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15.

 鶏が鳴くよりも早く起きたフリードは、準備万端整えて部屋の扉を開けた。廊下を歩いていると、おそらくミーナだろうが台所でガタガタと音を立てていて、それを背中で聞いて家を出た。


 ダンジョンのいつもの階層ではなく、未踏の深い階層を目指す。


 当然、狙いは大物だ。そいつから大きな魔石を手に入れ、一気に借金返済を狙う。


 ところが、初の階層へ慎重に足を踏み入れた途端、コボルトの不意打ちに遭い、左腕と左足を負傷した。


 何が大物狙いだ。他の冒険者が普通に討ち取っている相手のだまし討ちに遭って、尻を滑らせながら後退しているではないか。


 でも、いつもと勝手が違う階層だからなんて理由をこねている場合ではない。生か死かの瀬戸際だ。


 フリードは大声を上げてめちゃめちゃに剣を振り回し、転がっている石を手当たり次第に投げ、相手を負傷させて追い払ってから、這うようにして辛うじてダンジョンを抜け出した。


 たまたま早朝で、自分一人しかいなかった。こんな情けない帰還は初体験で、人に見られなくて助かった。


 振り返ると、コボルトを撃退したときのあれは戦いではない。恐怖でパニックになって暴れていただけ。これでは素人以下だ。


 フリードは、完全に自信を失った。

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