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第一章 再びアルドアルへ(1編)

あらすじ

 突然、王命で隣国へ嫁ぐことになった第3王女が、自身の能力を活かしながら活動する中で、周囲の人々と心を交わし愛と幸せを知っていくお話


前半は恋愛観はほとんどありません。後半からです。



 ケレは、会議の日以降から仕事が一段落する深夜近くに私の部屋を訪れてくれるようになり、お互いにその日にあった出来事を話すようになった。疲れている様子で疲労回復の薬を飲むこともあった。私は試しに、ケレに気持ちの落ち着くブレンド茶を飲んでもらい、私のベッドに横になってもらい手を握った。ケレが分からないことを確認しながらそーと眠くなる魔力を流してみた。疲れているケレは直ぐに眠ってしまった。ケレの話だと4時間寝ればすっきりして翌日に疲れが残ることはないと聞いていたので、4時間したら声をかけて起こそうと考えていた。

 ポーション(疲労回復薬)を飲んでもいいのだが、根本的な解決にはならない。ケレのように余り休養をとらなくても身体を酷使することに慣れてしまい悪循環に陥ってしまうので、この機会に休養を取ることを身体に覚えてもらおうと思った。4時間後にケレを起こすと自分の部屋以外で眠ってしまったことに驚いていたが、身体の調子が良くなったことも分かると笑った。暫く続けさせてほしいとお願いすると快諾してくれた。

 それから、執務中の休憩時間に私が作ったケーキやクッキーなどを持っていくと喜んでくれた。特にブランデーケーキとジンジャークッキーがお気に入りのようだった。王宮にいる時間が限られているから、できるだけのことをしたいと思った。


 そろそろアルドアルの街に行く時期が近付いていた。ケレの疲れがどうにかなるまでと思っていたのだが、大臣方が訪問に意欲的で準備を急がないといけなくなった。ディルが先に行って様子を知らせようかと提案してくれたが、迎賓館以外にも宿泊施設の建設や新しい温泉施設を作りたいと考えていたので、早い段階で行くことにした。そんな時だった、ライの幼馴染の侯爵令嬢が訪ねてきた。4人でアルドアルの街に行く日にちを考えている時だった。

 プランゲ侯爵令嬢は名前をエリーゼと名乗った。年齢はライと同じ22歳。彼女は、アルドアルの街の迎賓館でオーレンスト国の外交官の対応をしてくれるメイドを探していたときに、ライが幼馴染の同級の侯爵令嬢に相談し、彼女の友人が6名ほど協力してくれることになったときの侯爵令嬢である。

 ライを訪ねてきたのかと思ったが、彼女はディルから仕事を学びたいと希望を語ったのだった。ディルは、ライの手前もあるしメイドを紹介してくれた恩もあるから断りにくそうにしていたが、「大変な時期に貴重な人材を融通してくれたことに非常に感謝しています。私から仕事を学びたいと希望されていますが、私は宰相補佐で外交の仕事をしています。学ぶのであれば、先に行政官の試験を受けて合格して下さい。それからなら考えようと思います。申し訳ありません。」とはっきり断った。

 彼女が顔色を悪くして、部屋を出て行ってしまってから居心地の悪い雰囲気になった。私はライに、付き添わなくても大丈夫なのか?と話しかけると、「ライに相談があった訳じゃないし、直接押しかけてくるのも非常識だろう。ディルも言いにくいことを言わないといけなくなってしまったし。このままにしておくのが一番だと思う。」とファビがいった。

 ライがいうには「侯爵家には抗議文を送るよ。だけど期待しないでね。彼女のご両親は彼女に甘いんだ。彼女はあの見た目だろう、悪い子じゃないんだが、これまで自分の思い通りになることが多くて、望めば叶えられると思っているんだよね。周りも彼女に協力的だしね。何ていうのかな、懐に入るのがうまいというのかな、彼女がお願いするとやってみたい!とかやらせてもらおうか!という協力しようという雰囲気づくりができるんだ。アカデミーの友人間だけなら良かったんだろうね。」

