表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/12

第2章 悪魔

第2章 悪魔


第1話 D7・8


 D7の改良の前にD8の改良が行われた。

CMD7がD8で捕捉できない事が予想されたからだ。


 CMD8が発生させるフィールドは凄まじかった。

全ての物質、精神を封じた。

外部からの侵入を許さない。

CMD8は、裏表を持っているようだ。

裏側からは、容易く崩壊できた。

 CMD4Cとの組み合わせでCMD8スーツが開発された。

このスーツを外部から傷付けられるものは、現在存在しない。

 CMD4Cとの組み合わせでCMD8装甲も造られた。

イズミをCMD8装甲で防御する。


 続けてCMD7の開発が行われた。

発生させる亜空間をD7と比較する事は、現在できない。

CMD7そのものを解析する事もできない。


 だが、装置は作れた。

CMD7の性質は解っているからだ。


 『SDC』装置改が作られた。

指向性の超高速通信装置だ。

だが、性能はアップしているはずだが、測定はできない。


 『SDA』装置改が作られた。

「反射信号の検知」

「生命体の感知」

に加えて、

「重力子の検出と重力の測定」

「斥力子の検出と斥力の測定」

ができるようになった。


 これで突然重い星に捕まる事はない。

これらは、イズミに転送された。



第2話 悪魔


 銀河の中心に3,000光年くらい近づいた時だった。


 その恒星は巨大な赤色巨星だった。

質量が太陽の20倍くらいある。

『SDA』装置改が既にそれを感知していた。

年老いた恒星だ。


 クラサは予言した。

「再び、出会うでしょう」

「ルシフェルが大勢います」

「争う必要はありません」


 悪魔が積極的に他の惑星を侵略する理由が解った。

赤色巨星は、縮んだり、膨らんだりする。

いつ悪魔達の住む惑星が飲み込まれか解らない。


 CSD2・3を使用すれば、悪魔を撃滅する事は容易いだろう。

だが、ミチヤは、悪魔達と交渉した。


 今まで辿った恒星を周る惑星の1つを移住の候補地とした。

悪魔の移住地だ。

条件を出した。

その惑星をCMD8フィールドで覆う事が条件だ。

悪魔をその惑星に封じるのだ。

悪魔は合意した。


 この惑星の固定した欠片は多少渋った。

放浪の欠片になってしまうからだ。


 最後には、合意するしか手立てはなかった。

悪魔は封じ込められた

固定した欠片は、放浪の欠片となった。



第3話 D9


 地球では、また一人覚醒者が見つかった。

名前は『イワン』と言った。

彼は、核操作者だった。

ダイバリオンの核融合さえできた。

遺伝子の発現箇所を調べた。

染色体番号7の複数の遺伝子が発現していた。

この研究が進められた。


 CMD9の研究開発が行われた。

CMD9によって発生させられる亜空間は、予測より弱かった。

他のCMD元素は、通常のダイバリオンの26倍程度の威力を持つ。

それに比べ、CMD9の作る亜空間の空間移動エネルギーは、3倍程度だった。


 理論は確立されていないが、質量の1/3乗に関係しているようだ。


「CMD9バッテリー」

「CMD9空間融合炉」

「CMD9転送機」

が、開発された。


 CMD9バッテリーは、空間圧縮を1/1,000から1/3,000にした。

このバッテリーは、9個イズミに転送された。


 CMD9空間融合炉は、小型化された。

これは、3基イズミに転送された。

これで、イズミの空間移動時間が1/40に短縮された。

これで、イズミ(300t)は6,000光年を1日で移動できる。

但し、9個のバッテリーがフル装空で全てのエネルギーを解放した時の事だ。


 D9転送機は、CMD9転送機に置き換えられた。

イズミにも1基転送された。



第4話 赤色巨星


 赤色巨星の内部調査が行われた。


 ボトムクォ‐クが発見された。

自然界で5種類目のクォ‐クだ。


 問題があった。

それは2つあった。


 1つ目は、この赤色巨星の寿命だ。

現在の科学力では、爆発あるいは極小化まで行かなくても大きな衝撃波に耐えられない。


