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愛を知る時 ~本当の王妃になるまでに見つけた愛に守られるまで~  作者: 与謝野竜胆


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第二章 新しい侍女

 新しい侍女が3名挨拶にきた。

ライネア25歳 ウラン25歳 ケアンナ23歳 3人とも伯爵家の令嬢だ。

どの令嬢も礼儀作法に問題ないように見える。

 マチルダからの情報によると、エル王妃付き侍女は仕事の中でとても人気があります。侍女になっても必要な学習を一流の講師から学ぶことができるということ。職場の人間関係に恵まれていること。仕事内容が洗練されていること。そして、王室近衛兵と知り合いになれること。そういった理由らしい。


 私はいくらか食事もできるようになってきていた。

ディルやファビ、ライが集まって来るようになったが、ファビもライも婚約してから少し浮かれているように感じる。婚約者と仲が良いに越したことはないのだが、ここは報告連絡相談をする場であって、幸せである話をするところではない。

 ディルが、二人のことは無視していい。それよりもサレルノ国との外交についてどう思う?サレルノ国の近くまで鉄道が開通していて、国交を開始するチャンスだと思うのだが。と意見を求められた。

 外交官であるディルは、サレルノ国との国交を検討中のようだ。

 サレルノ国は開放的な国だ。国民も明るく陽気な者が多く人懐っこい。

国交を開始することに問題はないと思うが、文化交流だけという訳にはいかないだろう。

経済的な交流ができる何かがあるのか?と質問する。

 ディルからは、公用語も難しくて文書のやり取りも儘ならなくて、なかなか情報も得られない状況だ。何とかならないだろうか?と頭を抱えていた。

 私が、協力できるとするならディルが書いた文章を代筆することは簡単にできるからそのくらいだろうか。と提案した。

ディルが、それは助かるというので、今は執務も少ないから外交官の交流ができるまで代筆を請け負うことにした。

 ディルが安堵したようだ。「エルに相談して良かった。しかし、エルが妊娠するとはなぁ、女だったんだなと思うけど違和感しかない。」という「失礼な、最初から女性だがな」と返すと「まぁ、後輩にしかみれないから男でも女でもいいかな」といって肩をたたかれた。

 ディルは時々こうしてありがとうを伝えるときに肩をポンポンと叩いて、お互いが手を合わせるという行動をする。これで感謝の気持ちを表わしている。

 ケレは距離が近い、王妃に対してすることではない、というが、これはこれで先輩後輩のやり取りということだ。

 そしてこの時に私の中で何かが引っかかった。

何がといわれると困るのだが、ちょっと嫌な気持ちになるような雰囲気を感じた。

その時は、体調が思わしくないから敏感になりすぎているのだろうかと深くは考えなかった。



 妊娠期間も半分を過ぎてきて、四公爵婦人方が(東のヴィルド公爵、西のギュルゲ公爵、南のクライスト公爵(第一王子)、北のツェラー公爵)代わる代わる訪ねて来てくれるようになった。

本来なら母親や義理母が担うところを婦人方が交代で相談役として携わってくれるそうだ。

 特にクライスト公爵夫人とは、クレイ産業の時にお世話になったことと、私が自分のために制作した化粧品を気に入ってくれて製品化しようという話まで持ち出してくれた縁のある方だ。

 クレイを使ったマッサージは高位貴族の奥様方に人気で、一大産業になっている。

それがあって公爵家のご婦人方と交流が持てたのだった。何がきっかけになるか分からないなぁと感じていた。

そしてその交流があったお陰で、こうして相談役までしてもらえるとは考えてもいなかった。

 クライスト公爵夫人は、妊娠が分かるまえから度々交流があったのだが、妊娠が分かってからは頻繁に会いに来てくれた。

彼女は明るくて楽しい人だ。そして頭の回転が速い。たくさんの知識を持っている。クライスト公爵閣下を相手に議論が出来るくらいの人なので、かなりの才女だと思う。

 彼女とはアルドアルの視察の時に、彼女は日焼けのことを気にしていた。クライスト公爵は炎天下でも関係なく仕事をするそうで、それに付き合うことも多いらしい。日焼けすることは仕方ないが、場合によっては水ぶくれなどができて手当が大変といっていた。

 私は自分用に薬草とオイルを使った日焼け止めを作って常に使用していた。

自然のものとはいえ、誰にでも合うか分からない。彼女に合うか分からないが使ってみますか?と渡すと喜んで使ってくれた。効果があったようで、定期的に欲しいと言われた。

 他にも私用に作っていた化粧品を使ってみたいということでいくつか品物を渡したところ、とても気に入ってくれた。

 そんなことがあって、クライスト公爵夫人のことを私生活では、ベル(アナベル)義理姉様と呼び、私のことはエルと呼び合っている。

  

 そして穏やかな日常が数日続いた。

私は常に身体の周囲を魔力で覆っている。初夜の日から体調を崩して回復が遅れていた時に、回復魔法を身体に巡らせてから回復速度が上がったことがあった。

それからは、魔力コントロールの修練のためもあり、自分の身体の周りに回復魔法と防御魔法を薄く重ねている。

 何かおかしいと感じたのは、ベル義理姉様とお茶をしている時だった。

ディルが、サレルノ国との国交に取り組んでいる。サレルノ国の近隣であるクライスト公爵領に手伝ってもらうことがあるかもしれないと話をしていた。

 今回のお茶の準備は、ケアンナが行った。指導にはディアナがついていた。

私の前にお茶が差し出されたときに茶器を持つ手が震えていたのか、カップが落ちそうになったので手を出した時に手の甲に何かが当たったような感覚があった。

 大事には至らずお茶の準備は整ったが、ベル義理姉様が「ドクターバーナードを呼んで頂戴、急ぐと伝えて。」とディアナに指示をした。

 ドクターバーナードが部屋に来ると、ベル義理姉様が「診察には私が付きます。あなたたちは下がりなさい。」と侍女を含めて全ての者を部屋からだした。

 

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