中津川明良は「情報通の親友枠」である
割と思いつきで書いた代物です。
女の子のタイプは割とテンプレキャラです。
思いついたら違うシチュのを書くかもしれないけど短編で
>Side another「主人公」
「水椿・凛さんね……」
メモのページをめくる音が電話越しに届いている。いつもいつもマメなやつだな。と感心する。
「あったあった。ちゃんと聞けよ?メールとかでデータ送ったら情報漏洩が怖いしな」
だったら盗聴の心配もすべきではなかろうか?俺は訝しんだ
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>Side main「中津川明良」
「―――ってとこだな」
俺の言葉に「ありがとう。助かったよ」という返事で電話は切られた。
電話を切って背をそのまま後ろに預け、ふぅ と、息をついた。
この世界が『ハイスクールときめきエモーション』とかそんな感じのタイトルのギャルゲー作品なのだと気付いたのはいつだったか……。
俺は「中津川・明良」という名前で、高校二年をあと3ヶ月先に控えている。そんな立場の、「主人公にデートスポットや女の子の情報、好感度を提供する親友枠の三枚目」である。
気付いた時にはそう、既に中学三年を半ば過ぎて高校に向けて受験勉強してた頃だったか……。ともあれ現在、俺は「情報屋」として名を売っており、その名前に恥じない「情報量」を有している。
このゲーム世界で主人公にあたるアイツに卸す情報意外にも、多種多様の情報を集め、活かしてもいる。
そもそも中津川明良とはそういう役柄の男だ。「学園でも有名な情報通」で「データ集めが趣味の男」
その情報を活かして悪いのだろうか?いや、無罪。(反語表現)
そんな風に回想しながらぼーっとしていると、俺の携帯が音を立てた。
流れるメロディは「あの子」のものだ。
「はいどうも。「情報屋」ですけど?」
「……夜分に恐れ入ります。華道部の……」
「ええ、大丈夫ですよ。『水椿』さん」
明るい声を作って名乗りを遮る。この娘、実は割といいところのお嬢様だから放置すると面倒なやりとりをする羽目になるのだ。
水椿さんはしばらく逡巡しているようだった。なので、俺の方の用事を先に済ませておく。
「ああ、そうそう。『彼』ですけどね?アイツ、今日あなたの情報を聞きに来ましたよ」
「!!……そうですか」
ホッとしたような、だが少し不安げな返事が返ってくる。やはりこの娘、俺がアイツに情報流したか確認したかったのか……。
俺が持っている「各種ヒロインの情報」は、相手が自発的に持ってきてくれているものだったりする。
条件は一つだけ『主人公以外の人間へ情報を渡さないように』というもの。
「あの……くれぐれも」
「ええ、わかってますよ。情報屋の信念にかけて、約束は守りますとも」
意中の男に意識して欲しいがために『情報通で名を知られている男を経由して自分の情報を流す』女たち。俺が約束を守っている限りこの関係は続くし、情報は随時更新されていく。当人から生ボイスでスリーサイズを自己申告させるとかもうね。うん。いいよねこう言う役得!
その日、水椿・凛のデータベースを更新し、俺は眠りに就いた。
このゲーム『ハイときエモ』のクライマックスは『三年目の卒業式の日』
『創立記念樹』の下で告白を受けることである。だが、それはあくまでゲームの話。
この世界ではそのあとも人生が続いていくだろう。そのためにも「情報」は「財産」であると心に刻み、
俺は今日も『情報通の親友枠』としてアイツのために俺のために情報を集めていくのである。
水椿・凛 部活:華道部 年齢:16歳
B/W/H=74/61/69 身長:156センチ 体重:内緒です
・実はいいところのお嬢様
・根は優しく引っ込み思案
・気持ちが落ち着く場所が好き
好きなデート場所:植物園 美術館
嫌いなデート場所:ライブ会場 スタジアム