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20.

 ところが、決意してみたものの、今まで店のことを無視して遊びほうけていたので、どこから仕入れているのかは勿論のこと、帳簿の見方もわからない。カリーナに、店で何を扱っているのかの詳細を説明してもらう始末。


 単に、自分の店は織物屋だと漠然と思っていたが、それ以外の関連商品も扱っていたのを初めて知る。


 よくこれで「俺が店を継ぐ」と決心したものだと、フリードは呆れ入る。後先見ずに思いつきで行動する彼の悪い癖だ。


 まずは、店番を手伝っていたカリーナに接客を任す。ミーナには家事全般を任す。様子を見てみると、確かにこの二人だけで従業員、執事とメイドを解雇しても切り盛りできるほどテキパキとこなすことが分かった。


 それらから解放されたフリードは、おそらく母親がやっていたであろう作業をなぞってみる。まずは、残された帳簿やら取引記録を片っ端からめくって仕入れなどの情報を得ようとしたのだが、紙面から溢れ出る文字の洪水に頭痛がしてきて、頬杖を突いて盛大にため息を吐く。


 ただ、そんな彼にもわかったことがある。


 店の経営は、かなり前から赤字の連続。それを多額の借金で埋めていたのだ。


 すでに、経営破綻の一歩手前。なのに、今も大量に織物を仕入れていて、それが売れていない。


 堅実に店を経営するしっかり者の母親だと思っていたのだが、裏切られた気分になり、彼は母親の肖像画を睨む。


「家に金を入れろと言っていたのはこれが原因か。だから、突然宿屋に現れて、家に金を入れない俺を実家に戻したのだのだな。……母さん、そりゃないぜ」


 だが、故人をうらんだところで現状は改善しない。フリードは借金の書類と納品書の束を持って、扇子のように仰ぎながら考えた。


「借金までして売れない商品を大量に仕入れる理由って、なんだ?」

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