第1章ールールと能力と仲間2
ジョシュアの言葉と共の意識が元の食堂へ戻される
「あとは各自がんばってねー!」
と、ジョシュアはそのまま上の天井を突き破って居なくなった。
「…………」
12人に沈黙が訪れた。
さて、どうしたものか…俺の能力だけじゃ脱出は少し困難だろう……
行動する度にヘイト値が溜まるなら大人数で動いた方がいいのか?
「あの……おにいちゃん?」
「え?……遊稀!」
未だ椅子に座っていた俺の隣に弟の遊稀が居た。
まだ幼く中性的。通っている小学校の制服にいつも背負っているぬいぐるみ型のリュック。
俺と一緒に連れてこられたのか?
「大丈夫か?どこか痛くしてないか?」
「大丈夫だよ。それに雛さんもいるよ」
遊稀が指さした方に顔を向けると
俺と同様椅子に座ったまま震えている雛を見つけた
雛は俺の幼なじみで、同じ高校に通っている。
ほんのり明るめの茶髪に真っ直ぐ揃えられた前髪のボブヘアー。高校の制服に白いニーソックス。
俺は遊稀の手を繋ぎ、雛の元へ声をかけた
♡
「雛?」
「ひっ!?あ、あ立稀くん!!立稀?!それに遊稀くんも!」
俺の声に驚いたのか、そのまま椅子から立ったがすぐ椅子の方を向き体を震わせている
「あ、あ、あ、ど、どっどしよ?ねえ!どーすればいいの??」
「雛」
「は、はい」
「落ち着け」
かなり興奮状態で会話もまともに出来ない。
すぅーはぁーっと深呼吸するとこっちに顔を合わせ
「立稀くんなら脱出する気だよね。私の能力役にたつと思う」
そう言った
「それなら僕も役に立つ方だと思うよ」
続けて遊稀も言った
「なら、教えて2人の能力を」
「あら、脱出する為の相談ならおねーさん達も混ぜて」
声に振り返ると、そこには
「確か……小野満さん?」
「あら、覚えてたのね」
ジョシュアに質問をしていた女性だ、長い黒髪に白いタイトなカットソーの性なのか胸部がかなり目立ち目のやり場に困るし下を見てもタイトなスカートに網タイツでそっちはそっちで目のやり場に困る……ので顔を見るも……美人だ
「なぁに、キョロキョロして?高校生の男の子には刺激が強すぎたかしら?」
うぐ、なんだか心が読まれそうな人だ
「失礼ねぇ読めないわよ?」
いや読めるじゃねえか
「ええと、自分も挨拶してよろしいか」
小野さんの後ろから少々巨体のメガネのかけた青年が現れた。ん?
「あれ同じ制服?うちの生徒なのか?あんた」
「初対面でアンタ呼ばわり大変不快ですぞ!園 宝2年生である」
「いや、俺も2年生だよネクタイ見ろ」
「むむ!これは失敬」
なかなか対話難しい奴らだ……
「失礼ですぞ」
だから、心を読むな心を
♡
「さてさて、この脱出ゲーム大人数で、行動して方が勝率は上がると思うの」
小野さんが俺に向かい言う。
「俺もそう思います」
「おにいちゃんが、そうおもうなら僕も」
「私も」
「拙者も」
ここで12人中5人で1グループ出来たわけだ。
「能力の話をしましょうか。言い出しっぺの私からかしら?……私の能力は簡単に言えばサーチ能力ね。部屋とか1個1個しか見れないし使う度ヘイト値5上昇するみたいだけど、その分何があるか細かく調べられるらしいわ」
「次は自分が、言いましょう我に備わったこの力……存在階地図!!」
いや、かっこよさげに言わなくても……
「ふっ、このカッコ良さが分からないとは……立稀殿キミのお尻もまだまだ緩いな」
「青いな!だろ!しかも緩いってなんだ!緩いって!!」
「あらあら興奮しちゃってこのくらい流せないといい男になれないぞ?」
すごく疲れるぞ!この人たち!!
「まあ短縮してマップで能力ですね、自分のいる階の地図が頭の中に浮かぶ感じですね、これはオート能力らしいのでヘイト値は上がらないそうです!つまり隠し部屋なんかあったら自分には1発で見つけれるって能力ですな!!だはは」
「はあ」
二人とも悪くない能力……つか俺より充分いい能力だ
「俺の能力は危険値視界ってものらしいです」
他2人が1つしか言って無いので俺も1つしか言わない事にする。これは保険だ。
もしや俺だけ能力2つだと、何か疑われる場合があるかもしれないし
故意に皆2つ持ってて2人が黙っていた場合2人をどこまで信用出来るか判断する為だ。