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剣と魔法のRPGなのに魔法が弱すぎる!  作者: 書き手さん
剣と魔法のRPGなのに魔法が弱すぎる!
22/30

結局本が読めなさすぎる!

「第一部完」的な話

 図書館のボス、つまり魔女様を倒したというか開放したというか……なんて言えばいいか分からないけど、とにかく山場を越えた次の日。ログインして応接間のような場所にきたのだけど……イコールさんの姿がない。


「イコールさんがログインしてない。珍しいですね……」


 フレンド欄から確認してあたしは独りごちる。大体この時間には確実にいるのに。何かあったのかな?


 あたしは1人でボス部屋――あの本棚に覆われた部屋に行くことを検討して即座に却下する。そんなのイコールさんに悪すぎるし、魔女様に心を奪われている、少なくとも奪われているようにしか見えないブレンネさんを1人で止められる自信が無かった。


 というか2人がかりでも止められるかどうかわからないよ? 『私と魔女様の再会に水を挿したらぶっ殺す』って顔に書いてあったもん。


 あたしはため息をついて応接室に置かれたふっかふかのソファに腰をおろす。イコールさんを待ちながらずっと聞き耳を立てているけれど、壁1枚むこうからは何も聞こえてこない。これがゲームの仕様なのか、実際に静かなのかは分からないけど……後者だといいなぁ。


 15分間ぐらいずっとそうしていると、不意に鈴の音のようなシステム音がして、視界には『イコールがログインしました』と表示が出てくる。そして次の瞬間には目の前にイコールさんが現れていた。


「ん? ああ悪いな。待たせちまったか?」


「いつもあたしが待たせてるから別に気にしませんよ。でも……あたしよりログイン遅いなんて初めてですよね?」


「そろそろ前期末だからな……」


 あたしの言葉の後に続く「どうしてですか?」を的確に読み取って、イコールさんは肩をすくめる。


「そういうのと無縁でいられるってのは、素直に羨ましい限りだぜ」


 ハテナマークを頭の上に浮かべるあたしを生暖かい目で見て、イコールさんは「で、なんだが……」と話を変える。


「ボス部屋、行ってみるか?」


 疑問形なあたりイコールさんもあんまり乗り気じゃないんだろうね……。でもそれはあたしじゃなくて、あたしより年上であろうイコールさんが決めるべきだと思う。


「あたしはイコールさんに従いますよ?」


「………………」


 昨日だってしてなかっただろう絶望をありありと浮かべた顔で、イコールさんは押し黙った。そして、その顔のまま言う。


「……ここにいたって埒があかねぇんだ。行くしか……ない」


 自分に言い聞かせるように呟きながら決断を下したイコールさん。押し付けたあたしが申し訳なくなるくらい渋い顔をしてるんだけど……。


「ああもうダメだ! 考えてもどうしようもない! 早く行くぞ!」


 と思ったらいきなり走りだすイコールさん。「ま、待ってくださいよ!」と追いかけるあたしの声を、イコールさんは無視してボス部屋の前へ。


 そして、やっと追いついたその時に、イコールさんは大きな扉を押し開けた。重々しい音を立てて開く扉の向こうにいたのは……。


「ふむ、待っていたぞおぬしら」


 待って、違和感が半端じゃない。確かにこういうキャラってよく創作の中では見るけど、目の前で喋られるとこんなにちぐはぐな感じがするんだ……。


 あーえっと、開け放たれた扉の先、昨日までのボス部屋の中心には、100人中100人が魔女と断定する格好(黒に近い濃紫の尖り帽子に、同色のローブ。うん、テンプレートだ)をしていて、腕を組んでいて、尊大な表情を浮かべた…………金髪の女の子が立っていた。見た目年齢はあたしより5つ6つぐらい若い。見た目年齢=実年齢ではない……と思うのは、あたしの偏見かな?


『管理の魔女』様が小さい女の子だってことは昨日ちらっと見た時に気付いてたんだけど……老婆のようなしわがれ声を聞いて、気が動転しちゃったよ。


「なぜ入り口で突っ立っておるのじゃ? はやく入れ」


 急かす『管理の魔女』様に、あたしと同じく目を丸くしていたイコールさんがなんとか声をだす。


「あの、『管理の魔女』……様? ブレンネさんはどこにいらっしゃるか分かりますか?」


「ああ、あいつか……」


 魔女様はとても悲しそうな顔をする。そう言ってみればブレンネさんの姿が見当たらない。え? もしかして昨日ブレンネさんの様子がおかしかったのって、魔女様が好きすぎて止まらないとかそういうのじゃなくて、裏切りのフラグだったの……?


「あんまりにもべたべたくっついてきてうざったかったから、牢に閉じ込めてやったわ」


「………………」


 そんなことはなかったみたい。安心……していいのかな?


