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愛を知る時 ~本当の王妃になるまでに見つけた愛に守られるまで~  作者: 与謝野竜胆


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第二章 他国の侍女とアークレイリ国

あらすじ

 突然、王命で隣国へ嫁ぐことになった第3王女が、自身の能力を活かしながら活動する中で、周囲の人々と心を交わし愛と幸せを知っていくお話


 第二章にはいりました。

 周囲の人々から優しく時に厳しく生暖かい目で見守られながら、王妃のエルが国王ケレとゆっくりと愛を育んでいきます。

 愛されてこなかった王妃エルが、愛されることの幸せと喜びを知っていくお話です。

 長兄からの返事を待つ間に恐ろしいほどに情報が集まった。

それは、午後の休憩時間でのことだった。

その日の休憩は侍女長が会議のため不在だった。侍女達はどこかのびのびとしているようにみえた。

私はお茶係に徹する。侍女たちにお茶とお茶菓子を配る。会話に入らずに話を聞くことができるからだ。

今日の話題は、午前中のオシャ王女の件だ。

私は、噂の恐ろしさをここでも知ることになるのだった。

そして、侍女たちの凄さを知らされるのだった。


~~~ 侍女たちの話 ~~~

 オシャ王女が話していた件だけど、ニルマニ王女はガーナム王太子にかなり入れ込んでいるものね。

 そう言えば、あなた先々月はニルマニ王女についてアークレイリ国に行ったんじゃなかった。

王女が王太子の部屋から出てこなくて楽だったって言ってたわよね。

 そうなのよ、ニルマニ王女は我儘な人でしょう。でも、アークレイリ国にいる時は王太子にべったりで楽なのよね。

 だけど、あれじゃいつ妊娠してもおかしくないくらい、アークレイリ国にいる間は部屋に籠りっきりなのよ。私たちは楽出来て助かるけどね。


 それより、フナフティ国の王太子の件はどうなったの?

あぁ、あれよね。ジーヴァ様がラリタ王女に求婚するつもりが、国王が間違ってニルマニ王女に求婚状を送ってきた件でしょう。

 もう、駄目なんじゃないかしらね。ラリタ王女からしたら間違ってました、すみませんじゃすまない話でしょう。ジーヴァ様とラリタ王女は想いあっているけどさぁ。

 ラリタ王女とニルマニ王女は犬猿の仲じゃない。

求婚状を見せながらニルマニ王女がラリタ王女に、あんたの想い人は私が好きみたいよって鼻で笑って求婚状を見せつけていたでしょう。

 そうそう、あれにはみんな引いていたわね。

ラリタ王女は真っ青な顔で求婚状を握りしめていたし。修羅場だったわよね。

あれから何度もジーヴァ様がラリタ王女のもとに来られているけど、ラリタ王女は頑なに会っていないものね。

 失態を犯したフナフティ国王は謝罪もせず、全部王太子任せだもんね。

新しくラリタ王女宛の求婚状を持って来ているみたいだけど、難しいんじゃない。

 ラリタ王女は3人の王女の中では一番真面よね。頭もいいし機転も聞く。見目も良ければ性格も誠実で信頼できる人だしね。逃がした魚は大きかったわよね。

 此処まで拗れてしまって、あとはジーヴァ様がどこまで頑張れるかしらね。


 それよりさぁ、アークレイリ国のガーナム様なんだけど

私、見ちゃったのよね。あれだけ、ニルマニ王女とやりたい放題なのにアークレイリ国の公爵令嬢にも手を出しているのよね。

私から見ても、どっちが本命ですか?どちらも遊びですか?って感じなのよ。

 えぇーそれってニルマニ王女は知っているの?

まさか、あの癇癪持ちが知ったらどんなことになるか分かったもんじゃないでしょ。

 今は、ガーナム様から言われたとかでスワツール国に行ってるけど、ぼちぼち帰ってくるのかしら?

お付きの侍女はお気に入りばかり揃えて連れて行ってるけど、礼儀作法も怪しい人たちばかりで大丈夫なのかしらね。

ニルマニ王女は、外面は完璧だから大丈夫なんじゃない。侍女も操ってるでしょう。

