表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/61

vs 自称勇者 sideフウジ

 

 こいつは何を言っているんだ?魔王(ソラ)を討伐する?しかもソラに面と向かって何度も何度も。


 しかも何だよそのソラを見る顔は!どうしてソラはこんな奴に優しくするんだよ!


 レイン、クライと戦っているのを見て、どんどん苛立ちが大きくなっていく。こんな弱さでよく魔王を倒すだなんて言えたもんだね。



 ♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢



「フウジは剣の替わりにコレを使ってね。あと、もちろん怪我したら負けだからね。」


「それだけで良いの?」


 ソラが渡して来たのは50cmほどの木の枝だ。でも俺は強化魔法が使えるから、これだけでは大したハンデにはならない。


「え?…そうだよね。うーん、どうしよっか?」


「ならソラ、ケンジくんを回復させるついでに強化魔法掛けてきなよ。」


 ソラにも俺の思っていた事が伝わった様で追加のハンデを考えた。


「うん。分かった。…フウジ、わざと負けなくて大丈夫だからね。あ、でも手加減はしてあげてね。」


「ははっ、分かってるよ。」


 そう言ってソラはケンジくんの所に行き、回復と強化魔法を掛けた。ソラもああ言ってくれたから、勝って問題無いね。


 そして俺はケンジくんの前に立った。


「ケンジくん、俺はクライ達みたいに甘く無いからね。本気で来ないと大怪我する事になるよ。」


「大丈夫です!ソラさんに強化魔法を掛けて貰いましたから。もう負ける気は一切しません!凄いです!僕が僕じゃ無いみたいに!」


 うん。良い感じに調子に乗って来てるね。…これは楽しそうだよ。


「さっ、かかって来なよ。魔王軍四天王、フウジが相手になるよ。」


「はいっ!そんな枝、すぐにへし折りますよ。怪我しないでくださいね!」


 はぁ、本当に分かってない。強化魔法ってのがどういう物なのかを。


 そしてケンジくんは俺の枝に向かって剣を振り下ろした。


 パキンッ


「…え?どうして?」


 そして案の定、ケンジくんの剣は綺麗に折れた。


「そんな唯の剣で強化した木の枝が折れる訳無いよ?」


 パキンッ


 今度は俺からケンジくんの剣に木の枝をぶつけ、さっき半分ほどになった長さが更に短くなった。


「…そ、そんな。」


 パキンッ


 そして更に短くなる。もう刃は殆ど残っていない。


 ボキッ…カラカラカラ


 最後に柄当て、そのまま剣を振り落とさせる。


「はい、じゃあ剣は終わり。次は魔法だね。好きなだけ打って来なよ。」


 俺はそう言い、木の枝を放り投げた。


「…僕の魔法も強化されてます。魔法では負けません!」


 そう言ってケンジくんは魔法を撃ってきた。風魔法、火魔法、水魔法。そして俺はそれを全て風魔法で相殺した。


「…そんな。でもそれなら! 『(エクストラ)炎熱地獄(フレイムインフェルノ)』!!」


 ドゴォーン!!


「僕が教わった最強の魔法です。流石にこれならフウジさんだって!」


「うん、凄いね。でも当たらねければ意味ないね。」


「…と、飛んでる⁉︎」


 俺は魔力を操作して、足から一定の風魔法を出す事で空に浮いている。正直言ってこんな強力な魔法が使える事には驚いたけど、今の俺には通用しない。1年くらい前だったら避けるので精一杯だったかもしれないけどね。


「ほら、当ててみなよ!」


「くっ!風斬!風斬ッッッツ!!」


 ケンジくんは風魔法をひたすら撃ってきた。相殺するのは簡単だけど、それじゃあつまらない。俺は全てを空中で避け、飛びまわった。


「どうして当たらないんだ!」


「そろそろこっちからもいくよ。そうだね、さっきからケンジくんが使いまくっている魔法にするよ。風斬!」


 シュンッ


「ぐあああああぁぁ!!」


 俺の魔法は一瞬でケンジくんのもとに届き、彼を斬りつけた。ケンジくんみたいにただ撃つだけじゃ無い。スピードを上げて切れ味も増してある。


 そして俺は致命傷にならない位置に何発も撃ち込んだ。


「ぐああぁ!!!もう止め…。」


「ストォォォォォォォップ!!!!」


 流石にやり過ぎだったみたいで、すぐにソラの停止の合図が入ってきた。そして俺は攻撃を止めて下に降りた。


「もう!ちゃんと手加減してって言ったじゃん!」


「ごめんごめん。ちょっと力が入っちゃったよ。」


 ソラは真っ先に俺を叱り、文句を言ってきた。


 でも、わざと負けなくて良いって言ったのはソラだよ?って言いたい気持ちもあるけど、今は言うべきじゃないね。


「もぅ、治すの私なんだからね!」


「うん、よろしくね。」


 ソラは文句を言いながらもケンジくんを回復させる。


「あ、でも風魔法で飛ぶのは凄かったよ!さすがフウジだね!」


「……! ありがとう、ソラ。」


 これが出来る様になったのはソラのお陰なんだよ。ソラがあんな風に飛ぶから、俺も同じように飛びたいと思ったんだ。


「今度競争しようね!ハピネスも一緒に!」


「うん。負けないよ。」


 ああ、俺は今もの凄く幸せだと感じている。こんなに嬉しいのは久しぶりな気がする。ソラに認めてもらえた。それが嬉しくて堪らない。


「…フウジさん。完敗です。何一つ勝てませんでした。…どうして。どうしてそんなに強いのに魔王に従うんですか?フウジさんくらい強いなら魔王だって倒せるんじゃ…。」


「レインも言っていたでしょ?俺もレインと一緒で魔王様に惚れてるんだよ。それに魔王様は俺よりももっと強いからね。」


 自分で言うのもなんだけど、俺はかなり強くなったと思う。でもそれでも敵わない。だけど確実に差は縮まっている。それだけは確かだと今は自信を持って言える。


 …流れでソラに惚れてるって言ってしまったけど、変に思われてないかな?


 俺は横目でソラを見てみたけど、ソラの表情は一切変わっていなかった。少しは照れてくれても良いのに。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