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第一章 変化

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この作品には 〔15歳未満の方の閲覧にふさわしくない表現〕が含まれています。性的描写や暴力的な描写が含まれています。

苦手な方はご注意ください。


あらすじ

 突然、王命で隣国へ嫁ぐことになった第3王女が、自身の能力を活かしながら活動する中で、周囲の人々と心を交わし愛と幸せを知っていくお話

前半は恋愛観はほとんどありません。後半からです。

 私の少し複雑な生い立ちを数日間に分けて聞いたドクターバーナードは、なかなか戻らない私の体調を気遣い自国の生活スタイルで過ごすように提案してくれた。それは、医者として必要なことだと判断したから私の夫になったスワツール国王ケイレブ・ヤハウェ・スワツールにも申し入れをしてくれて承諾も得たということだった。

 1ヶ月を過ぎても元の生活ができるまでには至らず、試しに私は誰もいない時間にこっそりと魔力使ってみることにした。私の元いた国であるアウグスリンデには魔力持ちが存在しており、私も魔力を持っていたので生活の中で魔力は当たり前のように使用していた。

 スワツール国には魔力持ちがいないようで、魔力を持たない者は魔力持ちに気づくことがないようだった。それでも用心のため魔力の放出は最低限に抑えて生活を送ることにした。細かな操作になるが微量の魔力を全身に巡らせると活力が湧くようになり、回復が早くなってきた。治癒魔法が使えるが傷跡はそのままにして、魔法のことは知られないようにした。ドクターバーナードからも完治でよいとお墨付きをもらえたのは2ヶ月を過ぎたころだった。


 私が魔法を使えるようになったのは5歳の時だった。公爵家では戸籍上の兄が3人いて私と一番年が近い3番目の兄との年齢差は6歳だった。私は兄たちを名前で呼ぶように教えられていたので、3番目の兄をレナートと呼んでいた。レナートだけが少ないながらも私に関りを持ってくれていた。周りから「天真爛漫といえば聞こえはいいが、自由奔放なだけのお調子者だな」とよく言われていた。私に「エル、なんで食事が少ししか食べれないんだ?もっと食べないと大きくなれないぞ。今日はお客さんが持ってきたお菓子を1個取って来たから食べよう。今日のお菓子はチョコレートケーキ、この世で一番好きなチョコレート」変な歌を歌いながらクスねてきたであろうケーキを一口食べる。「あー何て美味しいんだ!今までで一番おいしいかも。エル、一口食べてみるかい。」そう言って一口のケーキをフォークに刺して私に差し出してくれる。「エル、美味しいよ。だけどね、この一口を食べたら、美味しいですが私はもういいので後はお食べになってって言ってね。」という。なので私は一口食べて「美味しいですが、あとはお食べになって下さい。」というと、すごく嬉しそうに残りのケーキを食べて「今日もチョコレートのおかげで幸せです。」という人だった。その後で叱られても「この間さ、叱られたけど食べてしまった物は仕方ないよね。怒られている間、神妙な顔をしながら楽しいことを考えるのは難易度の高いことなんだよ。」というような人だった。

 そんな兄が、魔物討伐に初めて参加した時に、想定外に非常に多くの魔物の群れに襲われ、背中に大きな傷を負い瀕死の状態で公爵家に運び込まれた。呼びかけても返事をしないレナートを診察していた医師が「残念ですが非常に危険な状態です。」と家族に説明した。私はレナートの手を握り『治れ、治れ、治れ』と強く願った。どのくらいの時間が過ぎたか、レナートの身体がぼんやりと発光したようになり金色の光に包まれた。私は、グラグラと頭が揺れ始めたがどうしていいのかわからなかった。長兄が「エル、もう止めろ」といって後ろから抱え込むようにして私をレナートから引き離した。気を失った私は1週間意識が戻らなかったらしい。気が付いた時には、レナートはすっかり元のレナートに戻っていた。「エル、ありがとう。治癒魔法が使えたんだね。エルがいたから助かったんだよ。これから、エルを守れるくらいに強くなるよ。」と言って真剣に鍛錬に取り組むようになった。その後私は、魔法を学ばないと危険だと言われ、魔法の勉強を中心に戦術を磨いていった。長兄は兄弟の中でも魔力量が多く、魔法の種類も使用方法も長けていたので私に指導をしてくれた。王族の血を引いていた私は魔力量も多く、特に治癒魔法は、ほとんどの傷や病気を直すことができた。

 

 ずっと側で支えてくれたナースの3人とドクターが離れていくことに寂しさを感じていた頃、これからの事を話し合おうとケイレブ・ヤハウェ・スワツール国王から執務室に来るようにと呼び出しがあった。執務室を訪ねると国王から初夜の件について謝罪をされた。一国の国王が謝罪をする必要はないと告げると王妃とは対等の立場である、間違った行いは謝罪するべきだと言われた。ドクターバーナードから国王には診察で聞いた話は全て伝えてよいか確認されたので、隠すような内容でもないので承諾をしていた。 

 国王からは、私の元いた国の第一王女からの手紙を見せられた。そこには、私が我儘で淫乱で金遣いが荒い悪行の数々が並べ立てられてており、どうしようもない人間であるがよろしくお願いしたいという内容が記載されていた。これは誰のことを書いているのか?妄想と虚言を書いてどうしたいのか?と考え込んでしまうほどにまるで真実のように嘘が書き連ねられていた。第一王女の真意は定かでないが、文面から読み取るに王女自身が嫁ぎたかったようであり、私について手に余るようなことがあれば連絡してほしい、父親である国王には進言し自分が代わりに嫁ぐと締めくくられていた。

 今後の希望を聞かれたので、国王が第一王女を伴侶に望むのであればそのように取り計らっていただいてもよいが、私は自国には戻ることができないので文官として働かせてもらいたい。勿論、公正な手順で雇用試験を受けさせてもらい合格すればの話であるがと希望を述べた。国王は暫し思案した後に宰相補佐官の1人であるディルク・アイスラー侯爵令息を紹介された。彼は外交官をしており今は北側に位置するオーレンスト国との交易に尽力をしているという。できれば彼と共にオーレンスト国との良好な国交がなされる様に交易拡充に従事して欲しいと提案された。

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