表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Until the end   作者: The one
6/9

Arc 1 ― 第6話--マロスが来る

重要なお知らせ:前の章を少し変更したので、特に最初の部分を再度確認することをお勧めします。




マックスはそっと近づいて、トーマスが誰と話してるのか覗いてみた。




突然、トーマスがマックスを見つけた。




「ちょっと、失礼」




慌てて後ろに下がったマックス――その瞬間、背後に扉がパッと現れ、転がるように中に落ちてしまった。トーマスが手を伸ばす前に、扉はガシャンと閉まった。




「何も見えない…ここ、どこだ?」




部屋はほとんど真っ暗で、ほんの少しだけ小さな窓から光が差し込んでいた。マックスはそこに眠っている生命の女神に気づいた。




「…ここだ。どうやって起こせばいい?」




そっと近づいてみたが、床に散らばった服に足を取られ、バランスを崩して…女神の胸元にドサっと倒れてしまった。




「うわっ!こんな予定じゃなかったのに!」と心の中で叫んだ。




女神は飛び起きて、目を見開いた。




「ここはどこ!?何が起こってるの!?」




マックスが自分に覆いかぶさっているのを見て、パニックになった彼女はマックスを反対側へ投げ飛ばした。マックスは痛そうにうめいた。




「ご、ごめん!わざとじゃ…あ、あなた確かマックスだよね?さっき一緒に戦った」




マックスは頭を押さえながら、少し痛そうに言った。




「ああ、僕だ。こんな起こし方してすまない。運命の女神に頼まれて起こしに来たんだけど、服に足取られて…」




エミリーは少し混乱した顔をして、やがて理解したようだった。




「なるほど、アンバーのことね。あなたが来てからどれくらい経ったの?まだ誰も私たちの名前を教えてくれてないの?」




「トーマスは教えてくれたけど、神様の名前で呼ぶのってまだ慣れなくて」




エミリーは軽くこめかみを押さえた。




「私はどれくらい寝てたんだろう?今、どこに向かってるの?」




「たぶん『新神々の宮殿』だと思う」




「ああ、そうだった。あなたをネオのところに連れて行くんだ。彼女がこれからどうするか決めてくれる」




「どうするって?」




「トーマスがまだ『あの説明』をしてないの?うーん、彼が一番上手なんだけど」




「みんな『あの説明』って言うけど…トーマスが少し説明してくれたけど、途中で呼ばれて行っちゃって」




「私はあんまり上手くないけど、やってみる」




エミリーは深呼吸してから言った。




「えーと…昔、ヤハウェっていう神がいて、その神は死んだんじゃなくて、殺されたの!しかも…仲間に。終わりの神だったかな?ああ、でも待って、違う、実際はヤハウェも殺し返したのかも…でもその後、他の神々とか人々が復活したりして。その間に終わりの神が巨大な帝国を作って、古い秩序を壊そうとして…。ヤハウェが死んだ後、全てがバラバラになって、多くの神々が自分の世界を作って行ったんだ。でも今、私たちが戻ってきたから、ネオがどうするか教えてくれるんだけど…それがどうなるかは誰にもわからないよ」




「えっ、もう一度言ってくれる?」




エミリーは少し恥ずかしそうに顔を赤くした。




「だから、トーマスに任せたほうがいいって言ったのに!私が話すとこんがらがる!」




「大丈夫、気にしないで。複雑な話だから君のせいじゃない」




〈新神々宮殿に到着〉




壁に扉が開いた。




「マックス様、どこにいらっしゃったんですか。『あの説明』が終わってなくて申し訳ありません。ですが心配しないで――理解を深めるためのより良い方法を用意しました。エミリー、起きてくれてよかった」




マックスの背後にアンバーが現れた。




「彼女は外で待ってる。行かなきゃ」




「あ、そうだ。マックス、まだ話してなかったけど――君のプロフィールを変更した。君は『半神半人』で、新帝国の捕虜として私たちに救われたって設定にした!」




「ちょっと、オーバーじゃない?」




「心配しないで。誰にもバレないよ。あ、アンバー――マックスには君の力を使ってもらわないと。まだ酸素なしでは生きられないから」




「冗談でしょ。だからこんなに暑かったの?」




「アンバー、もしマックスが死んだら困るだろ?」




「『死んでたかもしれない』だろ」




「君の力を使うってどういうこと? 空気がなくても生きられるようになるってこと?」




「その通り。君の力は無限の可能性を持っていて――宇宙でも呼吸できるかもしれない。だけど、あまり怒らせたくなかったから、まず船内の圧力を調整しておいた」




衛兵が現れた。




「閣下、ネオ様がお待ちです」




トーマスは冷静に頷いた。




「今行く。心配しないで」




出口に向かって歩きながら、マックスはふと思った。




(どこにでも扉を開けられるなら、どうしてこの船にはドアがあるんだろう?)




「マックス様、今学んでください――私たちは理由なく動かないんです。あなたがまだその理由を知らないだけです。あるいは…ただかっこいいからかもしれませんけど」




外に出た瞬間、マックスは軽さを感じた。目の前に広がるのは、想像を超える宮殿――断崖の上に立ち、雲の上に広がる都市群、空を飛ぶ神々。




(これが天国ってやつか。誰もが憧れる場所だ)




でも、背の高い女性がその静寂を破った。




「随分と時間をかけて来たわね、創造の守護者たち」




トーマスは軽く会釈した。




「申し訳ありません、ネオ。この『半神半人』を確保するのに手間取りました」




女性はマックスをじっと見て、近づいてきた。




マックスは眉をひそめた。




「何か用か?」




女性は薄笑いを浮かべて言った。




「半神半人…ねえ」




(この女性がヤハウェの後継者なのか?)




