表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛を知る時 ~本当の王妃になるまでに見つけた愛に守られるまで~  作者: 与謝野竜胆


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/68

第二章 真相

あらすじ

 突然、王命で隣国へ嫁ぐことになった第3王女が、自身の能力を活かしながら活動する中で、周囲の人々と心を交わし愛と幸せを知っていくお話


 第二章にはいりました。

 周囲の人々から優しく時に厳しく生暖かい目で見守られながら、王妃のエルが国王ケレとゆっくりと愛を育んでいきます。

 愛されてこなかった王妃エルが、愛されることの幸せと喜びを知っていくお話です。

 私は魔力を引き継ぐことにしたと、先代国王に魔力を受け入れると伝えた。

意義があるのかは分からないが、ここに来たことが答えなのかもしれない。

導かれたのだと思うので受け入れることにしますと決意を伝えた。


 先代国王は頷いて、このまま手を握っていてくれ。恐らく直ぐに終わる。

では、始める。そう言って魔力を流し始めた。

身体の中を異なる魔力が流れ始めた。違和感がないのは似通った魔力だからなのか?

何かが満たされていくような不思議な感覚を感じた。

段々と魔力の流れが緩くなり、停止した。

 

 「終わった」と安堵の声が聞こえた。「私も終わりそうだ。医者の待機を頼む」と先代国王が私に声をかけた。

私は長兄を呼び、先代国王の言葉を伝えた。

医者や看護師などが先代国王の部屋に集まってきた。国王も側に控えている。

 

 長兄が一度公爵家に帰るかと聞いてきたので頷いた。最後は、家族だけの方がいいだろうと思った。

翌日になって、明け方頃に先代国王が崩御されたと長兄から告げられた。


 翌日の午前中に国内外内に公式発表が行われた。

その翌日に大聖堂で国葬が行われるのでスワツール国の王妃として参列した。

この後、10日間にわたり儀式が行われ、王族が眠る墓地に埋葬が行われるようだ。

 私がスワツール国の王妃として、棺に聖水をかけて祈りを捧げていた時のことだった。

突然、背中に強い衝撃があり誰かがぶつかったのかと思った瞬間、右の背中に焼けつくような痛みが走った。


 女性が「あんたのせいよ、何もかも。あんたさえいなければ。私も母も妹もこんな思いをすることはなかたのに。あんたには罰を受けてもらうから。」「離しなさいよ、やめてったら、触らないで」

大きな声で喚きながら拘束されている女性がいた。

 黒の修道服を身に纏い、黒のベールを被っている。

その手には赤く血塗られたナイフを持っていた。

衛兵に取り押さえられて、証拠品だとナイフを取り上げられている。

喚きながら全身で抵抗しているようだ。身体をよじり無茶苦茶に手や足を動かして、衛兵から逃れようと藻掻いている。

怒りのためか顔が歪んで見える。恐ろしいほどの怨念を感じるような形相だった。


 あの女性は、アウグスリンデ国の第一王女?確か修道院に入ったと聞いていたような。

そうか、王族だから参列を許されたのだろか?

私を狙ったのか?


 私は刺されたのだろうか?そんなことを考えていると、

長兄が「何をしている、直ぐに医者を呼べ」「エル、大丈夫か?」「止血だ。ナト、力を貸せ」と指示を出している。

そんな様子を眺めていたが、気を失ったようだった。そこからの記憶が途切れた。


 「大丈夫か」「力が必要か」頭の中に森の主からメッセージが届く。

身体が熱い。喉が渇く。手を動かそうとしたが動かない。背中が痛む。

目を開けるんだと自分に言い聞かせる、ジワっと目を開けた。

そこに看護師のナンシーがいた。


 「気が付かれましたか?」「お水とお薬を飲みましょうね。」そう言って水を飲ませてくれた。

「痛むでしょう、お薬も飲みましょう。」そう言って薬と水を飲ませてくれた。

「直ぐに皆さんに連絡しますね。スワツール国王も来ておられますよ。」と言って部屋を出ていく。

 私はどのくらいの間眠っていたのか?ケレが来ている?


