表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛を知る時 ~本当の王妃になるまでに見つけた愛に守られるまで~  作者: 与謝野竜胆


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/49

第二章 ニルマニ王女(2編 噂)

あらすじ

 突然、王命で隣国へ嫁ぐことになった第3王女が、自身の能力を活かしながら活動する中で、周囲の人々と心を交わし愛と幸せを知っていくお話


 第二章にはいりました。

 周囲の人々から優しく時に厳しく生暖かい目で見守られながら、王妃のエルが国王ケレとゆっくりと愛を育んでいきます。

 愛されてこなかった王妃エルが、愛されることの幸せと喜びを知っていくお話です。

 私は誰にも知られないように魔導具を使い変装して王宮を出た。

王宮の中、どこにニルマニ王女の関係者が潜んでいるのか分からないからである。


 長兄から、ナトが第二騎士団の部下を数人連れてスワツール国に向かったと連絡が届いた。

 王宮を出てアウグスリンデ国に向かっていた私の許に、ナトからの伝書魔法鳥が届く。

もう王都の隣町に到着すると魔法鳥が喋って消えた。この連絡方法は本当に便利だが限られた者しか使えないのが難点だ。

 私はナト宛に『そのまま待機』と伝書魔法鳥を送った。

ナトは王都の隣街で待っていた。

打ち合わせをしたいが安心できる場所が分からないため、魔導具で変装した状態で王宮に行くことにした。


 王宮に到着するとマチルダが待っていてくれた。王宮の裏門から入り、私室へ向かう。

 マチルダが、クライスト公爵がお待ちです。急ぎの相談があるようですと教えてくれた。

私室には連絡を受けていたようで、クライスト公爵とディル、ファビ、ライが揃い待っていた。

マチルダ以外の侍女が席を外したところで、私たちは変装をといた。

 ナトを皆に紹介した。ナトの部下は4名いたがそのまま待機してもらった。これから協力してもらわないといけないことが予想されるためだ。

 クライスト公爵からの説明はこうだった。

 噂が拡散されている。内容は『ニルマニ王女は、毎夜、国王の寝室に招かれている。昼間も執務室への呼び出しが行われている。王妃は取り換えが行われるであろう。』

 クライスト公爵が国王に噂の真相を確認したが、全て否定された。しかし、噂を放置していることは宜しくないと忠告したが、国王は意に介さない状況で「信憑性のないことだ、直ぐに落ち着くだろう。噂など否定したところで、また他の噂が広がるものだ。」と言っている。

 

 私から発言をとナトが挙手した。

 スワツール国は、非常に特殊な国だと思います。戦争が起こることも魔獣に襲われることもない。そして国も豊かだ。だからこそ狙われやすい状況でもある。

 アウグスリンデ国は常に魔獣と戦い、必要があれば戦争も行ってきた。そのため諜報活動にも力を入れてきた。エルは非常に優秀な諜報団員だった。

 国が違えば考え方も異なる。他国に警戒態勢を執ったことがことがなければ、今のこの状況が非常に危惧する状態であると考えられないのだろう。他国への同情心はよくないと思う。


 この場所は安全なのか?とナトが私に問うので、遮断魔法をかけ大丈夫だと返事をした。

ナトが、諜報活動で分かったことだが、ベラティ国はフナフティ国以外の国にも狙われている。そして、スワツール国もだ。という言葉を聞いて皆が驚愕した。

 大規模な災害が起こった後は狙われやすというのは鉄則のようなものだ。災害復古に取り組んでいる間は周囲の国に目が行き届きにくい。更に国内力が弱まっているため、他国に付けつけ込まれやすい。

 もう少し調べてみないとハッキリとしてことが分からないが、ベラティ国は、あわよくばスワツール国を取り込むつもりだろう。

 暫くの間は同盟国として我慢して、ニルマニ王女を王妃に迎えさせ後継者させ作れば、スワツール国への介入が簡単になる。ただ、これがベラティ国のみの考えなのか、他国が携わっているのか調査中だ。


 エルは暫くアウグスリンデ国にいた方が安心だと思う。これからベラティ国から狙わる可能性が高い。長兄からエルをアウグスリンデ国に帰し、エルは諜報活動を行いスワツール国を救うことに専念したほうがいいと指示を受けている。

 国王に話すかどうかは皆さんの判断にお任せします。とナトからの話が終わった。


 誰も言葉が出てこない。

ナトが、取り敢えず部下と映像記録魔導具を設置するのでエルを連れていきますと席を立った。私は残るつもりだったが、ナトから急ぎはこっちだからと連れていかれた。

 残された者は協議に入ったようなので、私はナトと変装して映像記録魔導具を設置していった。


 魔導具を設置中にも噂が耳に入るほど至る所で噂話をしている。

ナトが、「その面白い話は本当のこと」とメイドに話しかけると、「ホントも本当、王女様がご自身で執務室へ行った、寝所へ行ったとおっしゃっているんですよ」「あなた、知らないの?王宮に出入りする商人ですら知っているんですよ。最近は市井の人々も知っていますよ。」と新たな情報も教えてくれた。

