第二章 侍女の恋シリーズ
侯爵領の取りまとめ役に案内してもらい、一家全員が発熱している家を訪ねました。
一家は、夫婦と子供3人に祖母の6人家族で、昨日から全員が発熱していますと報告を受けた。
私は連絡をもらった時に父には早馬で第一報を送っていた。
家族は熱が高く意識も朦朧としている。周辺の家で発熱者は出ていないが油断できない。
診察をしてもらうにもこの街には医者がいないので、隣町に連絡をして医者の派遣を要請しました。
隣町はサヴォイア伯爵家の領地で、お互いが補えるように友好的な協力体制ができています。
医者と看護師が遅い時間にも関わらず直ぐに来てくれました。サヴォイア伯爵家からも長男のグイードが付き添いで来てくれました。私は侯爵家当主の代わりと感謝の意を込めて丁寧にお礼の言葉を述べました。
感染症が流行るとあっという間に両方の街が機能しなくなるため、早めに対応ができるならそれに越したことはないと医者と看護師は早々に診察を行ってくれました。
解熱剤の効果で熱が少し下がると、夫婦と子供3人は意識も回復して何とか話ができるようになりました。高齢のおばあさんの回復が遅く意識が戻らない状態が続きました。
翌日には隣に住んでいる家族の子供が1名発熱しました。
この場所は、家の3軒が近いため毎日のように交流があったそうで、発熱者が出ているので街の人達の出入りを暫く禁止することにしました。
その翌日には残りの1件から発熱者が2名、母親と子供1名が出ました。
医師と看護師の指示の下で、食事や洗濯、掃除、清拭や更衣のお手伝いをしました。グイード様も手伝ってくれました。医師から鼻と口は何かで覆って、発熱者に触ったら手を洗って下さいと指示がありました。
幸いなことにこの地は、飲料水になる綺麗な湧水が豊富にあるので手洗いも洗濯も水仕事は困ることがありませんでした。
疲れないように細目に休憩もとります。グイード様は物資の調達や外部との連絡など外回りを主に手伝ってくれました。
父には、何とかこの3軒で感染を抑えたい。出入りが増えると感染の確率が上がるので、余程のことがない限り手伝いは不要と連絡しました。
1週間経過すると、最初に発熱した家族は祖母以外の者は熱も下がり、何とか日常生活が送れるようになりました。この家の祖母も意識がはっきりしてきており、時間が経てば大丈夫だろうと医師から説明がありました。
他の2軒も熱が下がってきており、起きている時間がふえてきています。
医師と看護師とグイード様と山が越せて良かったです。感染が拡がらなくてよかった。と喜びを分かち合いました。
医師と看護師とグイード様には、迅速な対応をして頂いたことに感謝の意を述べました。後に侯爵家当主からも改めて謝辞の言葉が届くことも伝えました。
そして3日後にそれぞれの家族が日常生活が送れるようになったので、私たちも帰路につきました。
侯爵家では、私の家族が心配していましたが元気な顔を見て安心したようです。
私は父に今回の視察についてと発熱者の対応を行いました。
ミゲウについては、共に侯爵家の執務を担っていけそうにないことも伝えました。
翌々日からアカデミーに登校しました。生徒会メンバーや友人たちは私を心配して手紙をくれたり、帰宅後の翌日に訪ねてきてくれたりしていました。
ミゲウは、元気そうだが大丈夫なのか?罹ったりしないだろうな?と言ってきました。
私は、元気だし罹るかどうかなんてわからないわ。発熱なんて誰にでもあることだし、関係歩かないかなんて証明できないものと素っ気なく返事をしました。
ミゲウの家とは婚約はなかったことにすることで話がまとまりました。
侯爵家は次女が継ぐことになります。彼女は幼馴染と恋仲で、婚約もしています。二人とも優秀なので私の補佐をしてくれる予定だったので執務にも携わっていましたから問題ないと思います。
私は王宮の文官試験を受けて、受かれば文官として働いていこうと考えていました。
文官試験も近いので、勉強に力をいれました。毎日居残りしては図書室で勉強していました。
そして、お約束のようにミゲウが図書室に来て「どうして婚約を解消した?お前は俺のことが好きだったはずだ。誰かに心変わりしたのか?」図書室で大声で喚きます。
ミゲウに皆さんの迷惑になるので場所を変えましょうと提案して、空き教室で話すことにしました。一緒にいた友人には先生に連絡をお願いしました。ミゲウがどんな行動を起こすか、もう信じられないからでした。
ミゲウには、最初から恋心なんてなかったこと、それでもお互いに思いやりがあって穏やかに毎日が送れていれば変化もあったかもしれない。私は侯爵家の執務も手伝ったいたので、今回の視察でミゲウが少しでも侯爵家のことを考えて行動してくれていたら違ったいたかもしれないと話しました。
ミゲウから、執務については言ってくれないとわからない。恋心がなかったなんて信じられない。自分たちは想いあっていたはずだ。まだやり直せる。というのです。
もう、解消されたことは戻らないし、最近のミゲウの行動も理解できない事ばかり。申し訳ないけど私ができることはないと告げた。
ミゲウは、突然私に襲い掛かりました。俺はずっとジュリアが好きだったんだぞ。今更何とも思っていなかったなんて言うな。そして服に手がかかった時に先生が教室に入ってきました。
ミゲウは職員室に連れていかれました。私は身なりを整えて連絡してくれた友人にお礼を言いました。
こうして私の婚約はなくなりました。
ミゲウのことは幼いころから知っていましたし、可愛いころを一緒に過ごしたので情はあったのです。
あのまま変わらずに一緒に過ごせていたら、婚約も解消していなかったのかもしれません。
ミゲウに何があって変わったしまったのか分かりませんが、共に歩く人ではなかったのだと思います。
私は文官試験に見事合格して財務官の職員に配置されました。
その後にマチルダ様からお声掛けいただき、エル王妃の侍女に配置換えが行われたのです。
あれから、グレード様とは手紙のやり取りをしています。
時々は王都に来て、二人で散策したり観劇に行ったりと会う時間を増やして交流を図っています。
あの時、辛いと感じた時には、一緒に乗り越えようと励ましてくれたことに感謝しかありません。同じ方向をみて考えていけるグレード様との婚約が近いうちに行われる予定です。




