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10.

 深夜に帰宅したフリードが、赤ら顔でソファの背もたれにぐったり寄りかかっていると、部屋にミーナがやってきて、目の前に立ち両手を腰に当てた。後ろで魔石を燃料に使ったランプが点灯していて、ミーナに後光がさしているように見えた。


「今日もお金を全てお使いになったのでしょうか?」


「そうだよ。あんな端金」


「あれで家政婦を一日――」


「四人雇えるんだろ? 聞いたよ。仲間が――付き合いが多いから仕方ないだろ?」


「そのお付き合いは、本当に必要なのでしょうか?」


「必要に決まっている。何を言いたい?」


「では、申し上げます。いつも『仲間が』とおっしゃいますが、そのお仲間は、フリード様がお酒やお食事を振る舞われるから集まるのではないのでしょうか?」


 酔って朦朧となっている彼の耳に、ミーナの言葉が突き刺さった。


 フリードは、ゆっくりと背筋を伸ばした。


「吹き込まれたな?」


「奥様にですか? いいえ。誰もが思うことです」


「何を?」


「この国の格言ですが『1枚の銅貨すらなくなったとき、友以外は離れ、友だけが残る』と申します。そのお仲間は友でいらっしゃいますか?」


 大盤振る舞いを止めたら、あの仲間たちが潮を引くように去って行くのだろうか。それは、恐怖に等しい。


 振る舞わないと、応援したのに賞金を独り占めにしたと睨まれる。それは耐えがたい苦痛だ。


「いいんだよ。どうせ、遊び友達だし」


 それは、ミーナに言い聞かせるというより、自分を納得させるための言葉だった。

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