 ナトが眉毛を下げて、こんなに噂が広がっていて何もしないでいるなんてと、部下たちにボソボソと喋っていた。


 魔導具の設置が終了したが、ナトは暫く滞在することにしたようだ。

 私は通常の王妃業務に戻った。王宮内を歩くと使用人達の表情が、片方は気の毒にといった表情で、もう片方は怒りの表情を向けてくる。

 そうしている内に、突然泥団子が飛んできた。警戒していなかったのでドレスが汚れてしまった。

自分自身、いつの間にか警戒心を怠っていたことに気が付いて愕然とした。

アウグスリンデ国にいた時には考えられないことだった。気の緩みを引き締めた瞬間だった。

 それからは、毎日のように泥団子が投げつけられるようになった。

初めは1個が、2個3個と増えていった。警戒しているが、王妃が瞬発力良く避けるわけにもいかないので手で払っていた。

 そして、泥団子の中に石が混ざっていたものがこめかみに当たった。ゴツという音と痛みと流れる血液と誰かの悲鳴が聞こえた。

 何故かナトが一番に駆け付けてくれた。大丈夫だと伝え傷口を手巾で抑えながら私室に急いだ。


 ドクターバーナードとナンシーが駆けつけてくれた。

傷口が汚いので洗浄して縫合してくれた。

ナンシーが非常に怒ってくれて、こんなことになったのも国王のせいだと騒いでいた。

ドクターバーナードも噂がどんどん助長されている。このままでは良くない。この際、国王からハッキリ事の真相を話してらったほうがいいと言ってくれた。


 怪我の処置が終わったころに国王が訪れた。

ドクターバーナードから状況と怪我の具合が説明された。噂を放置しすぎていることが問題だとも言ってくれた。

 国王が、「エル、初めに泥が投げられた時に何故相談してくれなかったんだ」と言葉を発すると、周囲にいた者が一様に呆れたような表情になった。


 続けて国王が、怪我は縫合したと聞いた。傷跡は残るだろう。綺麗な顔に傷が残るようなことになり申し訳ない。噂と今回の怪我が繋がっているか定かではないが、至急調査を行い犯人は厳重に処罰していく。と言って噂を否定すると言わなかった。


 私は、国王、一つお聞きします。噂を否定されないのは国王にお考えあってのことでしょうか?と聞いてみた。敢えてケレとは言わなかった。

 国王は、噂を否定したところで次の噂が出る。否定する意味があると思うか?と反対に聞かれた。

 私は答えた。今回の噂について一番大きな問題は、国王の寝所へニルマニ王女が毎日通っているということ。そしてそれを王女自身が口にしており、更にメイドがその時の状況を見ているということです。否定しなければそれが正しいということになるでしょう。王女に何かあれば国王は逃れることができなくなるということをお分かりの上で否定されないのでしょうか?


 黙って腕を組んで聞いていた国王は、毎日寝所に来ると言っても、中に入る訳ではない。初めのころこそするりと入られたことが何度かあった。最近は、本人に何度も注意してドアを殆ど開けないようにもして即刻帰らせている。それでも否定が必要か?


 反対に何故否定しないのか?否定できない何かがあるのか?そう疑われても仕方ない。此処にいる者ですらそう感じることが何故伝わらないのか分からない。

 否定する気がないのに、皆が進めるからと否定したところで何も変わらない。

本人が否定する気持ちにならなければ伝わることなど何もない。


 この話は、本人が事の重大性に気が付かない以上、話をしても無意味だと私は判断をした。

ナトからは、もう少し話をした方がいいのではないかと言われたが、これ以上話すことがあるとは思えなかった。


 法務大臣や外務大臣は、ファビやマチルダ、ディルなどから噂の出処や思惑などについて知らされているので、秘書官や文官達も心得た態度を保っている。

 しかし、噂をしてる者達がメイドや女官といった王宮内を隈なく歩き話をする者達なので、噂が沈静化することがない。

 私が自作自演で怪我をしたという者まで出てきた。

国王が調査をすると言っていたが、国王の執務室には毎日ニルマニ王女が訪れ、皆を労い、王妃はお労しいと言っているためニルマニ王女の側近を疑う者もおらず一向に進展がなかった。


 国王とのお茶の時間はニルマニ王女がいるので出来ていない。

 ナトから長兄からアウグスリンデ国に帰るように指示があったがどうするかと聞かれていた。

国王にニルマニ王女が帰った後に連絡してくれるように依頼文を送っていた。

数日後にやっと返事があった。ニルマニ王女が帰ったので来てくれて構わないという。

国王の寝所に行くことは抵抗があった。しかし、私の感情など関係ないとねじ伏せた。


 国王の寝所に入り、できればソファーのある所で話たいというと隣の部屋に案内された。

寝所にもソファーがあるが、続き部屋は蔵書がたくさん並べられた図書室のような作りになっており、とても落ち着いた。

 話は時間を要するが大丈夫か確認した。

国王は、エルに時間を割くことはやぶさかではないと笑って答えた。


 


 









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