11.
――どうせ、遊び友達だし。
自分の言葉を何度も噛みしめるフリードは、今まで使っていた「仲間」という言葉の実体を今まさに捉えた気がしてハッとした。
もしかしたら、その実体が明るみに出るのが怖いので、ずっと心の奥底深くに沈めて安心していたのかも知れない。
それがミーナの口にした帝国の格言を聞いて重しが外れ、浮上してきた。
――そのお仲間は友でいらっしゃいますか?
――いや、遊び友達だ。
遊び友達とは、快楽を共有する相手のことだ。信頼を寄せている友達かというと、ちゃんと腹を割って話したことがない。
彼らとは、友情でつながっているのだろうか? そう思っていたが、実際は未確認。
友として絆はあるのだろうか? あると思っていたが、これも未確認。
賞賛を浴びてはいるが、それは友としてだろうか? やはり未確認。
つまり、自分を取り巻く仲間たちがノバカナリアス帝国の格言で言う「友」かというと、何もかもが未確認。
単に、自分でそう思っていただけだ。
まさか、金だけでつながっているのか? それなら、絆なんかありやしない。金の切れ目が縁の切れ目だ。
フリードは、身震いがした。この考えだけは、今は認めたくない。
「やっぱ、訂正。俺の仲間は、1枚の銅貨がなくても仲間だ」
ミーナは、首をカクンと右に傾げた。
「本当に、そう思っていらっしゃるのですか?」
「ああ、思っている」
「ご自分に言い聞かせていらっしゃるのでは――」
「しつこい! ミーナみたいな女は、嫌われるぞ」
「申し訳ございません。出過ぎた真似をいたしました」
「ああ、今後注意しろ」
ミーナは、一礼するとすごすごと引き下がって、扉を閉めるときにも一礼した。
フリードは、ミーナが見えなくなると顔をクシャクシャにし、ソファに置いてあったクッションを手に取り、顔に押し当てたまま体を折り曲げてうつ伏せになった。




