第3話「技」
「今日は良い日なら、明日はもっといい日になる」
ルロロー・クナ
「このバカ弟子共がぁぁぁぁぁぁぁ」
なんと中から出てきたのは2人の師匠であり、このレナード商店の店主、レナード・アイクそのものであった
「うんぁぁぁだぁぁぁ!!!」
アルトは情けない叫び声を出す
「出たな銭ゲバモンスター!俺の石で弾き飛ばしてやる!」
怯まずにザインは腕を突き出す
「とりあえず、中に入れ!」
レナードは2人の腕を掴み店の中に引き込む
「で、さきにお得意さんのお店で暴れてきたのはどっちだ?」
「どっちもヨ、アタシのお城であんなに熱い踊りを出来るなんて中々やるじゃないノ」
店の裏から裏声の様な鐘のように響く低い声で女性のような声を出す大男が出てきた。
その様子を見てアルトとザインはひっくり返り、レナードは頭を抱えていた。
「"また"来たのかお前」
その男は腰に手を当てながら扉を開けカウンターに腰掛ける
「筋骨隆々の体には似合わないエプロン姿ッスね、、、。」
ザインがぼそっと言う
「ウフフ、ほんっとに素直じゃないわねザンは」
その大男は投げキッスをザインに飛ばす
「いつ来たんですか!?さっき僕らが行ったのに僕らよりもこの店に来るのが早いなんて」
後ろを少し見るように振り返り男は口を開く
「女には、秘密を聞かないのが紳士よアル?」
アルトに近づき指先でアルトの頬を撫でる
「何が秘密を聞かないのが紳士だよ、この前偶然作れた石だろ、」
レナードは呆れたように言う
「酷いわよレナー、女の秘密を言うなんて」
いつの間にかリンゴを持っている大男がレナードに言う、リンゴは潰れそうだ
「お前は男だろうが!」
ザインがまたボソッと言う
「あ"?なんか言ったかしら?」
リンゴが潰れた
「いえ、なんでもないです、、、。」
ザインはたじろいで言う
「そうだ、忘れてたわ」
パチンと指を鳴らしその手からふたつの封筒が現れた。その一瞬の出来事に2人は見入っていたハズなのにっと思っていたのだがその一瞬の出来事は瞬きの速さを超えていた。
「これは、貴方たち2人とあの子には私が別に渡しておくわ」
また指をパチンと鳴らすと手紙が一瞬で手元に現れた。
「街の道化師より道化師やってんな」
フフフと笑ったその顔からはあまりにも似合わない服装が目に入って内容が頭に入らないが、その手紙には【ヒノア王国 調査届】と書いてあった。