表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/61

脱退宣言

よろしくお願いします。

 

「私、パーティーを抜けたい!」


 …ついに言ってしまった。今までずっと言いたかったけど、なかなか言えなかった言葉。


「ちょ、ちょっと待ってくれよ!どうしてだ⁉︎俺たちが弱いからか?」


 すると、私とパーティーを組んでいるクライは、見当違いな事を言ってきた。


 私が所属しているパーティー『夕暮れの女神』は剣士のクライと魔法剣士のフウジとレインちゃん、回復術師(ヒーラー)の私。この4人でパーティーを組んでいる。


 もともとは3人で組んでたみたいだけど、回復役が居なかったようで、ちょうど入るパーティーを探していた私を入れてくれた。


 …でも、せっかく入れてもらったけど、私はパーティーを抜けたいと思っている。もちろん、脱退したいのにはちゃんと理由がある。それは、私がこのパーティーに必要無いからだ。


 今の私の役目は、出発前に強化魔法を掛けること。


 ………以上!!!


 それが終わったら着いて行くだけ。もう、正直つまんない。もうちょっと私も活躍したいのに!私だって結構戦えるのに!私、回復術師(ヒーラー)なのに、誰も怪我しないから、1回も回復魔法使ってないんだよ?


 …だから私は、事実を述べる。


「私、このパーティーに要らなくない?全然役に立ってないよ?」


「そんなわけ無いだろ!ソラが1番役に立ってるじゃねぇか!」


 あぁ、クライは優しいな。でも、そんなお世辞は要らないよ。私が何もしてないことは、私が1番分かってるから。


「…いいよ、そういうのは。私、もう嫌なの。このパーティーに居るのが苦痛なの…」


 私は、クライから目を逸らし、斜め下を向いた。


「…ソラは疲れてるんじゃない?もっと休み増やそうか?」


 今度は、私を見たフウジが的外れな事を言ってきた。


 …そういうことじゃないのに。どうしてフウジまでそんなこと言うの?何もやってないのに疲れるわけ無いじゃん。


 …はぁ。


「とにかく、私はこのパーティーを抜けたいの!」


「…やだ。絶対だめ!」


 クライ、フウジに続き、レインちゃんが会話に入ってくる。


 …というか、だめって何?私の意思は関係無いって事?


 …どうしてなの?私が抜ける事にメリットがあっても、デメリットは何も無いのに。


「なぁ、ソラ。もうちょっとだけ考え直してくれないか?俺たちには、ソラが必要なんだよ。…そうだ!俺たちの取り分減らして、ソラの取り分を増やすよ。フウジとレインも良いよな?」


「「もちろん。」」


「だから、どうしてそうなるの?私は抜けたいって言ってるの!」


 あーもう。なんでみんな私を辞めさせてくれないの?役立たずの取り分増やすって、何考えてんの?お金有り余ってるの?


「まっ、今日は狩りに行こうぜ。この話はまた今度。な?」


 どう言っても、3人は私をパーティーから抜けさせてくれない。3対1だと、勝ち目なし?


 …いやいやいや。きっと、急に言ったから戸惑ってるだけ。取り敢えず、今日は諦めよう。…でも。


「…じゃあ、明日抜けるから。ちゃんと手続きしてよね?」


「「「…………。」」」


「じゃあ、行くか。」


「「うん。」」


 3人は、私の言葉には返事をせず、急いでギルドを出て、狩場に向かおうとしている。


「返事してよ!…もぅ」


 仕方がないから、私はしぶしぶ後を着いて行く。そして森に着いたら3人に強化魔法を掛けた。


 狩りでは魔狼が10匹以上出たけど、誰も怪我する事なく戦闘を終えた。


 やっぱり、私要らないじゃん!なんとか抜けさせてもらえるように作戦を考えないとダメだね。


 私は狩りの間、ずっと暇だから、パーティーを抜けるための作戦を考えた。明日こそは抜けてやる!



読んでくださりありがとうございます。

感想、評価頂けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