原理が明らかになるのは少し先の事だ。


 波動エネルギーは重力子と斥力子が波となり螺旋状に絡みあったものだ。

重力子と斥力子の周期をずらして螺旋状にする。

この周期のずれを位相差という。

バンド幅かこの位相差が違えば異なる波動エネルギーとなる。


 波動エネルギーの影響は、物質によって異なる。

ダイバリオンはこの波動エネルギーに敏感だ。

ダイバリオンの加工には、この波動エネルギーが用いられる。


 波動エネルギーを質量に換算した時、その値は通常の物質と比べはるかに小さい。


 11人目の覚醒者が見つかった。

名前は『アリス』と言った。

彼は、感覚能力者だった。

遺伝子の発現箇所を調べた。

染色体番号13の複数の遺伝子が発現していた。

この研究が進められた。



第5話 放浪の欠片


 12人目の覚醒者が見つかった。

名前は『レオ』と言った。

彼は、立案者だった。

遺伝子の発現箇所を調べた。

染色体番号4の複数の遺伝子が発現していた。

この研究が進められた。


 銀河の中心には10,000光年くらい近づいていた。


 ある放浪の欠片と遭遇した。

彼の情報によれば、「命の泉」は後5,000光年くらいらしい。

方向も合っているようだ。

この頃には、ミチヤは放浪の欠片や固定した欠片との会話に困らなくなっていた。


 彼は言う。

「命の泉には主がいる。

お前達は受け入れられないだろう。

何故なら、命の種が違うからだ。

我らも受け入れてもらえない。

主は種を選ぶ。

主の力は強大だ」


 クラサは予言した。

「間もなく、その問題は解決するでしょう。

我らを継ぐ者が出揃うでしょう」


 ミチヤは場所を確定するために「命の泉」に向かった。



第6話 QBD


 13人目の覚醒者が見つかった。

名前は『ポセイ』と言った。

彼は、裁定者だった。

遺伝子の発現箇所を調べた。

染色体番号10の複数の遺伝子が発現していた。

この研究が進められた。


 QBD6の開発が行われた。

QBD6は予想通りCMD6の13倍の出力を出した。

QBD6核融合炉が製造された。

3基がイズミに転送された。


Q5D2の開発も行われた。

Q5D3の開発も行われた。


 未久が呼ばれた。

未久は予言した。

「間もなくミチヤは命の泉に到達するでしょう。

私達が必要になります。

私達は全員揃いました。

この13人をイズミに向かわせなさい」



第7話 覚醒者


 覚醒者13人が集められた。


鎮也は判断者だった。

この13人のリーダーとなる。

未久は予言者だった。

彼女は、近未来の事を予言する。

アインは科学者だった。

全ての科学に精通していた。

レオは立案者だった。

計画や作戦が委ねられた。

幸は浄化者だった。

生命体の健全化ができた。

新和は結界者だった。

彼の結界は、CMD8を破った。

イワンは核操作者だった。

ダイバリオンの核融合もできた。

リーは転送者だった。

CMD9の転送力を凌いだ。

サムはテレポーターだった。

CMD8をすりぬけた。

ポセイは裁定者だった。

鎮也を補佐した。

マリヤは浄化者だった。

妖精と同じ能力を持っていた。

幻惑能力、過去視能力も持っていた。

ロバートは指揮者だった。

機動部隊の指揮をとる事になる。

アリスは感覚能力者だった。

あらゆる感知能力を持っていた。


 13人はイズミに向かった。



第8話 ミニ・ブラックホール(1)


 ミチヤは3,000光年くらい進んだところで、大質量の恒星に遭遇した。

大きさは測定できない。

質量は太陽の15倍くらいある。

ミニ・ブラックホールだった。

この時、覚醒者は未だ合流していない。


 『リナ』は計算をした。

CMD9バッテリーをフル装空しておけば、この星に捕まっても脱出できるという。

シュヴァルツシルト半径の内側からでも60%の装空率で脱出できるという。


 ミチヤは星の内部を探査する事にした。

突入した。

機関は、QBD6核融合炉を使う。

QBD6核融合炉は突入直前に転送されてきた。

CMD9バッテリーは温存しておかなければならない。

ボーリング調査をする予定だ。


 この時、『リナ』が警報を鳴らした。

近づき過ぎると脱出できなくなるという。

ミチヤは一旦、脱出する事にした。


 この時、覚醒者13人が転送されてきた。

ミチヤとレオは作戦を練った。


 搭載艇を使う事にした。

搭載艇は1tしかない。

これにCMD9バッテリーを3個積み突入させる事にした。

これで搭載艇は、イズミの100倍の脱出能力を持つ。

『リナ』の子機も搭載した。


 操縦者はロバートがした。


 突入された。



第9話 ミニ・ブラックホール(2)


 ロバートには、地表面がやけに遠く感じられた。

時間の歩みがロバートに遅さを与えていた。

CMD9バッテリーを1%使い地表面に空間移動した。

そこは地表面なのかどうかさえ解らかった。

通常の精神では耐える事のできない漆黒の暗闇だった。

地表面らしきところから1欠片削り取り持ち帰る事にした。

『リナ』の子機は警報を鳴らさない。

異常がないのか?

通信ができないのか?

ロバートには判断できなかった。


 脱出に成功した。

CMD9バッテリーの残量は20%を切っていた。


 イズミでは心配していた。

突然、通信が切れたのだ。

しかし、それはほんの2、3秒の事だろう。


 幸運が重なっていた。

ブラックホールの1欠片からトップクォ‐クが発見された。

6種類目の、そして最後のクォ‐クだ。


 ムーにこの事を伝えた。

ムーでは、ロバートの体験を元に対策が練られた。


 ミチヤは「命の泉」を目指した。

後2,000光年くらいのはずだ。



第10話 命の泉


 辿り着いた。

そこは光り輝いているようだ。

感じるのは眼ではない。

命が感じているのだ。

それはミチヤより鎮也達の方が遥かに大きかった。

鎮也達の源なのだ。

ミチヤの源は別にあるようだ。


 主が警告した。

「ここに、異なる命の侵入は許されない」

「ここは命の種が同じものだけが集うのだ」

「異なる者は去れ」

「去らねば消滅させん」


 ミチヤはステーションに移動した。

「継がねばならない」時が来たようだ。


 鎮也達は導かれた。

主は伝説のドラゴンに似ていた。

緑色をしていた。


 主は言う。

「お前達がここの秘密を知りたければ5つの試練を受けねばならない」

「お前達が去るのなら記憶は消え、生涯ここに辿り着く事はできない」

「如何」


 鎮也は直ぐ答えた。

「試練を受ける」


主から5つの試練が与えられた。

「龍の鱗を持ち帰る事」

「龍の尾を持ち帰る事」

「龍の牙を持ち帰る事」

「龍の左眼を持ち帰る事」

「龍の翼を持ち帰る事」


 この主も傷ついているのだ。


 鎮也達はイズミに戻り旅立った。



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