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ルカの会計修行記-簿記修行編-  作者: ようつうぱぱ
簿記の塔〜仕訳の頂を目指して〜
4/17

「現金管理の落とし穴」

 損益計算書の試練を見事に突破したルカは、次の階層へと足を踏み入れていた。塔の奥へと進むたびに、試練の内容はますます実務的になっていく。今度は、簿記3級の実務の基本とも言える現金管理に関する試練が待ち受けているらしい。


 ルカが現れたのは「現金管理の部屋」と呼ばれる場所だった。薄暗い部屋の中には、古びたカウンターや無数のレジスターが並んでいる。ここでは、実際に現金を扱う取引の管理を学ぶ必要があるようだ。


「いよいよ現金管理ね。この試練では、現金出納帳の作成を学んでもらうわ」


 ルカの隣に再びカリナが現れ、彼に微笑みかける。


「現金管理は、簿記3級の試験で非常に重要なテーマよ。企業の現金の出入りを記録する現金出納帳は、実務でもよく使われるから、しっかり覚えておきなさい」


 カリナの説明を受け、ルカは現金管理がいかに大切かを実感する。現金の入金や出金を間違いなく記録することは、企業の財務状態を正確に把握するために必要不可欠だ。


1. 入金管理の扉


 ルカは「入金管理の扉」に向かう。扉を開けると、そこには大きな金庫が置かれていた。カリナが説明を続ける。


「現金の入金とは、現金が増えることを意味するわ。売上や借入金の受け取りが該当するの」


•問題: ルカの商店が2000円の商品を販売し、現金を受け取った。この取引を仕訳し、現金出納帳の入金欄に反映させよ。


 ルカは素早く考え、仕訳を記入する。


借方:現金 2000円

貸方:売上 2000円


 さらに、現金出納帳に次のように記入する。


【現金出納帳】入金:2000円(売上)


「そう、それで正解よ。現金の増加は必ず『借方』に記録するのがポイントね」とカリナは満足そうに頷く。ルカは、現金の入金に関する理解を深めながら、次の扉へと進んだ。


2. 出金管理の扉


 続いてルカは「出金管理の扉」に進む。扉を開くと、今度はレジスターが並んでいる部屋だった。カリナは説明を続ける。


「出金は、現金が減ることを意味するわ。仕入代金や家賃の支払いなど、現金が出ていく取引ね」


•問題: ルカの商店が仕入代金として1500円を現金で支払った。この取引を仕訳し、現金出納帳の出金欄に反映させよ。


 ルカはすぐに仕訳を記入した。


借方:仕入 1500円

貸方:現金 1500円


 そして、現金出納帳に次のように記入する。


【現金出納帳】出金:1500円(仕入)


「完璧よ、ルカ。現金の減少は『貸方』に記録することを忘れないでね」とカリナが言う。ルカは現金の出金管理を理解し、次なる試練へと向かう準備を整えた。


3. 現金過不足の扉


 最後の扉は「現金過不足の部屋」だった。カリナは、この部屋に入る前に重要な説明をする。


「現金管理では、現金の出入りが帳簿と一致しないことがあるの。それが現金過不足。過剰や不足が生じた場合、それを正しく処理することが必要よ」


•問題: ルカの商店で、現金出納帳上では5000円あるはずの現金が、実際には4900円しかないことが判明した。この場合、現金過不足の仕訳を行い、現金出納帳に反映させよ。


 ルカは難しい問題に直面し、しばらく考え込んだ。しかし、彼はすぐに答えを見つけた。


借方:現金過不足 100円

貸方:現金 100円


 さらに、現金出納帳に次のように記入する。


【現金出納帳】出金:100円(現金過不足)


「正解よ!現金過不足の仕訳は難しいけれど、実務ではよくあるケースなの」とカリナが拍手する。これによりルカは、現金の管理における最後の試練を乗り越えた。


エピローグ


 現金管理の落とし穴を見事に突破したルカは、現金出納帳の作成や現金過不足の処理に関する理解を深めた。これにより、彼はより実務的な簿記の知識を手に入れた。


「次は、売上と仕入れの試練ね。さらに深い簿記の世界が待っているわ」


 カリナの言葉に、ルカは力強く頷く。「どんな試練でも乗り越えてみせる!」と決意を新たに、塔の階段を再び上り始めた。


 第4話では、簿記3級の実務的な知識として現金管理について取り上げました。現金管理は、日常的な会計業務で最も基本的かつ重要なスキルです。現金の入金や出金を正確に管理することで、会社の財務状況を正しく把握できるようになります。


【現金出納帳の役割】


 現金出納帳は、現金の出入りを記録する帳簿です。企業活動では、売上や仕入れの支払いだけでなく、経費の支払いなど様々な現金取引が発生します。これを毎日記録しておくことで、現金の流れを一目で把握することができます。簿記3級では、現金出納帳を正確に作成する力が求められるため、基礎をしっかりと押さえておきましょう。


【現金過不足の処理】


 現金過不足は、実際の現金残高が帳簿と合わない時に発生します。原因としては、レジの計算ミスや支払いの記入漏れなどがありますが、企業の実務でもよく見られるケースです。過不足が見つかった場合には、すぐにその差額を仕訳し、現金過不足勘定として記録することで、正しい帳簿管理を保ちます。特に、簿記3級の試験でもこの処理はよく出題されるため、しっかりと理解しておくことが大切です。


【物語を通じての理解】


 ルカが「現金管理の落とし穴」を乗り越えたことで、現金の出入りや管理の難しさが具体的に伝わったのではないでしょうか。日々の会計処理は地道な作業ですが、基礎がしっかりと身についていれば、複雑な会計処理にも対応できるようになります。物語の中で、ルカと一緒に現金管理のスキルを楽しみながら習得してくださいね!


 第5話では、ルカが「売上と仕入れの戦い」に挑み、売掛金や買掛金について学んでいきます。さらに簿記の奥深さに迫る内容になっていますので、ぜひお楽しみに!応援よろしくお願いいたします!

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