「まぁあいつにも用があるからそろそろ出してやるつもりだがの。頭も冷えた頃合いだろう」


 魔女様は「もっとも、冷えたところであまり変わりは無いかもしれないがな」と言って、自分の後ろに手を向けた。その動作とともにブンッと音がして、魔女様の背後の空間に黒い穴が開く。


 ついて来いと言いたげにあたし達を一瞥し、穴に入っていく魔女様。あたし達は顔を見合わせて、魔女さまを追い駆ける。


 黒い穴を抜けると、そこは暗い石造りの通路だった。いつ誰がつけたのか、燭台の上の蝋燭には火が灯っていて、それが道の先まで続いている。


「ここはどこですか?」


「さっきまでいた建物の中、ブレンネを閉じ込めた牢屋の近くじゃ。どうして図書館の中に牢屋があるのかは分からんがの」


 歩きながら魔女様は言う。


「ブレンネから何にも聞き出せなかったから、おぬしらに聞きたいことは山程あるのじゃが、まず先に自己紹介を済ましておこう。儂は『管理の魔女』アドミアニータ・キュラ。『帝国』の使者としてこの国にやってきたはずなのじゃが、いつのまにか司書をやらされていたまぬけじゃ」


 後ろからでも、自虐的に頬がつり上がったのが分かる。5年間もあの状態だったんだから、そう言いたくなるのもわかるけど、そんな司書さんは嫌だなぁ。

 

「『管理の魔女』というのは称号みたいなものじゃから、名前で呼んで欲しいのお」


「ブレンネさんはずっと『管理の魔女』様って呼んでたがなんでだ?」


「これ以上あいつに失望したくないのなら、その質問は取り下げた方がいいな」


「その返答だけで大分印象が悪くなるのですが……」


「勘違いしないで上げて欲しいのお。あいつは儂が絡まなければ有能なのじゃ」


「ほらほら、それよりはやくおぬしらも名乗れ」と強引にこの話題は打ち切られる。確かにあんまり深く掘り下げないほうがいい気がするよ。


「ブレンネさんが出来る人なのはここに来るまでの間にきちんと教えてもらったよ。一介の闘剣士、イコールだ」


「その分驚きもしてますけど……えーと、モンスターにされちゃった系魔法使いのソウです」


 イコールさんの「何言ってんだこいつ」という視線が刺さる前に、魔女様――キュラ様があたしに向き直る。


 頭のてっぺんから足の指の先までをじーっと見られて、なんかくすぐったい気分。何秒か耐えた後、一通り検分を終えたキュラ様が真面目な顔で見上げてくる。


「ふむ、確かにモンスター化しているようじゃな。魔女が『魔女』になったことをモンスター化とはあまり言いたくないがの」


 訝しげに目を細めて、キュラ様は話し続ける。


「ブレンネにもモンスター化がかけられていたの、ということは……いや、張本人がいるのじゃから直接聞けばいいではないか。うぬ、なにがあったのだ?」


「それなりに、長くなりますよ?」


 そういうと再びに前を向いてしまう。


「そうか、それなら歩きながら聞くことにするかの」


 あたしはお望み通り、王都の図書館での出来事からつい昨日のことまで、イコールさんの補足をはさみながら思い出せる限りを喋る。キュラ様は足元を見たまま、頷き以外の反応を返さずに、淡々と歩を進めていく。


「……調子に乗りおって」


 そして、全てを聞きおえたキュラ様はまずそう吐き捨てた。


「このままずっとこんなことに使われていたかもしれぬと思うと怖気がはしるわ。おぬしらには感謝してもしきれぬな」


 こちらを向いてそう言う顔には、激怒としか形容できない表情が浮かんでいた。その矛先があたしじゃなくてよかった。そう思ってしまうくらいには、愛らしい顔が怒りで歪んでいる。


「これはお灸をすえてやらねばならんの。ふむ、そうじゃな……よし、面白いことを思いついたぞ」


 悪そうな笑みを浮かべるキュラ様に、あたしとイコールさんは顔を見合わせる。もしかしてあたし達、封印されていた魔神を起こすのとそう変わらないことをしてしまったんじゃ……。


「ブレンネがいるのは……多分ここじゃな」


 あたし達が冷汗を書いてる間に、いつのまにか目的地についていたみたい。キュラ様がドアノブにさわると、扉を封じていた鎖が勝手にとれた。


「この場ならなんでもありなのか……?」


 イコールさんが目を丸くしている。もちろんあたしも同意見だよ。


 戦慄するあたしたちを後目に、キュラ様は扉を開ける。その瞬間ブレンネさんがキュラ様に飛びつく……なんてことは流石になかった。背中越しに牢屋の中を覗くと、部屋の中心に立っているブレンネさんが見える。


「ブレンネ、頭冷えたかの?」


「もちろんですよ『管理の魔女』様。あなたの言うとおりここで立って反省をしておりましたから」


 こっちの時間で約4日間ぐらい直立不動か……どんな忠誠心なんだろう?


