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忘れちゃった

 シグムントは山の中腹にいる大きな翼の竜を見つけ、グラムを構えた。

「待ってくれよぉ、殺さないでくれよぉ」

 よくみるとまだ子供の竜で、涙ながらに訴えた。

「だが、お前を殺して生き血を飲まねば、私はあの爺さんに命を奪われてしまう」

「それなら」

 とファーヴニル。

「ぼくの血がほしいだけなら、いくらでも。ナイフで皮膚をちょっと切って、飲んだら」

「なぬ。そんな簡単でいいのか・・・・・・」

 シグムントはファーヴニルの傷口からにじみ出る血をなめた。

 シグルズも同じようにしてなめる。

「ところでお願いがあるんだけど」

 ファーヴニルが遠慮がちに尋ねると、シグムントは血のお礼だといって、

「なんだね、何でも言ってみな」

 と答えた。

「ありがとう、僕には弟がいるんだけど、今ではヒヨルヴァルズって王様の鍛冶屋なんだ。あいつに会って、その剣を鍛えてもらいなさい。それから、鍛冶屋にいるヒルトちゃんに会って、ここにつれてきておくれ」

「おやじ、簡単な話じゃねえか。やってやろうぜ。なっ」

 シグルズはシグムントの肩を乱暴に殴ると、

「いいぜ、その役目、俺がやってやるよ」

 こうして親子は山をおり、ヒヨルヴァルズ王に謁見すると、鍛冶屋に剣を鍛えてもらい、シグルズはそこの弟子になった。

 ヒルドという娘がいたく気に入り、ファーヴニルとの約束を忘れてしまったが・・・・・・。


「しかしね、兄さん」

 ヒヨルヴァルズ王はシグムントに声をかけた。

「シグルズはだいじょうぶなんでしょうか・・・・・・」

「だいじょうぶって、なにが」

「あんなに強いと、兄さんのように戦争に借り出され、・・・・・・あの子まで殺したくないものですから」

 

 

 シグルズはヒルトと会うと、どきどきして、うっとりするほど美しいヒルトにベタぼれであったが、どこかで不安だった。

 いつか、彼女が離れてしまうのではなかろうかと。

 ヒルドもそれは同じで、シグルズを愛し、レギンのもとで眠りっぱなしだった自分を目覚めさせてくれた勇者だから、どうしても離れたくなかった。

 たったひとりの愛する人だから!

「あ、そうだ、いけね!」

 シグルズは突然舌を出した。

「どうしたの」

「俺、ファーヴニルにお前を連れて行くって、約束しちゃったんだな〜」

「それいつの話?」

「えーと、一年前・・・・・・」


 ひょおおおお・・・・・・。

 

 一陣の寒風が、シグルズとヒルドの間を駆け抜けていった。 

 サガ物語の連続というたくらみを発信させたまではいいんだけど、歯止めが利かなかったりしてね(汗。

 サガの主役たちはとにかく好き放題やってくれちゃってますから・・・・・・。

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