 2つ目は、どのくらいボトムクォ‐クを採取したらこの巨星に影響がでるか?だ。

科学者は実験に必要な少量のボトムクォ‐クを持ち帰った。


 CMD6のダウンクォ‐クをボトムクォ‐クと交換してみた。

6.4倍の効果が出た。

予測されるのは、CSD2・3では4倍だ。

CMD4・5・6・7・8では6.4倍の効果が予測される。

CMD9では、1.85倍の効果が予測される。


 画期的とはいえない。

限定的な生産と実験が予定された。


 赤色巨星から大量に採掘して大量生産するには、リスクが高過ぎる。



第5話 第3世代


 イズミの全てが第1世代のダイバリオンから第2世代ダイバリオンに代わった。

この力をフルに活用する事は、ロミオには荷が重すぎる。


 第3世代人工知能『リナ』が、開発された。

この人工知能はCSDと反応した。

リナにも、CSDが組み込まれた。


 彼女も制御に周期を持った。

生命体ほど好不調はないが、瞬発力を持った。

極限状態になると凄まじい動きを見せた。

若干の感情も持っているらしい。


 ミチヤと簡単な会話ができた。

簡単とはいっても、恐ろしく高度だ。


 多少の精神エネルギーを発生させた。

地球の猿より劣るくらいだ。

CSD2・3と連動すると通常の人類には出せない精神エネルギーを発生させた。

念動力を持ったのだ。

ただ、遠くから蝋燭の火を消す程度だったが。


 テレパシーも少し使えた。


 第4世代に多くの期待が寄せられた。


 5人目の覚醒者が見つかった。

名前は『幸』と言った。

彼女は、浄化者だった。

「人から支配欲と物質欲を取り除いた。」

「希望を持つ心を宿した。」

「無償の愛を宿した。」

「肉体の治癒能力も持っていた。」

遺伝子の発現箇所を調べた。

染色体番号5の複数の遺伝子が発現していた。

この研究が進められた。



第6話 知生体


 イズミの100光年後ろには、補給ステーションが瞬く間にできていた。

現在の工業力では、比較的簡単な事だった。


 銀河の中心に4,000光年くらい近づいた時だった。


 人類でいえば、20世紀後半程度の知生体の住む惑星を見つけた。

1つ間違えば、滅亡するおそれがあった。

核を所有し、数カ国が戦争を起こしている。


 かつての人類を見ているようだ。

果てしない支配欲、物質欲を持っていた。


 地球を幸に任せて合流したユキムらは、浄化作業を行った。

この惑星のものは、目覚めた。

今までしてきた事の愚かさを知り、世界連邦を構成した。

全ての核は、CMD6核融合炉に放り込まれた。


 未だ、問題があった。

彼らの遺伝子工学の発達は、現在のムーのものより進歩している。

ムーでは、禁忌とされている「遺伝子の組み換え」が異常に進歩している。

生態系は、混乱し生命の誕生の時、奇形児が多数生まれた。

奇形児の寿命は短い事が多い。


 植物は、酸素の放出を止めるものもでた。


 動物は、無差別に狩りを行った。


 6人目の覚醒者が見つかった。

名前は『マリヤ』と言った。

彼女は、浄化者だった。

妖精と同じ能力を持っていた。

遺伝子の発現箇所を調べた。

染色体番号11の複数の遺伝子が発現していた。

この研究が進められた。


 彼女は、この地に転送された。

自然を活性化するエネルギーを出した。

 自然は少しずつ本来の姿に戻ろうとしていた。

人類も自己修復を行い組み換え前の状態を取り戻しつつあった。



第7話 タキオン


 タキオンはレプトン系粒子だ。

タキオンは光速を超える。


 CMD7の放出するものは、亜空間とタキオンだった。

タキオンが静止している時、固有時と質量は虚数だ。

移動を始めると質量が実数化する。

エネルギーを失うほど、速度は光速から超光速へと加速する。


 移動時に亜空間は、タキオンからエネルギーを奪い速度を上げる。

タキオンはエネルギーを奪われると質量を減らす。

質量が減ると空間移動の速度は上がる。

これが、超高速の通信ができる原理だ。

但し、タキオンの質量が0になると亜空間は通常空間に取り込まれる。


 しかし、質量を持つ限りCMD8を通り抜けられない。

CMD8は亜空間タキオンを遮断できる。

こうして、『SDC』装置改は指向性の超高速通信装置となる。


