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放課後安心安全部、かつどーきろく!!  作者: 小鞠 明音
5月 廃部の危機。ストレスで吐きそう……。
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第五章 山川ユーリ、参上!! 〈Ⅲ〉

「おーい、ムクく〜ん、だいじょーぶかー?」

「……ん」


どうやら、お姫様抱っこされているうちに気を失っていたらしい。

そんな状況分析を山川兄に頬をペチペチと叩かれながらする俺。


「てか、また黒歴史が増えた……」


俺は男にお姫様抱っこをされて全校生徒の目に晒されたことを思い出して、落ち込む。


入学してから一ヶ月半くらいしかたっていないのに、黒歴史がめちゃくちゃ増えたような気がする……。


「え、大丈夫だよ〜。ボクがちゃんとフォローしたから!」


山川兄のその言葉に俺は目を輝かせる。


もしかして、実は気を失ったあとにすぐ俺を下ろしたとかっ!人目のついたところを通って来たとかっ?

とにかく、全校生徒にあの姿を見られてないのかっ?


た、助か――


「ちゃんと、先生から注意されてからは廊下を歩いたし。三年の先輩には笑顔で挨拶したし」


はい。黒歴史決定。ちなみに、今まで数々の黒歴史があるけれど、男にお姫様抱っこされて全校生徒に見られたのは初めてである。


「ん、まてよ……。女装してるし……」


あ、でも、女子にお姫様抱っこもどっちみち嫌だ……。


「ブツブツつぶやいてないでさあ……」


「……?」


山川兄の言葉に俺は首を傾げる。


男にお姫様抱っこをされたことよりも何か他に問題でもあるのか?


そんな様子の俺に山川兄はため息をつく。

ツインテールのゴムはいつの間にか外されていて、金色の長い髪は後ろで縛られていた。

そうするだけで、山川兄の雰囲気はガラッと変わる。普通に男に見えるし。


「あのさぁ……オレの妹に手を出さないで欲しいんだけど」


「……………は?」


山川兄の言葉に俺の思考回路はフリーズした。そして、1分後に再起動。


一瞬、冗談だと思ったけど、山川兄の顔は笑ってなかった。マジだった。

てか、一人称も変わってるし。


意味がわからん。なんでそうなった!?


「はあ!?ちょっと、ムク。それはないと思うなー。なに?スミレを捨てる気?」

「いや、それかんちが――」

「じゃあ、なんでこの頃、スミレはオレのことを無視するの!?お兄ちゃんって読んでくれないし!!」


あ、コイツもアレだ……シスコンだ。


そして、山川兄への山川さんの行動に適した言葉を俺は知っている。

誰もが通る道だろうし。


「それは多分……」

「多分を使うな!!男なら自分の発言に自信を持て!!」

「はっ、はい!絶対、それは反抗期です!!」


うん。山川さんはお前のそんなところをウザがっているんだと思う。だって、お前、重度のシスコンだし。


すると、俺の言葉が予想以上に効いたのか、山川兄が膝から崩れ落ちた。


「そん、な……スミレに反抗期……?」


聞き取れた言葉はそれだけだけど、余程ショックを受けたのか、小さくブツブツとなにか言っている。なんだか、怖い。


まあ、じゃあ、この間においとましまーす。


足音をたてないように俺はその場を離れた。


☆★☆


――放課後。


なんか、今日はいろいろとあったなー。

疲れた。


俺は朝よりもやつれた体を引きずりながら部室に向かった。

結局、授業はあのせいでサボってしまったし、教室では犯罪者扱いされたし。マリンにも質問攻めにされるし。


〜回想〜


『なんで、授業を休んだんですか?佐藤君』(←英語担当、如月先生)

『すみません。先輩が不治の(シスコン)で……』


『犯罪者なの……?』(←クラスメイト)

『俺たちの部活はお悩み解決であり、犯罪ではないです!』


『なんで、誘ってくれなかったの!?』(←あるヴァカ)

『拉致られたんだよ!』


〜回想終了〜



「失礼しまーす」


ガラガラ〜。


「大変申し訳ございませんでした」


ピシャリ。


なんかいた。土下座している奴と、そいつの頭を踏みつけている人が。


何?部屋、間違えた?俺。


でも、ドアにはちゃんと『放課後安心安全部』と書かれているダンボール板があるし。


「どうしたのー?ムク。入らないのっ?」


俺がドアの前でもう1度ドアを開くか、このまま帰るかで迷っていると幼馴染に声をかけられる。

そして、俺がどう説明していいか分からないで突っ立っていると、彼女はそんな俺の代わりにドアを開けた。


「ちょ、マリンっ!……え?」


部屋の中にいた二人は何事も無かったかのように別々の場所に座っていた。


俺が呆気に取られて動けないでいると、マリンはソファーに座っているユーリにとてとてと近づく。


「ユーリちゃんっ!どうしたのー?」

「んー?あ、ボク、この部活に入ったんだよー!」

「ほんとっ?やったー!!」


なんか、仲良さそう。めっちゃ仲良さそう。なんでだろう?初対面のはずなのに。


てか、やっぱり入ったんだ、この部活。


もう、俺は哀しんだり、怒ったりする気力もないのでノーリアクション。


そして、また、変な部活に変な人が加わったのだった――。



☆★☆


「てか、なんで二人は仲いいんだ?」


俺は二人に尋ねた。だって、二人は接点とか無さそうだし。


すると、マリンがあっさりと答えた。


「私が代表をした入学式でー、生徒会のみんなと少し話してー、そのときに出会ってからー、よく話すんだー!」


「……せい、とかい?」


「ボク、副会長だよー!」


「……は?」



(第六章に続く)



なんか、もう、変人ばかりですみません……

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