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凡人な俺と美少女な幼馴染



俺は今、疲れているのだ。だから錯覚を見ている。


そう自分に言い聞かせて、俺はドアを閉める。いや、閉めようとした。が、


「どうしよう……」


そうつぶやいている幼馴染の手によって止められてしまう。


彼女はマリン。俺の幼馴染にして美少女。そんな彼女の瞳からは今にも涙がこぼれそうで。


「どうしたんだ……?」

「どうしよう……」


俺の言葉に対して、もう1度さっきと同じ言葉で返した彼女の足下には――服が赤く染まった見知らぬ少女。

気を失っているのか倒れていた。近くには、赤い液体のこびりついた鍋が落ちている。


あぁ、きっとその鍋で……、


()ってしまったのか……?」

「どうしよう、やっちゃったよう……」

「何でこんなことをっ」


どんなにヴァカでも、こんなことはしないと思っていたのに。


俺は無意識のうちに拳を握った。部屋には、重苦しい沈黙が流れる。


「臭い……トマト臭い」


気のせいだろうか、そんな声が聞こえた気がする。


「臭い……」


また声が聞こえる。さっきよりもハッキリと。

でも、この部屋には俺とマリンの二人だけのはず――


いや、まだ一人いる。


俺は倒れているはずの少女に目を向けた。すると、少女はゆっくりと立ち上がっていた。


「もしかして、これって……」

俺はこの匂いに覚えがあった。ていうか、朝食べてきた。そう、これは――、


「私のトマトスープがっ」


「ややこしいわっ!」

「美味しく出来たのになぁ……」

知るかっ!!


俺は、声に出さずに心の中でツッコミを入れてため息をついた。



入学して二日目。もう登校拒否しようかな……。


「どうして俺は今、こんなところにいるんだ……?」


きっと、原因はマリンにあるんだ。俺がこんな変な体験をしているのも、マリンのせいなんだ。


アイツが『放課後安心安全部』何ていう、おかしな部活を作ったから――。



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