サイケデリックな季節
薄桃色の絵の具が空を背に飛び散る季節でも
あなたはいつも寂しそうにしていた
まるで子供のように 色とりどりの缶を掴んで
無邪気に笑うのは 決まって季節を忘れる時だった
4月の終わり あなたは幸せと不幸せに 自分勝手に区切りをつけた
押し寄せる無害な波が あなたをまた一人にする
桜は あなたの代わりに無邪気に笑っている
ぼんやりと遠くを眺めるあなた
ここは現実じゃないのだと あなたは言う
季節がまた巡る程に 吹く風はどこか遠くに感じる
唇から零れる涙から 少しお酒の匂いがした
あなたはお元気ですか?
背伸びをして深呼吸をする 花弁はあの人のいないベンチに代わりに座っている