 キュラ様は一瞬非常に面倒くさそうな顔をしてからブレンネさんに言う。


「ソウとイコールから聞いたぞ。お前もよくやってくれた。それに免じて今回は許してやろう。だが今度抱きついて高い高いとかやったらただじゃおかぬからな」


 何やってるのブレンネさん!?


「御慈悲をありがとうございます。2人もいるようですし、浮ついた行動は控えるようにしましょう」


「2人っきりでもやめてもらいたいがの。ほれ、行くぞ」


 キュラ様が再び黒い穴を開く。さっきも思ったけど、移動速度が厳格に決まってるこのゲームでワープって強すぎるよね……。


「どこへ行くのですか?」


「見晴らしのいいところじゃ。こんな暗いところにいつまでもこもっていたくはないじゃろ? そこでモンスター化も解いてやろう」


 そう言って入っていってしまったキュラ様に続いて穴を通り抜けると……


「わぁ……!」


「こりゃあすげぇな!」


「ふむ、こんなところがあったのか」


 この図書館に入ってすぐの巨大な書庫。そこに幾段にも重ねられたこれまた巨大な書棚が眼下に広がっている。壁面に設置されたある種の展望台のような場所にあたし達は移動していた。一体何千万の蔵書があるんだろうと思うだけじゃなく、これだけ大きなダンジョンを突破してきたのかって、ちょっと誇らしい気分にもなる。


 でも、なんでこの場所なんだろう? 首をひねっていると後ろ、窓側の方から声がかかる。


「さて、さっさとやるべきことをやっていくかの」


 振り向いた時には、キュラ様は目を瞑って呪文を唱え始めていた。


《管理コード:No.97 略式》


 あたしとブレンネさんの足元に青白い魔方陣が現れる。こんなの聞いたことない……というか、あたしの知ってる魔法とは形式がまるで違う気がする。


《詳細省略、全てを取り払え》


 2つ目の呪文の詠唱と一緒に、魔方陣が強く輝いたかと思うと、瞬きの間に消えていた。満足気な顔でうんうんと首を振りながらキュラ様は言う。


「これでモンスター化の解除は完了じゃ」


「……あれだけヤバイ効果の状態異常にしては呆気なく回復できるんだな」


「どんな効果を持つものでも、状態異常には変わりないからの。そんな難しいことではないわい。儂のみたいなケースでなければ、じゃが」


 キュラ様の例……魔法を持続させるものがある場合ってことかな? ステータスを確認しながらあたしは思う。


「まぁこの国で『そんな難しいことではない』魔法を使えるのは両手で数えられるくらいだと思いますけどね」


 ブレンネさんが誇らしげである。……うん、ステータスは全部元通りだね。本当に長い道のりだったよ……。


「世辞はいい。さて、次はお主らへのお礼じゃ。ブレンネはイコールに頼む」


 お礼? モンスター化を解除してくれたのとは別に?


「随分気前がいいんだな。ありがたくもらうけどよ」


「5年ぶりに自由になれたのじゃぞ? 気前よくならない奴なんていないわ」


 ああそっか。クエスト的にはあたし達が2人を助けたことになるのか。


「とはいえ、今この状況であげることの出来るものなど多くはないのだがな……っと」


 キュラ様の掌に白い光の球が現れる。そのままこちらに手を差し出して、何かを思い出したように口を開く。


「そういえばモンスターになっているとMPも増えるのだったな。だとするとあまり効果を実感出来ないかもしれんの……残念じゃ」


「え?」


「まぁ受け取るがよい」


 そう言われて、光の球を掬うように受け取ると、そのまま手の中に吸い込まれていく。そしてポップアップが開いた。


『パッシブスキル〈消費MP減少〉を取得しました』


 こ、こんなスキルがあるの!? 多分全魔法使いが、いやそんな母数は多くはないけど、待望のスキルだよ!?


「キュラ様、ありがとうございます!」


 興奮気味に頭を下げるあたし。そのまま2人で喜びを分かち合おうとイコールさんの方に向き直って、ポリポリと頭をかく姿が目に入る。


「消費MP減少……? 俺が貰ってどうするんだ?」


「ブレンネ、こいつにそれを渡してどうするんじゃ? もっと他にあげるべきものがあるじゃろ」


 あたしも同意見。近接物理攻撃型のイコールさんが消費MP減少を貰っても、なんの意味もない気がするよ?