ニルマニ王女が不在で、私たちは助かっているんだけど。

スワツール国に居座るか、アークレイリ国に嫁ぐか、どうなるんだろうね。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 侍女の情報網と情報量の凄さに驚くばかりだった。

こんなに詳細に事の真相が分かるなんてことがあるのだろうかと思った。

 確かに他国で諜報活動している時も食事係をしていると、兵士達の雑談から重要な手掛かりが得られたりすることがあった。

 しかし、ここまで詳細な情報を聞くことなどなかった。

 本人のそばにいて見聞きする人達こそ、信頼できる人を選んで良好な関係性を築いていかないと大きな失態に繋がる。

 そして、気が緩んで、迂闊なことを口にすることは止めようと再認識したのだった。


 長兄からアークレイリ国に向かうように指示があった。

 王宮を辞する際に、スワツール国にいるニルマニ王女が、急いで侍女の妹を送ってくるようにと命令があったということになっていた。

 短期間しか働いてなかったが侍女達から、貴方の入れるお茶は美味しかったわ。よく気が回るから一緒に働くと気持ちよく仕事が出来たのになど、残念がられながらお別れした。


 侍女達の会話は、魔導具に音声を記録して長兄に送った。



 アークレイリ国には、経理課の文官で雇用された。

何らかの事情があるのか、試験を受けた後に、雇用が決定したから明日から働くようにと雇用契約書を渡された。

 アークレイリ語は、何となく聞き取りはできるのたが、喋ることが難しい。

経理なので帳簿類の処理が出来ればよいのだが、提出書類に不備があると確認作業が必要になる。

定型文を話せるように訓練した。

 文字は日常生活の基礎本で学んでいたから、短文を書くことは問題なさそうだ。長文を書くこともないようなので何とかなるかなと思った。


 アークレイリ国は、国王の代替わりが行われたばかりだった。

君主の死去後に、継承順位1位の王太子がそのまま即位した。

 現国王は、王太子の頃から実権を握っていたと聞く。

即位後は、他国を牽制しながら虎視眈々と併合、領土拡大を狙っているのだろうか。

そして、スワツール国やベラティ国に照準を定めたのだろうか。


 経理課に配属されて何となくアークレイリ国の内情が分かってきた。

 国民については、貴族も平民も選民意識が低いようで、能力があれば平民でも出世ができるようだ。

国民は王家に対して可もなく不可もなくと思っているようだった。期待感も少ないように感じた。

今の生活に不満も満足もないようで、現状維持できていればそれでいいと感じている人が多いように思う。

 社会性でいうなら

主要産業と呼べるものが見当たらない。

例えば、農業は自国が飢えない程度に収穫量がある。

鉱山もあるが、他国へ輸出するほどの量が採掘されているわけではない。

海産物は豊富に獲れるようだが、輸送業が発達していないためその地域のみで消費している。

魔法を使える人がいないため、魔導具の製作を行うこともない。

新たな産業に取り組んでいないため、発展する要素が見当たらなかった。

他国を牽制するほどの軍事力があるわけでもない。

 

 国王が王太子のころから実験を握っていたと聞くわりに、社会全体がちぐはぐに感じる。

一見すると各所は業務を滞りなく行っているようにみえる。

しかし、全体にまとまりがないのは、全体を取り締まる機関が作動できていないからだと思う。


 王太子については、王太子であると自身が言っているだけで、実際の身分は第一王子だった。

第二王子が優秀なのだが、まだ年齢が10歳である。成人したら王太子に任命されるだろう。

それで、第一王子は焦っているらしく、ベラティ国の王女に手を出したり、アークレイリ国の公爵令嬢に手を出して後ろ盾を固めているようだと文官達からの情報だった。


 

 


 

























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