「来なさい。あなたたち全員、特にあなた『半神』と話したいことがたくさんあるわ」












その頃、別の世界では…。




ひとりの少女が気を失って倒れているところに、ねじれた怪物がよだれを垂らしながら近づいていた。まさに噛みつこうとしたその瞬間――闇の中に足音が響く。




影から現れたのは、毒のような紫髪をした女。目は仄かに光っていた。




「ここに隠れてたのか、ソフィア。正直、あいつらに殺されたかと思ってたよ。まあ、情けをかけられたみたいだけど…馬鹿だね。まだ寝てるんだ?なら、美容のための昼寝から起こしてやるよ。」




そう言って、迷いもなくソフィアの脇腹を蹴り飛ばした。




「っ――!?」


ソフィアは息をのんで目を覚まし、咳き込んだ。




「こ…ここは…?何が起きてるの…?」




「本当に覚えてないの?まあ…あたしでも、あんな負け方したら忘れたいって思うだろうね。」




ソフィアの目は見開かれ、顔は青ざめたまま、状況を飲み込もうとしていた。




「ど…どうしてここにいるの…?」




「どうしてだと思う?“終焉の神”がアンタと話したがってるんだよ。かなりヤバいってこと。」




女は楽しそうに笑いながら、目を細めた。




ソフィアは怒りをこらえながら立ち上がる。




「意味がわからない…!私は何度も“創造の守護者たち”と戦ってきた。でも…あんなふうに力を抑えられたことなんて、一度もなかった。なのに、“終焉の神”だけは…あんな簡単に…そんなの不公平よっ!」




「文句は本人に言いな。あたしはただのメッセンジャーだから。」




そう言って、彼女は空を見上げ、誰もいない空間に話しかけた。




「見つけたよ。もう転送していいよ。」




一瞬の光の中、二人の姿は神聖な輝きと共に消えた。




---




再び現れたのは、超未来的な高層ビルの最上階のような場所。


彼女たちの前には、エメラルド色の目をした金髪の女性が、無表情で立っていた。




「ありがとう、リリス。ソフィアを見つける手助け、助かったわ。」




「はいはい。じゃあ、もう私の世界に戻っていい?」




「ええ、もちろん。」




リリスはソフィアを小馬鹿にしたように笑った。




「頑張ってね、ソフィア。私は絶対、アンタの立場にはなりたくないけど。」




そう言って、くるっと踵を返し、リリスは去っていった。




そして――雷のような衝撃がソフィアの胸を打つ。




「私…あなたたちの言う通りにやったのに!悪いのは私じゃ――」




その瞬間、無表情の女性が彼女の言葉を遮る。




「…来て。話す場所がある。」




二人は無機質なエグゼクティブルームのような部屋へと入った。


その中心に座っていたのは、闇のような黒髪を持つ、身長二メートルを超える男。


力強い体つきだが、書類に目を通す姿は落ち着いていた。




「ソフィアを連れてきました。」




男はゆっくり顔を上げ、ソフィアを見つめた。




「ありがとう、ヒカリ。どんな時でも君は信頼できる。」




ヒカリは扉を閉め、男の右側に立った。




ソフィアの心臓は、人間の限界を超えるほど激しく脈打っていた。




「さて、ソフィア。任務は失敗に終わったようだね。何か弁解はあるかい?」




突然、ソフィアの怒りが爆発した。




「失敗…?失敗だって!?アンタは知ってた!あの星で何が起こるか、全部知ってて送り込んだんでしょ!?迷いもなく!私の命なんて、ただのコマ扱いだったんだ!警告もなければ、準備もなし!無理矢理投げ込んで、あとは見てただけ…なんで!?どうして私がそんなアンタに従い続けなきゃいけないの!?裏切られたんだよ、私は!アンタが私を見捨てたんだよ!」




「落ち着け、ソフィア。自分の立場を思い出せ。」




「落ち着けるわけない!なんでこんなことしたのか、説明してよ!私は…アンタを信じてた!計り知れない力をくれるって約束してくれたじゃん!なのに――私を、ただの使い捨て人形みたいに……!なんでトーマスは、私の力を無効化できたの!?そんなの今までなかった!アンタ、知ってたんでしょ!?なのに送り込んだの!?」




“終焉の神”はゆっくりと立ち上がり、隣のテーブルに歩いてグラスに酒を注いだ。




「ソフィア、本当に“終生の者エンドボーン”になりたいなら、かつて何百万年も前に使われていた借り物の神力なんかじゃ、全然足りない。」




「私は…私はヤハウェを倒したのよ!アンタ、私を甘く見すぎっ!」




ソフィアは完全に壊れたように笑いながら、背後に二つの巨大なゲートを開いた。




「アンタもここで死ぬのよ!!」




「…失望したよ、ソフィア。本当に、君はもっと賢いと思ってたのに。」




突如としてソフィアは頭を抱え、苦しみ出した。




「な…何これ…?」




手元を見たその瞬間――ソフィアは跡形もなく消えた。まるで最初から存在していなかったかのように。




“終焉の神”は平然と酒を飲み、ヒカリの方へ向き直った。




「マロスに伝えてくれ。“地球を滅ぼせ”と。」




ヒカリは眉をひそめた。




「よろしいのですか、我が主?“創造の守護者たち”は常にそこにいるとは限りません。」




「心配ないさ。あいつらは来る。特にヤハウェはね。彼はいつも…必要な場所に現れる。」




「かしこまりました。すぐにマロスを召喚します。」




「本当に残念だよ…自分で行けたらよかったのに。」




---


これは私のTwitterです、フォローしたい方は@KuraiSeijiをどうぞ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