 大きくドアが開かれた。

エル、大きな声で私を呼ぶケレ。

大きな声を出すんじゃないと怒るドクターバーナード。

気が付いてよかったといつもと同じ落ち着いた声の長兄。

エル、心配したよと少し呑気そうに聞こえるナトの声。

部屋にたくさんの声があふれた。

 なんだか可笑しくなったので、小さく笑う。まだ背中が痛んだ。


 ケレが手を強く握りしめて、よかったと小さく呟いた。

ドクターバーナードが、運よく急所が外れていた。あと、止血が早かったのと自分に防御の魔法をかけたのか?と聞いてきた。

咄嗟のことで分からなかったが、何かがぶつかってきたと思った瞬間に、防御魔法を使ったのかもしれないようだ。

 それで傷が浅くて済んだらしい。用意周到だったようで、ナイフに毒も塗っていたそうだ。

長兄が解毒薬を持っていたそうで、解毒が直ぐにできて良かったと聞く。


 3日間ベッドの上で過ごして、痛みを逃がしながら動けるようになった。

魔力の継承をしてから、身体を魔力が包み込むような感覚がある。守られているような感覚だ。


 ケレは、もう少し側にいさせろとか、自分が帰るなら連れて帰ると愚痴りながら、スワツール国から迎えが来たので渋々帰っていった。


 そして、事の真相について、分かった範囲でだが説明しようと長兄から報告がされた。

第一王女は修道院では模範生だったようだ。

 最初こそ不慣れな環境になかなか馴染めていなかったが、元々頭もいい彼女は習ったことや教えられたことは直ぐに吸収して、実践ができたそうだ。今ではリーダーや指導者をするほどに優秀だったそうだ。

 そんな彼女だったから、今回の先代国王の国葬に参列が許されたそうだ。

第一王女の方から国王に、お爺様にはご迷惑をおかけしたので、謝罪できるならさせて欲しい。最後のお別れがしたいと願いでたようだ。

 模範生となり、しかもこれまでにない謝罪の気持ちを述べるようになったことから参列を許されたそうだ。

 計画的犯行なのは、ナイフを持っていたこと。しかも毒を塗っていたこと。

毒の入手は王妃の実家だった。元法務大臣だった祖父が準備をしたようだ。

今、裏取りを行っている。王妃は幽閉中で外との連絡ができない状況だから、今回の事件との関連はないと考えている。調査中である。全く関係していないとも言い難いところだ。

 妹は神殿にいて、今回の事件のことは全く知らないようだった。やっと世間一般の常識が身についてきているところだそうだ。


 国王は憔悴している。なにせ自分の父親の国葬で、自分の娘が犯行に及んだのだから。

自分の娘を救えなかったこともをとても後悔している。自分を責めているようだ。

王太子と第二王子が、しっかりと自立出来ているから、近いうちに代替わりが行われるだろう。



 結局、ドクターバーナードから帰国の許可が出たのは事故から1月後だった。

 私は長兄に森の主に会って欲しいと頼んだ。

アウグスリンデ国で魔力を譲り受ける時に森の主のメッセージが届いたから、何か伝えたいことがあるのかもしれないと思ったからだ。

 長兄は仕事の段取りを何とかつけてくれて、スワツール国のアルドアルの森の主に会ってくれることになった。

 

 首都には寄らず、一気に森の主に会いに行った。

シールドは問題なく作動していた。森は以前のように澄んだ空気に包まれていて、木々や植物が元気になっていた。

 長兄が驚いていて、こんなに空気が澄んでいて活力がある森は初めて出会ったと嬉しそうだった。


 森の主に長兄が挨拶をした。長兄も森の主に魔力を流した。枝が揺れて葉が騒めいた。

喜んでいるようだなと長兄が嬉しそうに森の主に話しかけていた。

 私に長兄が「エル、連れて来てくれてありがとう。」「森の主が、時々来いというが、なかなかむつかしいお願いだと言っておいた。」

 長兄も話ができるの?と聞いたら、

魔力の波長が合うそうだ。アウグスリンデ国も守ってやりたいが遠くて難しい。魔物は少なくなるそうだ。

 アウグスリンデ国のために、エルが時々来て魔力を与えて欲しいといっている。

代々王族が受け継いできた魔力の力があれば、魔物の襲撃を少しは減らすことができるそうだ。

森の主の力は、自然界でしか活かすことができない。人間から守ってくれたエルに感謝しているそうだ。

 私は少し悔しい気持ちになった。私の方が長く森の主の傍にいるのに、長兄との方が波長が合うとか悔しいなと思った。そのまま伝えるとエルのことを大事に思っているから、私に話しかけてきているんじゃないかと笑われてしまった。それでもなんか悔しいと思ってしまうのだった。







 













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