 私が「あの見た目ってなに?」と聞くと3人が、「ねぇ、国王を見てどう思う?容姿限定だからね。」という。容姿ねぇ、私:「背が高い、執務室にいることが多いのに鍛えられた筋肉をしている。姿勢が綺麗で所作が洗練されている。動きにむだがない。」ファビ:「エル、顔はどう思う?」私:「顔?」ライ:「僕たちを見て、国王を思い出して、どう思う?」私:「表情が少ないとか?あっ、アウグスリンデの人より彫が深いかもしれない。」と答えると3人が残念そうな視線を私に向けた。

 3人がいうには、国王の顔は、眉目秀麗とか容姿端麗と表現されるほど顔全体が整っていて美しいと言われていおり、3人もかなり顔立ちが整っていると言われているそうだ。アウグスリンデ国で私が教えられたことは、戦術向きの身のこなしがどのような動きなのかとか、王妃教育では気品のある優雅な立ち居振る舞いができるとか表情のコントロールができるとか、評価の基準がそういうところだった。好みの顔とかないか?と聞かれたがよくわからなかった。

 プランゲ侯爵令嬢は、小さな顔に大きく丸い目とぷっくりとした唇で、庇護欲を誘うような顔立ちをしているということだと教えられた。

 人の観察が楽しいと言っていただろう、表情や顔の作りもしっかり見て好ましいと思う感覚や感情を持ってもいいんじゃないかとディルから教えられた。


 5日間の鉄道の旅を経てアルドアルの駅舎に到着した。駅前は新しい建物が立ち並び賑わいをみせていた。商会や商店に百貨店も出来ており、商店は飲食店や雑貨店など店舗形態も細分化されている。役所の職員がきちんと目的・目標を理解して仕事をしているようで、建物はアルドアルの街の景観を損なわないような調和を考慮した設計になっている。

 迎賓館に向かって馬を走らせた。到着するとバトラーで短期の雇用契約をしたが、転職して迎賓館職員になった男性が迎えてくれた。ディルとファビとライのアカデミーの先輩だった人で、3人はくだけた様子で和やかに会話をしていた。彼は元々王宮で財務局長をしていた人で、家族のためにアルドアルに移り住んできたということだった。迎賓館の現状を確認するためにハドルルームへ集合した。

 私たちを迎えてくれた男性の名前はハインリッヒ・ラスベと名乗った。由緒正しい伯爵家次男で26歳、現爵位は子爵で、家族は奥さんと子供2人、下の子供さんの療養のために転職と転居を決めたそうだ。

 彼から迎賓館の現状説明が行われた。お迎えする客人がいないので最小限の使用人で施設管理を行っており、ディルから館長職を預かっているハインリッヒさんの他に施設管理スタッフが男性3名、清掃や寝具管理などを行ってくれるアテンダントの女性が4名、コックのケビンが職員の食事を担当してくれていて、ニールスは一旦国に帰り移住に向けて準備をしているということだった。

 オーレンスト国から国王夫妻と外務大臣夫妻をお迎えする前にスワツール国の要人をお迎えすることになった。部屋数などから最大収容人数が知りたい。ただ、貴賓室と特別室は国王夫妻に最初に滞在してもやいたいので数に入れないでほしい。マルティンとアンゼリカに迎賓館の隣に鴻臚館を建設してもらえるだろうか、相談してみると提案した。

 大臣を迎えるとなると施設職員がかなりの人数になる。オーレンスト国からの客人をお迎えすることを考慮するとオーレンスト国からも希望者を募ったほうがいいかもしれない。これから他の国との外交を考えると優秀な人材が欲しい。時間もlないのでハインリッヒさんと連携しながらディルとファビは、求める人材像や必須スキル、採用計画や告知に面接と職員募集全般を担ってもらうことにした。私は施設の建設に携わる。鴻臚館の建設も行うが、温泉施設の充実も図りたい。農業研究室の施設の進捗状況を見て介入が必要ならサポートしていく。ライには、商会との取引全般を受け持ってもらう。商会とは交渉事が続くので補佐が必要なら信頼できる人に加わってもらっても構わないということになった。毎日の打ち合わせを欠かさずに行うことを約束して解散した。

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