 けれど、ブレンネさんはフッフッフッと不気味に笑う。


「私はイコール君に稽古をつけると決めているからな……必ず役に立つと保証しよう」


「稽古とこれにどう関係があるんだ?」


 ブレンネさんはイコールさんの疑問に答えない。だけど、キュラ様は納得したみたい。


「なるほど。それならばもっともよい贈り物じゃな。イコール、頑張るんじゃぞ?」


「はぁ、そりゃあつけてくれるっつうものを無下にはしねぇけども……」


 納得のいかなそうなイコールさんに1度微笑んで、キュラ様はこの場にいる全員を見る。


「さて、ここから本番じゃ。これ以上ない見世物をおぬしらに見せてやろう」


 不敵に笑うと、キュラ様は呪文を唱える。


《管理コード:No.00 マスター》


 さっきと同じような魔方陣が、今度はこの建物全てを――床も壁も天井も書棚も――埋め尽くす。眩しさに思わず目を細めた視界のなかで『管理の魔女』は笑みを絶やさずに言う。


「儂にこの場所を管理させたこと、後悔させてやろう」


 すると、突然ポップアップが表示される。


『トリガークエスト『管理と解放』クリアしました』


 え? このタイミング? 疑問を掻き消すようにファンファーレとキュラ様の声が重なる。


《世界に告げる。この場所は今解放されたと!》


 パリィィィィィィィィィィィィィィン


 言葉と同時につい最近聞いた、鎖が弾け飛ぶ音が響く。そして轟音と共に、書棚が動き出す!


 ううん、書棚だけじゃない。閲覧室にあった机や椅子が床を突き破って現れ、棚の移動によって開けたスペースに整然と配置されていく。迷路のようだった書棚は規則正しく並んでいき、本は自分のいるべき場所を目指して飛び交う。積み上げられた本棚の隣には通路が出来上がり、階段が一定間隔ごとに設置される。


「中ばかりではないぞ?」


 キュラ様の言葉につられ、窓から外を見ると、地面からなにかが顔を出している。それはレンガだった。ボコボコと連続して出てきたレンガたちは道を作り上げ、王都に向かって一直線に突き進んでいく。その脇にはまるで早送りを見ているかのようなスピードで建物が建っていく。


「何が起こっているの……?」


 ゲームの中だというのに、まるで現実味がない。度を過ぎた驚きのせいで、そう声を出すのが精一杯だった。


 そして、道が目視できなくなるところまで延びて行き、飛び交っていた本の最後の1冊がきれいに書棚に入ったその時……


 ログイン中の全プレイヤーにポップアップが表示された。


『エクレーシス禁書図書館が開放されました』



 それから数日たったある日、街の中と同じようにログイン場所となった図書館に、あたしはいる。もちろん、本を読むために。


 常識はずれの大きさの本の森のなかから適当に1冊を引っ張りだして、これまた広い閲覧スペースの片隅に腰をかける。広い館内にはちらほらと魔法使いや聖職者らしき人がいて、みんな思い思いに本を手に取っていた。


 この図書館の開放。それはつまり、カプトマンディを都とする王国が集めた全ての禁書の開放だった。キュラ様が選んだ本当に危険な本以外は、この図書館の中でなら誰でも自由に読むことが出来るようになったんだよね。もちろん、その全てが神学書か魔導書のどちらか。あれだけ頑張って探しまわったものがこんな簡単に手に入るって考えるとちょっと複雑だけど、かわりに一生かかっても読み切れないほどの積み本のストックが出来たわけだし、まぁいいかなって思える。


 それだけじゃない。副産物のここから王都までの道、そしてそこに出来た数多くの宿屋によって、王都にたどり着いた人ならば誰もがここにくる事ができるようになった。これは又聞きの噂だけど、MPポーションがすごく安くなったなんて話も耳にしたよ。


 もしかしたら、このゲームの中での魔法使いの地位が向上するかもしれない。「魔法使いは最弱職」って言う大前提がひっくり返るレベルの変化が起きちゃったんだよね。というか、起こしてしまった。この場にいる誰もが、あたしがその張本人だなんてわからないのだけど……。


 世界を変えるトリガークエスト。その影響は恐ろしいし、ここまで辿り着くのは面倒くさかったけど、いつか、もう一度トリガーを引いてみたい。そんな感情もある。


 まぁでも! 今はとにかく読書! 王都のあの本以来全然読めてなかったから……1年ぐらいは本だけを読んで過ごしたいよね!


 そう思いながら本を開く。さてさて、どんな本なのk――――


 どぉおおおおおん、と、館長室の方から、派手な爆発音が聞こえる。そして同時に焦ったイコールさんの声がにわかにざわざわし始めた図書館に響き渡った。


「そ、ソウ! ちょっとまずい、いやかなりまずい、早く来てくれ!」


「……………………」


 本を閉じて立ち上がろうとしたんだけど、どうしてもため息がこぼれる。


 あたしが平穏に本が読める日は、いったいいつになったらくるんだろう……。

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