 タキオンが質量を持つ時、波の性質も持つ。

他の物質とバンド幅+周期の干渉を持つ。

この結果、干渉された物質は固有のバンド幅+周期で波を発生させる。

波は電波の時もあり、光子の時もあり、タキオンの時もある。

だがその波は、物質の種類によって固有だ。


 『SDA』装置改は、この波を捕えていくつかの感知、検出をする。

主としてタキオンを捕える。

また、重力子や斥力子も捕える。



第8話 ダイバリオンを持つ惑星


 7人目の覚醒者が見つかった。

名前は『アイン』と言った。

彼女は、科学者だった。

全ての科学に能力を発揮した。

遺伝子の発現箇所を調べた。

染色体番号3の複数の遺伝子が発現していた。

この研究が進められた。


 銀河の中心に4,500光年くらい近づいた時だった。


 そこの文明は、発達していた。

しかし、好戦的ではなかった。

この惑星の「固定した欠片」を神として崇め平和な社会を構成していた。


 そこの文明は、第1世代のダイバリオンを開発していた。

宇宙に飛び出すのは、時間の問題だった。

彼らと会合を持ち、友好惑星の盟約を結んだ。


 「固定した欠片」も同意した。


彼らは問題を持っていた。

幾度も、異生命体がこの惑星を襲うという。


 ミチヤは、『SDA』装置改を使い近辺の恒星や惑星を探索した。

10光年くらい先に異生命体がいる。


 ミチヤは、その惑星に赴いた。

悪魔の派遣隊だった。

彼らを諭して封じた惑星に送った。


 友好惑星は完全に平和となった。

この先どのくらい繁栄するのか楽しみだった。

ミチヤがこの惑星に干渉する事はできない。

自立した文明が必要だ。


 この惑星を「フレンドⅠ」と名付けた。



第9話 新物質


 ムーでは、新物質を研究開発していた。


 トリダイバリオンだ。

第3世代ダイバリオンに注目が集まる。

クォ‐クの構成を2種類考えていた。


 1種類目は、

「アップクォ‐ク1個」

「ダウンクォ‐ク1個」

「チャームクォ‐ク2個」

「ストレンジクォ‐ク5個」

これを「MCS」と名付けた。

MCSの質量は3,106だ。

CSDの質量は2,808だ。

質量の増加はほとんどない。


 2種類目は、

「チャームクォ‐ク3個」

「ストレンジクォ‐ク6個」

これを「コードNO.1」と名付けた。

コードNO.1の質量は4,500だ。

CMDの質量は3,000だ。

質量は1.5倍になる。


 MCS2とMCS3の研究だけ進めた。

質量はさほど増えていない。

しかし、構成するクォ‐クの種類が1種類増えた影響なのだろうか?

CSDを飛躍的に超える精神効果が出た。


 トリダイバリオンの開発は見送られた。

これの開発よりクオダイバリオンの研究が優先された。



第10話 友好惑星


 8人目の覚醒者が見つかった。

名前は『新和』と言った。

彼は、結界者だった。

遺伝子の発現箇所を調べた。

染色体番号6の複数の遺伝子が発現していた。

この研究が進められた。


 銀河の中心には6,000光年くらい近づいていた。


 この間に第1世代ダイバリオンを持つ友好惑星が3つ見つかった。

これで「フレンドⅠ~フレンドⅣ」ができた。

滅んでいた文明は数知れなかった。

文明発達途中の惑星も数多くあった。

彼らは、滅びるのか?繁栄するのか?予測できなかった。


 ダイバリオンを手に入れる事が分岐点なのかも知れなかった。

地球もダイバリオンを手に入れなければ、異なる欠片に蹂躙されたままだった。

そうでなくとも、自滅するかもしれない。


 チャームクォ‐クで滅んだ星もいくつか見つけた。

チャームクォ‐クは全て回収した。


 チャームクォ‐クを使った電荷を持つ粒子の実験は危険だ。

その星は、生命体の再生不能なものになる。

核による滅亡ならば、他種族による再生の道は残されている。


 派遣されていた悪魔も最近あまり見かけない。

全て封じた惑星に送った。

彼らも命を持っているはずなのに、何があそこまで変えたのか?

赤色巨星が関係しているのか?

いずれにしろ、悪魔を宇宙に放つ事はできない。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